心を求めて

hakurei

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家族が離れる!?

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麗奈の家でのパーティーが終わり。
その日も泊まり、日にちが変わって、私は帰宅する。
帰宅して自室にいる時に夜、私の母親が呼びに来た。
「零、少しいい?下に来てくれる?」
「ん?わかった。」
私と母親で一緒にリビングに下りる。
リビングには父親、あの人、妹が既にテーブルを囲んで座っていた。
「…」
父親の顔がどこか悔しそうに見える。
「なによ、急に話をするなんて、早く済ませてくれる?」
このおばさんは相変わらず自己中心的だ。
「えぇ、手短にすませます。」
母親が返答する。
「率直に言います、私と旦那は離婚して別れて暮らします。」
「…」
「…え?」
「はぁ?」
「…?」
父親は何も言わず、私は困惑し、あの人は怒っている、妹はなんの事かわかってなさそうだ。
「何言ってるのよ!許さないよ!そんなの!」
あの人が怒鳴りあげて言う。
「どうして別れる必要があるのよ!あんたもなんかいいな!」
「…すまないお袋、美沙(みさ)の言ってる事に間違いはない、俺と美沙がお互い真剣に話して決めたことだ。」
「意味がわからないよ!あんたが何したってんだい!」
「響也(きょうや)さんはお金の管理が緩いのです、それだけじゃない、家賃も払わず私が家賃を払う事にいつの間になってました。それに問題はお母さん、あなたにもありますよ。」
「は?私が何したのよ!」
「あなた、零に暴力を日常的にしてましたよね?約1年前、零が弱々しく私に言いました。あなたから暴力を受けていてここままだと死んじゃうかも、と。」
私はその日の事を思い出す。体が弱っていて立つのも辛くてもしかしたら意識が落ちるかもという時に母親が帰ってきて訴えかけた事があった日を。
「それに妹の妖花(ようか)からも聞きましたよ、零が怒られているだけでなく殴られてる日もあると。」
「わ、私はそんな事してないわよ!孫に手を出すなんてありえないよ!」
「…お袋、いい加減みっともねぇよ…俺も人の事言えねぇけどさ、子供に暴力は流石にまずいぜ、それに零のその顔の傷、それお袋がつけた傷だろ?」
「し、知らないよ!」
「なら本人に聞く、なぁ零、お袋からの暴力はあったか?それとその傷もお袋なんだろ?正直に言ってくれ。」
「え、えっと…」
チラッとあの人を見ると、キッと睨んでいるあの人がいる。
真実を言ったらまた何かされるのか…そう思うと体が自然と震えた。
「はぁ、そんなに震えてよ、なんで震えてるかわかるかお袋?あんたのせいだよ、子供にここまでの恐怖を与えるなんて…この姿が何よりの証拠じゃないか?」
「.......」
「零、よく耐えたな、お袋が本当にすまなかった、明日一緒に買い物ついてこい、俺の財布好きに使わせてやる。好きなのを買うといいさ、最後の息子へのプレゼントだ。」
「え…う、うん、ありがとう。それとお母さん。」
嬉しかったが、1つどうしても気になる事があった。
「なにかしら?」
「お母さん達が離れたら僕達はどうするの?」
「.......引っ越すわ。」
…やっぱり、そんな気はしていた。
「そっか…」
「ごめんね、でもここには残れない、どうしようもないの…本当にごめんね…」
「ううん、いいよ…。」
これはお母さんだけのせいではない、この家族の責任である。
けど今はこの家の事よりも、最高の親友。
麗奈との別れの事が頭から離れない。
私はどうしたらいいのだろう、そう考えてしまう。
「零、麗奈ちゃんにちゃんとお別れはしないとだよ、辛いだろうけどね、友達なら必ず伝えないと。」
「わかってる、わかってるけど…」
考えられない、唐突すぎて流石に考えがまとまらない。
「とりあえず話は終わりでいいですか?それぞれ考える事もあるはずですし。」
母親がそう言って話が終わり、それぞれが自室に向かう。
自室にて私は考えていた。
なにを、そんなの簡単だ、麗奈にどう事実を伝えるか。
そもそも伝えられるのか?
伝えていいのか?
そう考えてしまいなかなか伝える気にならない。
だが、伝えずに私から消えたら…
そんなの裏切りと同じだ。
だから必ず伝えなくてはならない。
「どうすりゃいいんだよ…」
引越しまで約1週間と既に予定を決めていて引越す場所も決めていたらしい。
「はぁ…」
ため息が漏れた。
「今日は寝よう…」
体が睡眠を求めていたのもあり先に寝ることにした。
「どうしようかなぁ…」
ポツリと呟きながら目を閉じ私は眠った…
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