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最後の夜
3. 今日は手を離してはくれなかった。
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ガチャ
社長の寝室の扉を開ける。
僕は掴まれていた手をすっと引いた。
社長が自分の寝室へ入る時はここで「おやすみなさい」だ。
だが、今日は手を離してはくれなかった。
そのまま強く握り直され、寝室へと引きずり込まれる。
「!!!!」
ドサッ!!
僕の身体は、力任せに社長のベッドへと放り投げられた。
柔らかな布団の上に身体が沈み、ふわっと社長の匂いが全身を包む。
抑えようと必死になっていた性欲にスイッチが入ったように火照り出し、一気に息が荒くなった。
社長もそのまま僕に覆いかぶさる。
シルクの肌触りのシーツの上、社長に跨れまた激しく唇を奪われる。
ほんのり花の香りがし、それはさっきご令嬢とキスをした時の口紅の香料の匂いだとわかったが、必死に自分で気づかないフリをした。
長いキスの後、ようやく開放され目を開けると、見下ろす社長はなんだか怒っている様子で僕を睨み付け、それでも自分のネクタイを緩め僕のネクタイにも手をかける。
シュルッ
プチッ、プチッ、プチッ……
僕のワイシャツのボタンを外しだし、我に返った僕はあわてて身体を起こす。
「社長!ぼ…僕の部屋で……。
あ…あの……、準備…しますので……」
「いい…、かまわない」
「えっ!!だ…ダメです……それは……」
「ゴムを付ければいい話だ!」
「いえ…汚れますし、そんな…問題では……」
僕は慌てて社長の股下からすり抜け、はだけたシャツを握り締めた。
社長の顔はますます険しくなり、チッと舌打ちをする。
「わかった。だが、シャワーは浴びてくるな。
中を洗うだけにしろ!」
「…………はい」
僕はおずおずと立ち、部屋を出る。
「ここで待っている。
ここに来い」
部屋の扉が閉まる寸前、社長の声がした。
僕はこくんと頷いた。
こんな時、僕が女だったらと考える。
女の身体だったら、そのままの流れでSEXもでき、社長の欲求にすぐに答えることもできたのに……。
自室のシャワールームの鏡の前、完全に成長しきった男の身体の自分を見つめる。
いろんなことにコンプレックスを感じて生きてきた。
肉つきが変わり、陰毛が生え、声変わりをし、身長が伸び、骨ばって決して美しいとは言えない自分。
でも、それでも社長に求められ、他の誰にも触らせるなと言ってもらったこの身体に少しばかりだが誇りも芽生えていた。
そして、これからは秘書としても、社長のお役に立てる。
今まで学校に行かせていただいた恩も返せることが、僕の今の喜びだった。
しかし……
所詮は性奴隷なのだ。
その性奴隷の役目ですら、求められたときすぐには対応出来ないこの身体が歯がゆく感じる。
そして……近いうちに、そのお役目も無用となってしまうのだと思うと涙が溢れて止まらなくなっていた。
僕は大きめの社長の好きな白いシャツ一枚で社長の寝室へと入った。
社長は明らかに泣きはらした僕の顔を見、険しい顔が一変した。
「……泣いていたのか」
その柔らかな優しい声に僕はちょっとほっとし、黙って頷きベッドに座る社長の横に座った。
優しい手のぬくもりが僕の頬に触れ、そのまま両手で僕の小さな顔を覆うと、さっきとは打って変わってゆっくりと唇が重なってくる。
社長は何かで口元などを拭ったのか、先ほどしていた花の香りはもうしなかった。
社長の寝室の扉を開ける。
僕は掴まれていた手をすっと引いた。
社長が自分の寝室へ入る時はここで「おやすみなさい」だ。
だが、今日は手を離してはくれなかった。
そのまま強く握り直され、寝室へと引きずり込まれる。
「!!!!」
ドサッ!!
僕の身体は、力任せに社長のベッドへと放り投げられた。
柔らかな布団の上に身体が沈み、ふわっと社長の匂いが全身を包む。
抑えようと必死になっていた性欲にスイッチが入ったように火照り出し、一気に息が荒くなった。
社長もそのまま僕に覆いかぶさる。
シルクの肌触りのシーツの上、社長に跨れまた激しく唇を奪われる。
ほんのり花の香りがし、それはさっきご令嬢とキスをした時の口紅の香料の匂いだとわかったが、必死に自分で気づかないフリをした。
長いキスの後、ようやく開放され目を開けると、見下ろす社長はなんだか怒っている様子で僕を睨み付け、それでも自分のネクタイを緩め僕のネクタイにも手をかける。
シュルッ
プチッ、プチッ、プチッ……
僕のワイシャツのボタンを外しだし、我に返った僕はあわてて身体を起こす。
「社長!ぼ…僕の部屋で……。
あ…あの……、準備…しますので……」
「いい…、かまわない」
「えっ!!だ…ダメです……それは……」
「ゴムを付ければいい話だ!」
「いえ…汚れますし、そんな…問題では……」
僕は慌てて社長の股下からすり抜け、はだけたシャツを握り締めた。
社長の顔はますます険しくなり、チッと舌打ちをする。
「わかった。だが、シャワーは浴びてくるな。
中を洗うだけにしろ!」
「…………はい」
僕はおずおずと立ち、部屋を出る。
「ここで待っている。
ここに来い」
部屋の扉が閉まる寸前、社長の声がした。
僕はこくんと頷いた。
こんな時、僕が女だったらと考える。
女の身体だったら、そのままの流れでSEXもでき、社長の欲求にすぐに答えることもできたのに……。
自室のシャワールームの鏡の前、完全に成長しきった男の身体の自分を見つめる。
いろんなことにコンプレックスを感じて生きてきた。
肉つきが変わり、陰毛が生え、声変わりをし、身長が伸び、骨ばって決して美しいとは言えない自分。
でも、それでも社長に求められ、他の誰にも触らせるなと言ってもらったこの身体に少しばかりだが誇りも芽生えていた。
そして、これからは秘書としても、社長のお役に立てる。
今まで学校に行かせていただいた恩も返せることが、僕の今の喜びだった。
しかし……
所詮は性奴隷なのだ。
その性奴隷の役目ですら、求められたときすぐには対応出来ないこの身体が歯がゆく感じる。
そして……近いうちに、そのお役目も無用となってしまうのだと思うと涙が溢れて止まらなくなっていた。
僕は大きめの社長の好きな白いシャツ一枚で社長の寝室へと入った。
社長は明らかに泣きはらした僕の顔を見、険しい顔が一変した。
「……泣いていたのか」
その柔らかな優しい声に僕はちょっとほっとし、黙って頷きベッドに座る社長の横に座った。
優しい手のぬくもりが僕の頬に触れ、そのまま両手で僕の小さな顔を覆うと、さっきとは打って変わってゆっくりと唇が重なってくる。
社長は何かで口元などを拭ったのか、先ほどしていた花の香りはもうしなかった。
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