蜘蛛の糸の雫

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２. 社長のその言葉が僕の胸に突き刺さる。

社長はホテルに着くと僕をベッドへ呼び、決まって膝枕を要求しそのまま眠りに着く。

僕は社長の頭をなでる。
ただ、それだけ……。

それだけのために、僕をここへ呼んだのかわからなかったが、僕は奴隷。それに疑問を抱いても仕方がなかった。


数日、そんな日々が続いた。



「ああー……」

社長は深く息を吐いて、大きな一人用のソファーへと腰をおろした。

僕は自分のネクタイを緩め、ジャケットをハンガーにかけると、その前に跪く。

かなりなハードスケジュール。
随分と疲れた様子で心配になる。

いつもは部屋へ戻るとすぐお風呂に入るのでお風呂の準備をするのだけど、今日はそのまま部屋の奥まで来て座ったので、どうしていいのかわからずただ側にいることしか思いつかなかった。

「どうだった?」

「？」

「……いや……」

そう呟いたが、僕は何のことだかわからず首をかしげると、社長は僕のほうへと視線を向け僕の首元に触れる。
第一ボタンが外されたワイシャツの僕の首に指を這わせ、鎖骨をなぞる。

「ふぅ………」

社長がもう一度熱っぽく息を吐いた。

「あれ、持ってきてるな。
……準備しろ。」

鎖骨から上に上がり、僕の頬を撫でながらそう言うと、僕も我慢できずにその手に頬擦りをし、軽く頷いた。





僕はシャワーを浴び、中もきれいにする。
この歳になっても、陰毛は欠かさず剃っていた。

社長はそのままソファーで待っていた。
僕はその社長の前に以前もらった首輪だけの姿で現れた。

所有物の証。


社長が電気を間接照明だけにしていてくれて助かった。
久しぶりで、すごく恥ずかしい。

僕がシャワーに入っている間にルームサービスが来たのか、カートが２台置いてあり、ドーム型の蓋がそれぞれに被せられている。

裸の僕を下から上まで何度も眺める。

「……大きくなったな……」



社長のその言葉が僕の胸に突き刺さる。

社長と出会い、求められた頃の僕はまだまだ身体も幼くて、女性を相手にしていた社長には、違和感がなかったのかもしれない。
しかし、あれから二年近く経った今では、身長も伸び、肩幅も広くなり、声変わりも完全にしてしまって、どう見ても男の身体だ。
性奴隷になってから求められるたびに、あの頃に戻りたいと願う。

社長はそれでも僕のこの身体で興奮してくれて、お役に立てているのは嬉しかったが……。


内心、いつ捨てられるのか鏡の中の自分を眺めながら思っていた。