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距離

9. 今度はオレが監禁したいと思うくらいに……。

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ぐちゅ!ぐちゅ!ぐちゅ!ぐちゅ!ぐちゅ!

「んっ! はんっ! んっ! んっ! んんっ!」

足音が聞こえなくなると激しさを増し、奥を突かれると感じすぎて震えが何度も襲った。
もう足はほとんど宙に浮き、ハヤから出た愛液でぐじゅぐじゅのオレのアナルからは雫が飛びちる。

「あぁっ!……イク……」

オレを後ろから抱きしめ、耳元で小さく言ったかと思うと、オレの中に熱いものが ぐぶゅぐぶゅ と注がれた。

抱きしめる腕は、しばらく痙攣を起しているかのように震え続け、そのつど、中のハヤのちんこもビクビクと動き、精液を吐き出す。
オレは静かにこの快感と感情とを受け入れていた。

こんなにも、オレはこいつのことが好きだ。
今度はオレが監禁したいと思うくらいに……。
もう、このトイレからハヤを出したくない。抱きしめ潰したい。

……どうしよう。

ハヤはまだ自分がオレの中に入ったまま、オレの身体を仰向けにした。
覆いかぶさり、優しく何度もキスをする。
そして、オレの頬が濡れだした。

見上げると、ハヤは泣いていた。
溢れるほどに瞳が潤み、ぽたぽたと涙が頬を伝う。

「会いたかった……」



………オレも……。

しかし、オレはその言葉を飲み込んだ。
その代わり首に手を回し、オレから激しいキスをする。

「んっ……ふぅんっ……んぁ……。

………ほら、もう行けよ」

唇を離すと、オレは自分からハヤのちんこを抜いた。
洗面台の横に置いてあるティッシュを取ると、ハヤのちんこを拭き、オレがズボンのチャックも上げてやる。

そして扉の前で背中を押した。

「また来る前に出ないと……。ほらっ……」

「ナ……ツ……」

名残惜しそうに振り返る視線を振り切り、オレはハヤをトイレから追い出した。



しゃがみこむ。
完勃ちになった自分のモノを扱いて処理する。

余韻………

オレはまだまだあいつに愛されている……。


注がれた愛の証が、オレの中から溢れだすのを手で受け止めた。

とんだ再会だったが、就職活動も上手くいかなくて、目標も見失いかけていたオレにはこんなに力になるものはないと実感した。

まだ、距離はある……。
だが、俺達のこの想いがいつか繋がって、共に歩める時がくる。

そう信じて、お互い進むしかないんだ。


オレはハヤの精液もそのままに、下着とズボンを履いた。
身なりを整え、ベテラン秘書と合流する。

「ちょっと腹の調子が悪くて……。スイマセンでした」

もう、料亭の女将や料理長までが、ハヤと社長、そして娘を見送っていた。
ハヤが、料亭の門をくぐる。その目の前には移動に使うハイヤーが停められ、運転手が扉を開けて待っていた。

振り返る。
軽く社長と娘に会釈すると、遠く、一番奥に立っているオレを見た。



熱い視線。

オレだけがわかるこの熱に、また犯された気分になる。



次はいつ、会えるのか。

その確証はないが、昇りつめてやろうと心に決めた。



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