結婚した騎士様は王族だった

花咲

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出会い編

出会い3

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事件から一週間後ーー


(今日も人は多いなぁ…)
昼時なこともあり、冒険者やこの近くに店を持つ鍛冶師などがひっきりなしにやってきた

王都の西側は冒険者や薬屋、武器屋などが沢山あり、冒険者などの客が多い。

「アルフィナ~!こっちにエールひとつぅ!」と声が聞こえてきた。席へ行くと、冒険者のジージャン達だった
「え~、まだ昼ですよ。」と昼だから飲むのを止めようとしたのだが、
「もう飲まなきゃやってられないんだよぉ~」と泣いてしまった
「え~~…」その光景に戸惑っていると、ジージャンのパーティーメンバーに声をかけられた
「はぁ…アルフィナちゃん、エール持ってきてやって…」と魔法使いのリージアに頼まれた
「え…?いいんですか?」

以前リージアにジージョンが昼間から酒を飲もうとしていたら、止めて欲しいと頼まれていたのだ

「うん、こいつ狙っていた子が彼氏いて振られてショック受けてるのよ…お酒の力でこのウザいのがちょっと良くなるなら…ね、」と疲れたようのリージアは微笑んだ
「わかりました。けど、女将さんを怒らせないでくださいね」とジージョンに声をかけ、注文票を片手に厨房へ伝えに行った

「まぁた、ジージョンかい…あいつも懲りないねぇ」と疲れたように笑った
彼は12歳の頃からこの店に通っているようで、常連なのだ
個人の付き合いも長いらしく、息子のようだと言っていたのを覚えている

「そうですね…今月で2回目ですもんね」
今月に入ってすでに2回もフラれており、ヤケ酒をしていたはずだ

「はははっ、そうだね。よし、これを持ってといてくれ」とエールが溢れそうなほど入った木製にコップを渡される

なぜ、木製なのかというと、趣があるということと、ガラス製だと冒険者や酔っ払いが暴れた際ガラスだと割れてしまうからだ。
木製なら、そうそう割れることはないので、大体の宿屋や食堂は木製のコップが使われている

「はい、お待ちどうさまです。」とジージョンの前へエールを置く

「あ”りがとぉ“う」とテーブルに俯いているせいで声がこもっており、泣いているように聞こえた
いや、泣いているのだろうが、ここは気づかないフリをしてあげた方がいいのだろう

「お“れはぁ、いっしょぉう、独り身、なんだぁよぉぉ」と嘆いているのを慰めていると、カランコロン、と来客を知らせるベルがなった

「あ、すいません」と断りを入れ、案内しようと行くとそこへいたのは、あの時助けてくれた騎士さまと幼馴染のウィリアムだった
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