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4:モノや動物ではありません、人間です。
しおりを挟む君たち、莉乃の友達だよね?
「え?あっ、辻崎先輩?!」
「ウソどうして?今、莉乃いないですよ」
こんにちは。一度君たちと話してみたいと思っていたんだ。
コレ、良かったら食べて。女の子は甘い物が好きだろう?
「わー、何コレ。ちょっと高めのスイーツじゃんか!」
「先輩、嬉しいですっ」
実は、ちょっとお願いがあってさ。
僕、莉乃との時間をもっと取りたくって、莉乃の休み時間を僕にくれないかな?
「ラブの予感?!どうぞ、どうぞ。あげちゃいますから、口説き落として下さい」
「うおー。先輩、結構莉乃に本気な感じですか?」
そう。君の言う通り、結構本気で莉乃が欲しいんだ。
……だから、君達がもし構わないのなら。莉乃のことをこっそり教えてくれないかな?
「莉乃が欲しいだって!やばいねっ、本気っぽいじゃん」
「私たちの知っていることでいいなら、どんどん教えちゃいますよ!」
ありがとう、そう言ってもらえると心強いよ。
ああ、ちなみにこのことは莉乃には内緒でお願いね。なんだか格好悪いだろう?
「もちろん内緒にしますよ」
「言いません。けど、格好悪いだなんて思わないですよ」
男として見栄を張りたいんだ、だから頼むよ。
僕と君たちとの約束、だからね。
「はい、任せて下さい」
「莉乃ったら羨ましいわー。こんな人と恋の予感だなんてっ!」
ははは。
とりあえず、まずは莉乃の好きな物について教えてくれる?食べ物とかテレビ番組とか趣味とか……、なんでもいいんだけど。
「えっと……莉乃は――」
***
今日は色々ありがとう。
また時々、僕の力になってくれると助かるな。駄目かな?
「いえいえ、力になったなら良かったです。いつでもどうぞ」
「途中から脱線もしたけど、そのときの先輩とのお話楽しすぎです。莉乃関係じゃなくてもいつでも歓迎ですよ」
あはは。
それじゃ、遠慮なくまた聞きに来るから、その時もお喋りしよう。話しながら食べれるものも持って来るから、楽しみにしてて。
またね。
「はい、またいつでも来て下さい!……って。行っちゃったね」
「辻崎先輩さ、めっちゃ莉乃のこと好きっぽかったよね?話の端々から、そう感じたわ」
「そうだね。莉乃のこともちゃんと考えてそうだし、普通に話上手いし、このお菓子も美味しいし。スペック高いわ」
「あーあ、うちらの中で最初に彼氏が出来るのはきっと莉乃だね」
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