誓い

時和 シノブ

文字の大きさ
上 下
8 / 10

しおりを挟む
父さんと無事再会できた安心感からか、心身ともに疲れがどっと出てしまい、辺り一帯、視界も悪くなって来てしまったので、僕らは山小屋で一晩泊まらせて頂く事になった。

いつの間にか僕は眠ってしまっていたが、美味しそうなカレーの薫りで目が覚めた。

「カレー、食べれそう?」

山小屋の女の人が優しく問いかけてくれる。

「はい!」

僕は父さんと二人、この山小屋名物のカレーライスをご馳走になる。
一日中、歩き回っていたのと、山の気温の低さで体が冷え切っていたのか温かさが余計に身に沁みる。

「ほいしいです!」

熱々のカレーライスを一心不乱でかき込む僕を見て、山小屋の女の人も、にっこりと微笑んでいる。

(あれ? この笑顔、何処かで……)

落ち着いて小屋の中を見渡すと、登山に訪れた人達の集合写真やカイとルゥらしき犬の写真が飾ってある。

やっぱり、あの二匹は山小屋の子だったんだ……

そして、もう一枚、意外な写真を見つける。

……あの女の子の写真だ!

周りの目も気にせず、僕は写真に駆け寄る。
父さんが

「こらっ。お行儀が悪いぞ」

と僕に言ったけれど、気になって仕方がなかったので、写真を真近で見てみる。
写真の右隅に日付らしき数字が印字してある。

『H19.7.10』

何か、おかしい。
山で遇ったあの子と同じオレンジのヤッケまで着ているが、日付が10年以上も前だ。






しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

連れ子が中学生に成長して胸が膨らむ・・・1人での快感にも目覚て恥ずかしそうにベッドの上で寝る

マッキーの世界
大衆娯楽
連れ子が成長し、中学生になった。 思春期ということもあり、反抗的な態度をとられる。 だが、そんな反抗的な表情も妙に俺の心を捉えて離さない。 「ああ、抱きたい・・・」

体育教師に目を付けられ、理不尽な体罰を受ける女の子

恩知らずなわんこ
現代文学
入学したばかりの女の子が体育の先生から理不尽な体罰をされてしまうお話です。

お父さん!義父を介護しに行ったら押し倒されてしまったけど・・・

マッキーの世界
大衆娯楽
今年で64歳になる義父が体調を崩したので、実家へ介護に行くことになりました。 「お父さん、大丈夫ですか?」 「自分ではちょっと起きれそうにないんだ」 「じゃあ私が

妻がエロくて死にそうです

菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。 美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。 こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。 それは…… 限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常

そんなふうに見つめないで…デッサンのモデルになると義父はハイエナのように吸い付く。全身が熱くなる嫁の私。

マッキーの世界
大衆娯楽
義父の趣味は絵を描くこと。 自然を描いたり、人物像を描くことが好き。 「舞さん。一つ頼みがあるんだがね」と嫁の私に声をかけてきた。 「はい、なんでしょうか?」 「デッサンをしたいんだが、モデルになってくれないか?」 「え?私がですか?」 「ああ、

お父様の相手をしなさいよ・・・亡き夫の姉の指示を受け入れる私が学ぶしきたりとは・・・

マッキーの世界
大衆娯楽
「あなた、この家にいたいなら、お父様の相手をしてみなさいよ」 義姉にそう言われてしまい、困っている。 「義父と寝るだなんて、そんなことは

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

親戚のおじさんに犯された!嫌がる私の姿を見ながら胸を揉み・・・

マッキーの世界
大衆娯楽
親戚のおじさんの家に住み、大学に通うことになった。 「おじさん、卒業するまで、どうぞよろしくお願いします」 「ああ、たっぷりとかわいがってあげるよ・・・」 「・・・?は、はい」 いやらしく私の目を見ながらニヤつく・・・ その夜。

処理中です...