月は夜をかき抱く ―Alkaid―

深山瀬怜

文字の大きさ
上 下
117 / 170
鎌鼬

5・正常な清浄

しおりを挟む


 駅の中にある一室で理世子と由真は警察の到着を待っていた。どうやら今から事情を聞かれるらしい。その前に由真の傷を治療したかった理世子は、帰宅していた星音を呼び出すことだけは了承してもらえた。理世子の連絡を受けて急いで来たらしい星音は部屋に辿り着いたときは会話もできないほどに息を切らしていた。
「そんな急いで来なくてもよかったのに……」
「怪我したって聞いたら、普通急ぐやろ……」
 軽く息を整えてから、星音は由真の体に能力で作り出した包帯を巻き始めた。幸いにも傷は浅く、すぐに治せる程度のものだ。
「理世子がいてよかったよ、本当に。いなかったら間に合わなかった」
「多分、幽霊とかそういうものを集めて鎌鼬に変える能力なんだと思う……集められる霊の力が強くて、数が多いほど強くなる」
「声は理世子にも聞こえなかったんだよね?」
「私は幽霊の声は聞こえても、それを集めてる人の声はわからないから――多分由真に聞こえてるのは能力を使うときの合図みたいなものなんだと思う」
 由真と理世子の話を聞きながら、幽霊を集めてそれを使って攻撃するなんて、まるで死霊術師ネクロマンサーみたいだと、少々呑気なことを思っていた。
「ごめんね……犯人ちゃんと捕まえられればよかったんだけど」
「理世子に怪我がなかったのが何よりだよ。それに髪型と性別はわかったし。悠子や寧々ならそこから捕まえる方法を考えられるかもしれない」
 それだけで前進なのは事実だ。解決に向けての糸口が見えてきたことで明るい雰囲気さえ生まれていた。――その部屋に部下を引き連れた田崎が入って来るまでは。
 田崎の姿を認めた途端に由真が表情を硬くする。理世子も平素の可憐な笑みを消し去って田崎を見つめていた。
「これで三件目だ、柊由真。それでもまだ偶然と言い張るか?」
「梨杏の現場はともかく、他二つは本当に偶然だったよ。ただ……声が聞こえたから気になってそこに向かっただけ」
「声、か。その話は杉山の調書にもあったな」
 由真と星音が立ち会った二件目の事件のとき、悠子から簡単な聴取を受けた。そのときに確かに由真は由真だけに聞こえる声について話していたし、悠子はありのままを書いたのだろう。そして同じ事件を調査しているのだから当然その調書は資料として共有される。それ自体はおかしいところは何もなかった。けれど悠子も馬鹿正直に書かなくても――と星音は一触即発の気配を感じながら思った。
「お前にしか聞こえないものならどうとでも誤魔化せる。本当は存在しないものを存在するように騙ることは造作もない」
「何が言いたいの?」
 由真が真っ直ぐに田崎を見る。その目は横で見ている星音も怯むほど鋭いものだったが、田崎はそれをものともしなかった。
「署まで来て、話を聞かせてもらおうか」
「任意同行ってこと?」
「そういうことになるな」
 任意なら断るべきだ。田崎は明らかに由真を犯人だと疑っている。能力を使った犯罪は裁判における再現実験で能力を再現できなければ立証できないとされているが、実際はそんな実験が行われることは少なく、状況証拠と自白を中心に真偽が争われる。悠子のいる対策課は能力者事件を専門としているからまだいいが、他は明らかに能力者側が不利になる。それは能力者として生きていく上では常識だった。由真が口を開く前に理世子が二人の間に立ちはだかる。
「あなたのところに行かせるわけにはいかない。昔、あなたが由真に何をしたのか、忘れたとは言わせないわ」
「やましいことがあるから黙っていたのだろう。殺人の嫌疑がかかっている能力者に対して、安全確保のために光線を使うことは許可されている」
 田崎の言葉で星音は悟った。北斗の家の事件があった頃は一般的に使われている特殊光線しか使われていなかったが、それも長時間の照射は由真の体に著しい負荷をかける。それどころか命を落とす危険すらある。それをこの男は躊躇いなく使ったのだ。そんな男のところに由真を行かせるわけにはいかない。星音も理世子の隣に、由真の盾になるように立ちはだかった。
「任意やったら、別に行かなくてもええんやろ?」
「そうだな。だが、何もやましいことがないのなら話せるはずだ。今回のことも、北斗の家のことも、それよりもっと前のことも」
 田崎の言葉で由真の顔色が変わった。由真は自分の左手首を強く握りしめる。
「とにかく、あんたなんかのところに由真さんは絶対行かせへんからな!」
「――これ以上邪魔をするようなら公務執行妨害で逮捕するぞ」
「コウムだかなんだかわからへんけど、やれるもんならやってみろや!」
 星音が啖呵を切った。漫画の登場人物を真似た似非関西弁は、喧嘩のときは迫力がある。けれど抵抗すればするだけ不利になるのも事実だった。
「星音」
 由真は星音を諌めるようにその腕を引く。振り向いた星音は、由真の目に決意の光が宿っているのを認めた。覚悟を決めた、まっすぐな、抜き身の刃のような目に、星音は言葉を飲み込んだ。
「――この事件について、話せることは全部話す。解決したいのは一緒でしょ」
「そうか。それなら一緒に来てもらおうか」
 由真は頷き、星音と理世子を置いて部屋を出ていく。ドアがしまった瞬間に、星音は金縛りから解かれたようにその場に座り込んだ。
「……馬鹿でしょ、由真さん」
 実際に酷い目に遭わされたことがあるはずななのに。行かせてはならないことは明らかだったのに。最後の最後で止められなかったのは、由真の目に気圧されてしまったからだ。蹲る星音の背を、理世子が優しく撫でた。
「いつだって、由真は自分のことよりも他人のことを考えてる。……あのまま抵抗してたら、星音ちゃんや私が捕まってたかもしれない」
「だからそれが馬鹿なんやって!」
「そうね。本当にどうしようもない。でも……そんな人だから、私は由真が好き」
 それは星音も同意見だった。理世子の目には先程の由真の目にも似た決意の光が灯っている。
「今は、これからどうするかを考えないと」
 星音は頷く。まるでお姫様や妖精のような容姿の理世子だが、その瞬間は運命に抗って闘う騎士のように見えた。



 車が走り出して数分、窓の外を流れる景色を見て、由真は異変に気が付いた。由真は隣に座る田崎を問い詰める。
「どこに行くつもり? 道こっちじゃないでしょ」
「まさかあんな言葉でノコノコついてくるとはな。そんなにお仲間が大事か?」
「私は事件を解決するために来たんだけど」
「今度の仲間は殺すことにならなければいいな」
「何が言いたいの?」
 田崎を信じていたわけではなかった。けれど今回の事件を引き起こした犯人を憎んでいることには変わりないと思っていた。能力者に対する扱いを除けば刑事として非常に優秀な男であることはわかっていたからだ。
「北斗の家の事件だけじゃない。その前にもあの施設の人間が起こした事件にお前は関わっていたはずだ。主に後処理係と言ったところか」
「……それは今回の事件とは関係ない」
 田崎は由真の言葉を聞くと、唇を歪めて笑った。
「随分とおめでたい頭をしている。――今回の事件なんてどうだっていいんだ」
 田崎の指が由真のシートベルトの金具に伸びる。音を立ててシートベルトが外れた瞬間、由真は後部座席の上に押し倒されていた。田崎の荒れた手が由真の細い首筋を捉え、強い力で締め上げる。
「この世界を元の、正常な姿に戻す。そのためにはお前を真っ先に排除しなければならないんだ」
 声どころか、僅かな呻きさえも上げられないまま、由真の意識は遠のいていく。視界が黒く染まって行く中で、憎悪を滲ませた声が由真の耳に届いた。

「お前を決して赦しはしないぞ――ηUMaアルカイド



 目を覚ますと、そこは雑然とした倉庫のような場所だった。コンクリートの床が寒々しい。体は広い空間の中央に置かれた椅子に拘束されていて、少しでも体を動かせば縄が食い込んだ。
「……仮にも警察がこんなことしていいわけ?」
 田崎は由真と向かい合うように革が破けたソファーに腰掛けていた。北斗の家の事件の取調のときは、対応は酷かったがあくまで警察の取調であるという体裁は守っていたのだが。
「これはあくまで個人的な行為だ」
「私は任意同行って聞いたから来たんだけど」
 多少のことは覚悟の上だったが、まさか体面まで投げ捨てた嘘だったとは思わなかった。そこまでして何をするつもりなのか。由真は体を硬くした。
「聞きたいことは山のようにある」
 田崎は特殊警棒で由真の顎を押し上げる。
「全て聞き出してから、お前には死んでもらう」
 田崎の目は本気だった。けれど同時に、田崎はまだ人を殺したことはないのだろうと由真は思った。
「決して楽に死なせはしない」
「……っ!」
 田崎が特殊警棒のボタンを押した瞬間に、胸に激痛が走った。現在の機動隊が使っているものと同じ特殊光線だ。普通のものと違って数秒の照射でも危険を伴う性質のものだ。
「――それじゃあ、尋問を始めようか。まずは、今回の事件について知ってることを全て吐いてもらおうか」
「知ってることは悠子に言ったのが全部だよ」
「それだけではないだろう? その能力者の声は何故お前にだけ聞こえる? 理由に見当はついてるんだろう?」
 由真は首を横に振った。けれど霊を操るその能力から推測することはできる。先日、星音たちの学校で起きた幽霊事件のときもそうだった。聞こえているのは正確には由真にではないのだろう。理世子のように特殊な能力を持っているわけではない由真だが、その身の内側に棲まわせている存在は紛れもなく死者なのだ。だがそれを田崎には言えなかった。内側にあるものを明らかにしてしまえば、彼は間違いなくそれを消そうとするだろう。
 アルの存在を誰にも言えないままでいるのは、明らかに自分にとって害になると自分でも理解している彼を失いたくはないからだ。だからこそ北斗の家での最後の日に何があったのかも――少なくとも、目の前の男に言うことはできない。
「今回もダンマリが赦されると思うなよ」
 胸元に警棒を押し付けられ、特殊光線を照射される。五秒程度の短い照射でも、時間が積み重なれば積み重なるほどに種は蝕まれていく。それでなくても由真の種には普段から強い負荷がかかっているのだ。
「……っ、本当に聞きたいのは、今回の事件のことじゃないんでしょ……」
 田崎の婚約者が亡くなった事件。それは暴走した能力者により引き起こされたもので、最終的に被疑者死亡のまま送検され、一応の解決を見た。その事件までは田崎は能力者も無能力者も犯罪者は犯罪者として扱う、普通の警察だったという。犯人はわかっている。けれどその人はもう死んでしまっている。怒りをぶつける場所が能力者全般に向かってしまったのだ。
「……あなたが予想している通りだよ、あの事件に関しては」
 それだけは由真自身の犯した罪だ。けれど口にするだけで嫌な記憶が蘇った。光線照射の影響も相俟って、強い吐き気に襲われる。それでも真っ直ぐに前を見据えて、由真は言葉を発した。
「あの事件の犯人を殺したのは、私――」
 警棒で鳩尾を抉るように押され、息ができなくなる。けれど由真が殺したことはとうの昔にわかっていただろう。そのとき由真は、由真にしか使えない方法でその人間を葬ったのだから。
「元々、そういう計画だった……意図的に能力を暴走させたときに、どれだけ能力が上がるか……っ」
 元々は人を殺すほどの力はない能力者で、由真たちのように二つ名も与えられていなかった。それでも種の中に閉じ込められたものが外に漏れ出してしまったときは、想像を絶する力を発揮するようになる。けれどその先に待っているのは死しかない。由真が手を下さなくても彼女は死んだだろう。苦痛を周囲に振り撒きながら、世界を呪いながら。
 暴走の苦しみは計り知れない。命が途絶えるその瞬間まで続く苦痛を一瞬で終わらせる方法を、由真だけが持っていた。
「命令されてやったことだけど……それでも、私が彼女を殺したのは事実……ッ!」
 田崎は躊躇いなく特殊光線を照射する。体に罅が入るような痛み。力が抜けた由真の喉に田崎の手が触れ、容赦なく力が込められた。
 沢山の人を自分自身の手で葬ってきた。その罪は消えたりはしない。だからこそ願っていることがある。
「今回の事件の犯人……早く止めないと、あのとき以上に……人が死ぬかもしれない……だから」
 由真が田崎についてきたのは、どうしてもそれだけを伝えたかったからだ。能力発動に使う死者の数は事件を重ねるたびに増えている。あのときも理世子がいなければ止められなかっただろう。取り返しのつかないことになる前に終わらせなければならない。犯人の目的はなんであれ、それだけは確かだ。
「殊勝なことだな。これまで沢山の人間を殺してきたくせに」
「だから、もう誰にも死んでほしくない……!」
 田崎が由真の胸倉を掴む。由真とて誰かを助けることで罪が雪げるとは思っていない。ただ、同じ苦しみを繰り返したくはないだけだ。しかし田崎はそのまま腰に差していたナイフを手に取った。
「もう誰にも死んでほしくない、か。そう思うのなら、ここで大人しく死んでもらおうか」
 小さなナイフは由真の服を簡単に切り裂いた。顕になった白い胸に特殊警棒が押し付けられる。田崎の意図を察した由真が目を見開くのと、田崎が光線を発するためのボタンを押下するのはほぼ同時だった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話

釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。 文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。 そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。 工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。 むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。 “特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。 工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。 兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。 工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。 スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。 二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。 零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。 かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。 ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。 この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

【Vtuberさん向け】1人用フリー台本置き場《ネタ系/5分以内》

小熊井つん
大衆娯楽
Vtuberさん向けフリー台本置き場です ◆使用報告等不要ですのでどなたでもご自由にどうぞ ◆コメントで利用報告していただけた場合は聞きに行きます! ◆クレジット表記は任意です ※クレジット表記しない場合はフリー台本であることを明記してください 【ご利用にあたっての注意事項】  ⭕️OK ・収益化済みのチャンネルまたは配信での使用 ※ファンボックスや有料会員限定配信等『金銭の支払いをしないと視聴できないコンテンツ』での使用は不可 ✖️禁止事項 ・二次配布 ・自作発言 ・大幅なセリフ改変 ・こちらの台本を使用したボイスデータの販売

春秋館 <一話完結型 連続小説>

uta
現代文学
様々な人たちが今日も珈琲専門店『春秋館』を訪れます。 都会の片隅に佇むログハウス造りの珈琲専門店『春秋館』は、その名の通り「春」と「秋」しか営業しない不思議な店。 寡黙で涼しい瞳の青年店長と、憂いな瞳のアルバイトのピアノ弾きの少女が、訪れるお客様をもてなします。 物語が進む内に、閉ざされた青年の過去が明らかに、そして少女の心も夢と恋に揺れ動きます。 お客様との出逢いと別れを通し、生きる事の意味を知る彼らの三年半を優しくも激しく描いています。 100話完結で、完結後に青年と少女の出逢い編(番外編)も掲載予定です。 ほとんどが『春秋館』店内だけで完結する一話完結型ですが、全体の物語は繋がっていますので、ぜひ順番に読み進めて頂けましたら幸いです。

恥ずかしい 変身ヒロインになりました、なぜならゼンタイを着ただけのようにしか見えないから!

ジャン・幸田
ファンタジー
ヒーローは、 憧れ かもしれない しかし実際になったのは恥ずかしい格好であった! もしかすると 悪役にしか見えない? 私、越智美佳はゼットダンのメンバーに適性があるという理由で選ばれてしまった。でも、恰好といえばゼンタイ(全身タイツ)を着ているだけにしかみえないわ! 友人の長谷部恵に言わせると「ボディラインが露わだしいやらしいわ! それにゼンタイってボディスーツだけど下着よね。法律違反ではないの?」 そんなこと言われるから誰にも言えないわ! でも、街にいれば出動要請があれば変身しなくてはならないわ! 恥ずかしい!

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...