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12・赤津島_1
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橙が駆け込んできたのは、恭一が退院してから一週間が過ぎた深夜のことだった。眠っていた恭一は、ぼんやりとした頭で橙の言葉を聞く。
「天花ちゃんの居場所がわかった」
その言葉で頭が覚醒する。橙は恭一のために、急いでそれを知らせに来てくれたのだ。
「無事なのか?」
「ああ。話では民宿に泊まり込みで働いているらしい」
「どこの民宿だ?」
目にも止まらぬような速さで着替えて家を出ようとする恭一を、橙が慌てて制する。
「今から行っても、明日にならないと赤(あか)津(つ)島(しま)には渡れないから」
「赤津島? どこにあるんだそれ」
「日本海側だな。特に観光資源とかがあるわけでもないマイナーな島だ」
どうやってそこまで辿り着いたのかもわからないくらい遠い場所だ。天花はお金もそれほど持たずに出ていったはずなのに、どうやってそこまで行けたのだろう。それでもとりあえず無事であるということに恭一は安堵した。
「今日のうちに行けるところまで行って、明日、朝イチで島に向かう」
「本当にそれでいいのか?」
何故そんなことを聞くのだろうか。動きを止めた恭一に橙が言う。
「自分を殺そうとした相手なのは間違いないし、今あの子は銃を持ってるんだぞ」
「わかってる。でもここで躊躇っていたら後悔することになると思う」
「そうか。くれぐれも自分のことは大切にしてくれよ」
不安げな目で恭一を見る橙に、恭一は少し呆れたように笑った。
*
島へ渡る高速船を降りると、早速潮風に煽られた。赤津島は船が発着する港以外は切り立った崖になっている。島の主な産業は漁業らしいが、それ以外は特に有名な観光資源があるわけでもない、一周四キロメートルほどの小さな島。小さな島だから天花を見つけるのはそれほど難しいことではないだろう。問題はおそらくそのあとだ。
「民宿って言ってたよな」
橙の情報――十中八九、湧谷を経由してもたらされたものだろう――をもとにすれば探す場所はもっと絞られる。ひとまず島の中心街へ向かおうと歩き出した恭一は、不意に誰かに呼ばれて足を止めた。
恭一が振り返ると、そこには切れ長の目の少年が立っていた。天花と同じくらいか少し下くらいだろうか。どことなく不思議な雰囲気を漂わせている。島育ちという言葉で一般的に想像される逞しさはあまり感じられず、かといって都会が似合うとも思えない。少年は半ば恭一を睨みつけるようにして尋ねた。
「もしかして、天花の知り合い?」
まさか手がかりが向こうの方からやってくるとは。恭一は素直に頷いた。
「少し雰囲気が似てたからそうじゃないかと思った」
「天花は今、どこに?」
「今日は仕事がほとんどないからまた北の崖の方散歩してると思う。――でも、天花には会わせない」
少年の目には紛れもなく恭一への敵意が宿っていた。子供特有の、純粋で剥き出しの敵意。恭一は冷静な態度を崩さずに少年に尋ねた。
「どうしてだ?」
「天花はここで過去を捨ててやり直すんだ。お前みたいな奴は邪魔なだけだ」
「天花がそう言ったのか?」
少年は首を横に振る。天花に会わせないというのは少年の独断のようだ。けれどそんなことを勝手に決めてしまうほど、少年が天花を特別に思っているのは十分に伝わってきた。暫くの間、どこからか響く船のエンジン音と、波の音だけが二人の沈黙を埋める。
「……僕はこの島に来るまでに天花に何があったかは何も知らない。でも夜眠れないほどに天花を苦しめているものがあったことだけはわかる。だから、そのことを思い出させるものに触れさせたくない」
恭一と一緒に逃げている間は、夜はそれなりに眠れていたはずだ。少年の言うことが本当なら、天花は姿を眩ませてからあまり眠れていないことになる。恭一は唇を噛んだ。少年の言葉は少々独りよがりのきらいはあるが、天花を思ってのものであることは間違いがない。
「それでも、会って話がしたい」
「どうせ連れ戻しに来たんだろ?」
「天花がずっとここにいたいと思うならそれでいい。でも、その前に天花に伝えなければならないことがあるんだ」
「今更遅いんだよ。これまでずっと、天花を助けられなかったくせに」
恭一に投げつけられる言葉には、確かな怒りが込められていた。少年の言うことに間違いはなかった。恭一はこれまで天花と同じ家で暮らしていながら、天花が抱えてきたものに気が付くことはできなかった。しかし今更遅いとは言えない。それに――恭一は、少年にも、今ここにはいない天花にも伝えるつもりで言葉を続ける。
「そもそも、助けようなんて思ってない」
「え?」
「助けるって言葉は、時々すごく傲慢だよ。その人よりも自分が安全な場所にいるから言えることでもある。でもその場所からじゃ届かない暗闇がある」
この手を届かせることが出来るのなら、そこが底のない深淵だったとしても行こう。自分が傷つく覚悟をしなければ、今の天花に何かを伝えるなんて不可能だ。周囲の優しさを拒んで、自分自身を縛り付けている彼女に向き合うためには、助けるなんて生半可な言葉を使っている場合ではない。
「……天花は、北の崖の近くに生えてる木のことを何故かやたら気にしてる。昔、この島に来た旅行者か誰かが埋めていった種から勝手に生えてきたやつらしいんだけど」
「その種に毒はあるのか?」
これは運命的な巡り合わせなのか、それとも必然なのか。ひとつの確信を持って、恭一は少年に尋ねた。
「毒はある。子供なら五粒も食べれば死ぬ。大人でもその三倍くらい食べれば死ぬだろうな」
全てはそこから始まって、導かれるように、その周りをぐるぐると回っている。逃れられない運命なのかもしれない。あるいは、呪いのようなものだったのかもしれない。けれどもうそろそろ、終わりにしてもいいのではないか。恭一はそう思いながら、島の北側に目をやる少年を見た。
「もし天花に何かあったら、僕は一生お前を許さないからな」
「それは、会いに行ってもいいって意味か?」
「天花は別に、誰か来たら追い返せって言ってるわけではないから」
素直ではない答えだが、肯定ということだろう。少年は恭一に背を向けた。さっさと行けとその背中が言っている。恭一はふっと笑みを零してから、少年が言っていた島の北側の崖を目指して走り出した。
「天花ちゃんの居場所がわかった」
その言葉で頭が覚醒する。橙は恭一のために、急いでそれを知らせに来てくれたのだ。
「無事なのか?」
「ああ。話では民宿に泊まり込みで働いているらしい」
「どこの民宿だ?」
目にも止まらぬような速さで着替えて家を出ようとする恭一を、橙が慌てて制する。
「今から行っても、明日にならないと赤(あか)津(つ)島(しま)には渡れないから」
「赤津島? どこにあるんだそれ」
「日本海側だな。特に観光資源とかがあるわけでもないマイナーな島だ」
どうやってそこまで辿り着いたのかもわからないくらい遠い場所だ。天花はお金もそれほど持たずに出ていったはずなのに、どうやってそこまで行けたのだろう。それでもとりあえず無事であるということに恭一は安堵した。
「今日のうちに行けるところまで行って、明日、朝イチで島に向かう」
「本当にそれでいいのか?」
何故そんなことを聞くのだろうか。動きを止めた恭一に橙が言う。
「自分を殺そうとした相手なのは間違いないし、今あの子は銃を持ってるんだぞ」
「わかってる。でもここで躊躇っていたら後悔することになると思う」
「そうか。くれぐれも自分のことは大切にしてくれよ」
不安げな目で恭一を見る橙に、恭一は少し呆れたように笑った。
*
島へ渡る高速船を降りると、早速潮風に煽られた。赤津島は船が発着する港以外は切り立った崖になっている。島の主な産業は漁業らしいが、それ以外は特に有名な観光資源があるわけでもない、一周四キロメートルほどの小さな島。小さな島だから天花を見つけるのはそれほど難しいことではないだろう。問題はおそらくそのあとだ。
「民宿って言ってたよな」
橙の情報――十中八九、湧谷を経由してもたらされたものだろう――をもとにすれば探す場所はもっと絞られる。ひとまず島の中心街へ向かおうと歩き出した恭一は、不意に誰かに呼ばれて足を止めた。
恭一が振り返ると、そこには切れ長の目の少年が立っていた。天花と同じくらいか少し下くらいだろうか。どことなく不思議な雰囲気を漂わせている。島育ちという言葉で一般的に想像される逞しさはあまり感じられず、かといって都会が似合うとも思えない。少年は半ば恭一を睨みつけるようにして尋ねた。
「もしかして、天花の知り合い?」
まさか手がかりが向こうの方からやってくるとは。恭一は素直に頷いた。
「少し雰囲気が似てたからそうじゃないかと思った」
「天花は今、どこに?」
「今日は仕事がほとんどないからまた北の崖の方散歩してると思う。――でも、天花には会わせない」
少年の目には紛れもなく恭一への敵意が宿っていた。子供特有の、純粋で剥き出しの敵意。恭一は冷静な態度を崩さずに少年に尋ねた。
「どうしてだ?」
「天花はここで過去を捨ててやり直すんだ。お前みたいな奴は邪魔なだけだ」
「天花がそう言ったのか?」
少年は首を横に振る。天花に会わせないというのは少年の独断のようだ。けれどそんなことを勝手に決めてしまうほど、少年が天花を特別に思っているのは十分に伝わってきた。暫くの間、どこからか響く船のエンジン音と、波の音だけが二人の沈黙を埋める。
「……僕はこの島に来るまでに天花に何があったかは何も知らない。でも夜眠れないほどに天花を苦しめているものがあったことだけはわかる。だから、そのことを思い出させるものに触れさせたくない」
恭一と一緒に逃げている間は、夜はそれなりに眠れていたはずだ。少年の言うことが本当なら、天花は姿を眩ませてからあまり眠れていないことになる。恭一は唇を噛んだ。少年の言葉は少々独りよがりのきらいはあるが、天花を思ってのものであることは間違いがない。
「それでも、会って話がしたい」
「どうせ連れ戻しに来たんだろ?」
「天花がずっとここにいたいと思うならそれでいい。でも、その前に天花に伝えなければならないことがあるんだ」
「今更遅いんだよ。これまでずっと、天花を助けられなかったくせに」
恭一に投げつけられる言葉には、確かな怒りが込められていた。少年の言うことに間違いはなかった。恭一はこれまで天花と同じ家で暮らしていながら、天花が抱えてきたものに気が付くことはできなかった。しかし今更遅いとは言えない。それに――恭一は、少年にも、今ここにはいない天花にも伝えるつもりで言葉を続ける。
「そもそも、助けようなんて思ってない」
「え?」
「助けるって言葉は、時々すごく傲慢だよ。その人よりも自分が安全な場所にいるから言えることでもある。でもその場所からじゃ届かない暗闇がある」
この手を届かせることが出来るのなら、そこが底のない深淵だったとしても行こう。自分が傷つく覚悟をしなければ、今の天花に何かを伝えるなんて不可能だ。周囲の優しさを拒んで、自分自身を縛り付けている彼女に向き合うためには、助けるなんて生半可な言葉を使っている場合ではない。
「……天花は、北の崖の近くに生えてる木のことを何故かやたら気にしてる。昔、この島に来た旅行者か誰かが埋めていった種から勝手に生えてきたやつらしいんだけど」
「その種に毒はあるのか?」
これは運命的な巡り合わせなのか、それとも必然なのか。ひとつの確信を持って、恭一は少年に尋ねた。
「毒はある。子供なら五粒も食べれば死ぬ。大人でもその三倍くらい食べれば死ぬだろうな」
全てはそこから始まって、導かれるように、その周りをぐるぐると回っている。逃れられない運命なのかもしれない。あるいは、呪いのようなものだったのかもしれない。けれどもうそろそろ、終わりにしてもいいのではないか。恭一はそう思いながら、島の北側に目をやる少年を見た。
「もし天花に何かあったら、僕は一生お前を許さないからな」
「それは、会いに行ってもいいって意味か?」
「天花は別に、誰か来たら追い返せって言ってるわけではないから」
素直ではない答えだが、肯定ということだろう。少年は恭一に背を向けた。さっさと行けとその背中が言っている。恭一はふっと笑みを零してから、少年が言っていた島の北側の崖を目指して走り出した。
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