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楽土に実る
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(ここ、は……)
カノンはまだ重苦しい瞼を上げて状況を把握しようとする。しかしそこが見知らぬ石造りの部屋だということと、その部屋にも変種の触手たちが蠢いていることしかわからなかった。
(……罠だとはわかって行ったのに、油断したな)
けれどここが教団の本部の一角ならば、教団を壊滅させる好機となる可能性もある。いずれにしても絶望は禁物だ。逃げる機会はいつでも窺っておくべきだ。
(さすがに武器は全部取られてるか……体も満足に動きそうもない)
変種の触手たちの粘液に含まれる催淫作用は想像以上に強いものだった。あれを一時間も摂取し続けたら、普通の人なら廃人になるだろう。理性などでどうにかなる問題ではない。
(このまま何もできずに死ぬのは嫌だけど、救援を呼ぶのも無理だし……)
突破口を探してみるものの、すぐにはいい案は浮かばなかった。付け爪に仕込んだ超小型爆弾は取られていないが、これは威力が弱い。相手を一瞬怯ませて、その間に自分が逃げることができるほどの体力があるときしか使えない。通信機の類も全て奪われている。頼りになるのは指を動かすことすら億劫になるような自分の体と、不本意ながらも今は休戦状態にある触手たちだけということになる。
(……このまま閉じ込めるだけで終わるとも思えないし、反撃のためにも情報を集める必要があるわね)
しかし部屋を見回して得られる情報はそれほど多くはなさそうだった。窓もなく、ドアも覗き穴ひとつない。まるで人を閉じ込めておくために作られたような部屋だ。けれどこういった部屋にも通気口の類は用意されている場合が多い。人間が通れるような隙間があるかはわからないが、見つけておくことに越したことはない。有事には何が使えるかわからないのだから。カノンが目だけを動かして部屋の中を探っていると、ドアの向こうから足音が聞こえた。カノンがドアに目を向けると同時にドアが開き、長い白髪の少女――ミルタが現れる。
「気分はどう?」
「私の人生の中では今のところ最悪だけど」
「あんなに気持ち良さそうだったのに?」
ミルタは心底わからないという顔をしていた。彼女は本当に触手が与える快楽に万人が溺れることが幸せなのだと思っているのだろう。取り付く島もない。互いが信じているものが違い過ぎて、話したところできっと平行線で終わる。
「私たちは計画を完遂するために、あなたの体を必要としているの。あなたはこれから神様のためにその体を捧げてくれるから――先にその魂を『楽土』に連れて行ってあげる」
「生憎だけど、神様に救ってもらわなくても、私は充分間に合ってる」
「それは本当の幸福を知らないからよ。――じゃああなたには特別に『楽土』を見せてあげる。本当は信者たちでも選ばれた人しか行けないし、見ることもできないのよ」
そんなものを見たところで何かが変わるとは思えない。しかしミルタは有無を言わさずに触手を使ってカノンを立たせた。自分は寝首を掻かれないという自信があるのか。この部屋からカノンを出すことで、カノンが脱走するとは考えないのか。しかしエルマのように触手を従えているのなら、ミルタに死角はない。仮にミルタへの攻撃に成功したとしても、そこからカノンが逃げおおせる道はまだ見出せない。今はまだ動くべきではないとカノンは判断した。
ミルタはカノンが逃亡の計画を練っていることに気付いているのかいないのか、美しい笑みを浮かべたまま、カノンが閉じ込められていた部屋の隣に移動した。
「ここから『楽土』が見下ろせるようになっているの」
『楽土』と呼ばれているその空間は、ドアを開けた瞬間に嬌声が響いてくるような狂った場所だった。そこには女性だけではなく、男性も、老人も、子供もいた。そして彼らは一様に触手の群れに全身を弄られ、赤紫色の産卵管を体のさまざまな穴で咥え込みながら喘ぎ声をあげていた。
「どう? 素敵でしょう?」
カノンは答えなかった。彼らが望んで『楽土』に至ったのだとしても、カノンにとってはそれが幸福なことだとは思えなかった。何も言わないでいるカノンの体にミルタは無数の触手を這わせる。それだけでカノンの体は再び熱を帯び始めた。
「あなたはこれを幸福とは呼べないと思っているんでしょう?」
「っ……そう、だけど」
触手はカノンの胸を撫で回している。しかしピンと立っている乳首には触れようとしなかった。
「それなら、あなたにとっての幸福って何?」
「ぅ、っ……ふ、んぅ……!」
触手の先が乳首を掠めただけで甘い声が漏れる。そんな状態では、受け答えに集中できるはずはなかった。けれどカノンはそれでも思考を巡らせる。幸福とは何か。苦しみがないことか。心地よい状態が続くことか。いや、そんなものにカノンは価値を見出すことはできなかった。
ただ、両親のような調査員になり、この惑星を守ることだけを考えてきた。その中で確かに楽しいことも沢山あった。けれどそれが幸福かと聞かれるとわからない。
「ここにいれば、辛いことも悲しいこともなくて、気持ちいいことだけがずっと続くの。みんな生きているのが辛くて苦しくて、だから神様に助けてほしいって思ったのよ」
その人の苦しみも幸せも、カノンが口を出すことでないのはわかっている。けれどこんなにも多くの人が自分自身というものを失ってでも苦痛から逃れ、幸せになりたいと望んだのだ。
「これがこの惑星のみんなが救われる方法なのよ」
ミルタの言葉に合わせるように、触手がカノンの蜜壺の中に潜り込む。奥まで一気に突かれると一瞬息ができなくなる。しかしそれは次の瞬間には快楽に変わってしまった。
「あッ……はぁ……ん、んん、あっ……!」
少なくともカノンはこんな救済を望んではいない。しかしそう口答えする余裕もなくなるほどに触手が次々とカノンの膣内に入り込んでいった。
「ああはッ……はぁッ! だッ……やめっ……んん……ッ!」
何本もの触手がカノンの秘部を蹂躙する。そこから溢れるものはカノンの愛液と触手の粘液とが混ざり合い、触手の激しい動きによって泡立っていた。普通ならば苦痛を感じるほどの激しさで奥を突かれても、触手の粘液の催淫作用に冒された体はそれを快感として受け取ってしまう。カノンは首を横に振りながらもよがり声を上げていた。
「ァ……ああああっ! っ、だめ……イ……ッ、イっちゃ……ああぁ、んんっ!」
全身に電流が走ったような絶頂感。カノンは体を弓なりに反らせて果てた。同時にカノンの中に入り込んだ触手たちがカノンの中に生温かい液体を注ぎ込む。
「ぁ……、っ、だめ……からだが……あつく、て……ッ!」
変種の触手たちが放つそれは、脳を灼いていくほどの快感と疼きをカノンに与える。けれどカノンは欲望をそのまま口走ってしまいそうになる唇を強く噛んだ。
「どうしてあなたはそんなに耐えようとするの?」
触手がずるずるとカノンの体から出ていく。その代わりにミルタが触手が出したものとカノン自身の愛液でしとどに濡れた性器の中に指を入れた。ミルタが軽く指を動かすだけでぐちゅぐちゅと卑猥な音が響く。
「ぅ……ぁ、やめて……ッ」
「ここはこんなに幸せだって喜んでいるのに。もうそんなに気を張らなくてもいいの。楽になっていいのよ?」
ミルタの声は不思議な響きを持っている。それが幼少期から神の器として育てられたが故なのか、持って生まれたものなのかはわからない。澄んだミルタの声は、まるで毒のようにカノンの中に染み渡っていった。
「ご両親が亡くなって、それからあなたはずっとご両親のような立派な調査員になろうと努力してきた」
宗教家というのは、その人の抱えているものを言い当てることによって信頼を得ようとすることがある。大抵は多くの人に当てはまるようなことを言う手法が使われるが、場合によっては、その人のことを調査した上で、その人だけに当てはまることを言い当てることもある。ミルタたちはそもそもカノンを探していたのだから、調べれば簡単にわかることを言い当てられても動揺したりはしない。
「あなたはすごいわね。そうやってご両親の背中を追いかけて、飛び級までして調査員になってしまうんだもの。でも――『どうして自分を置いて死んだのか』って思ったこともあるでしょう?」
「……そんなの、誰だって思うでしょ……っ」
ミルタはその指でカノンの性器を掻き回しながら続ける。カノンは意識がぼやけていくのを感じていた。気を張っていれば意識が保てる間はいい。けれどそれはいつまで保つかわからない。
「そうね。一人置いて行かれて、寂しくて、苦しくて……でもこの惑星を守るために死んだ二人を責めることは出来なくて。人として当然の感情だわ」
ミルタが指を抜くと、透明な糸がカノンの体とミルタの指を繋いでいた。ミルタは濡れた指をカノンの陰核に持っていくと、膨らんでいるその部分を優しくさすり始めた。カノンはその直接的な刺激に、背中を反らすようにして悶える。
「でも、調査員ってそんなに立派なものかしら?」
「ッ……なにが、言いたいの……?」
「他の惑星を調べているのは、他の惑星から来るものからソレアを守るため。そしてもう一つ――将来的に、他惑星に入植するため、でしょう?」
ミルタの言うことに間違いはなかった。将来的に訪れると予想されている人口増加による土地不足と食糧難。その対策のために、他惑星に土地を増やすという計画が進められている。そもそも惑星イグルマの調査もそのために行われたのだ。現状生物がいない土地なら、生物が死滅した原因を調査しそれを取り除くことが出来れば、その惑星の原住民と争うこともなく土地を手に入れることが出来る。――実際は、そもそも生物がいないという前提が違っていたのだが。
「あなたたちは触手を侵略者だと思っているようだけど、他の惑星の人から見たらあなたたち調査員だって同じよ」
調査員という仕事の矛盾は理解していた。現地に赴いて、正体が露見した瞬間に殺されかけたこともある。けれど彼らが悪だったわけではない。彼らもまた彼らの惑星を守るために必要なことをしたのだ。
「でも、この惑星全てが『楽土』に変われば、もうそんなことは必要ないのよ。触手に寄生されれば食事もいらないし……私たちはこの惑星の中で、ただ幸せだけを享受できる」
「っ、やめ……! 離して……ッ!」
「駄目よ。あなたには神様の子供を産んでもらわないといけないんだから。私たちが改良したこの新しい触手が父親で、あなたが母親よ。本物の、聖なる神の子をこの世界に送り出して、この惑星全てを『楽土』に変えるの」
「それであなたの言う幸せが手に入ったとして……っ、それでどうなるって言うのよ……!」
「何を言ってるの? 幸せの先に何かあるなら、それは本当の幸せではないわよ。私たちは永遠に満たされる。この惑星の全ての人が幸福に包まれる。それ以上のことがあると思うの?」
ミルタはカノンの後ろの穴と尿道口にそれぞれ触手を挿入する。そこからも催淫剤を流し込むつもりだろう。そこまでされてしまったら、おそらく自我を保ち続けることは難しい。絶体絶命の状況下で、カノンはそれでもわずかに笑みを浮かべた。
「あなたたちがそれで満足したとしても……、触手がその状態に甘んじ続けるとは思えないわね……っ」
「どういう意味かしら?」
「イグルマで生物反応を消したのは、外の人間に対する偽装……触手は、あそこだけでは満足できずに、他の場所へも勢力範囲を広げたがっていた……。この惑星を征服し終わったら、同じことをするでしょうね」
「それの何が問題なの? 私たちが幸福なら、その他の惑星のことはどうだっていいじゃない」
「確かに問題はないけどね……でも、あなたの考える『楽土』は、少なくとも私には合わない」
限界が近付いているのは、カノン自身が一番わかっていた。それでもミルタに向かって言葉を紡ぐ。ミルタを説得したいわけではない。ただ否定したいだけだ。ミルタの思う『楽土』にカノンは未来を見出せない。このまま自分の意思が失われるとしても、最後に爪痕くらいは残したい。
「永遠の幸福は、停滞と同じなのよ」
両親の背中を追いかけて調査員になった。この惑星を守りたいという思いは今でも変わりはない。けれどカノンと違って、自分自身であることを失ってでも、終わらない幸せを求める人がいることも理解している。彼らと自分の違いは何なのか。彼らが苦痛のない世界を望むなら、もうそれでいいのではないか。でも、少なくともカノンはその外にいたい。『楽土』になど到達したくはない。
「あなたがさっき言ってた通りよ。――私はこの触手たちと同じ穴の狢。侵略者だから」
ミルタの眉が、カノンの言葉を聞くと同時につり上がった。しかしカノンも既に意識が細切れになりつつあるのを感じていた。結局一矢報いることすら叶わない。ミルタが苛立ちながらカノンに向けた産卵管は、そのままカノンの秘部を深く貫いていった。
「あなたが何を望もうと、もう遅いのよ。『楽土』がこの惑星を包み込む。運命は変えられないわ」
ミルタは笑みを浮かべながら、カノンの中に何本もの産卵管を突き入れる。カノンの意識は既に消失しているようだった。そもそも変種の触手に催淫剤をあれだけ注ぎ込まれても自我を保っていられたことが奇跡的なのだ。カノンの目には先程まで宿っていたような強い光はなかった。ただ触手に揺さぶられ、その度に嬌声を上げるだけのものになっている。
「気持ちいいでしょう? 納得してくれなかったのは残念だけど……これであなたも救われるわ」
産卵管の中を小さな卵が通っていくのが見える。ミルタはそれを見ながら、自分自身の体も熱くなっているのを感じていた。たらりと流れ出たミルタの蜜に反応し、ミルタの中に埋められている機械が振動を始める。
「ああ……っ、私も……私にも……あああぁ……ッ!」
「ぁ、ああ……ッ! や、ああ……ん、ぁ、あああ……!」
カノンとミルタ、二人の声が交差し和音を奏でる。『楽土』には、その伴奏のような信者たちの嬌声も響いていた。誰も彼もが理性を失い、ただ触手に与えられる快楽を享受する。
「はぁ、はぁ……ぁ……うぅ……っ!」
大量の卵を詰め込まれ、カノンの腹は妊婦のように膨れていた。卵が溢れてこないように青紫色の触手で栓をしながら、ミルタはカノンの白い腹を優しく撫でる。
「これで、本当の神様の子供が完成するのね……っ」
博士によると、触手が必要としているのは卵を孵すための生体であって、産んだ触手と母体の間に遺伝的な繋がりは見られないらしい。しかし原理はまだわからないものの、母体によって触手の性質が少しずつ変わるということはわかっている。だからこそこの惑星における触手の母親が必要だったのだ。信者たちは本物を、特別を、世界の根源である神を求めている。それを生み出し得るのはカノンしかいないのだ。
「あ、あんっ……んぅ……!」
十分も経たないうちに、カノンの中で孵った触手が出口を探して暴れ回り始めた。カノンは虚ろな目をしたまま天を仰いでいる。ミルタは笑みを浮かべて、カノンの中から青紫色の触手を引き抜いた。
「さあ、生まれておいで……私の神様」
ミルタの声に応えるように、カノンの秘部から小さな触手が顔を出す。その度に感じるところを擦られるのか、カノンは甲高い嬌声を上げていた。
「あ、あ、……ぁぁ……ああああああん……ッ!」
絶叫のような喘ぎ声とともに、カノンが勢いよく潮を噴く。その快感は想像を絶するものだろう。この世に存在する全ての快楽を足しても足りないほどだ。ミルタもいつか自分に与えられるであろうその快感を想像しながら絶頂を迎える。その間もカノンからは小さな触手が這い出ていた。
「ふふ……これで、みんな幸せに……」
地面を這う、生まれたばかりの触手を手に取ったミルタは、思わず目を瞠った。触手の色は基本的には青紫色だ。それは変種でも変わらない。けれどカノンが今し方生み出したそれは、これまでとは違って黒っぽく見えた。
「――違う。これは……何……?」
触手を全て産み終えたカノンは意識を失っている。深紫色をした新しい触手たちは、ミルタの周りにいた変種の触手たちを一斉に捕食し始めた。ミルタは慌てて壁の警報器を押し込む。ミルタが予想だにしていなかったことが起きているのは事実だった。けれどその原因も、対処方法もわからない。
思えば、ミルタはただ救済のとっかかりを示したに過ぎなかった。触手を改良して変種を作り出したのは博士だった。そして触手の母親の存在も、触手について調査していた側近たちがもたらしてくれた情報だった。自分が望めば全てが実現できた。だからこそ、不測の事態が起きたときに、自分一人ではどうすればいいかわからなかった。
「博士! どこにいるの!? 早くここに来て!」
深紫色の触手たちは、変種の触手たちを次々と食い荒らしていく。母親によって触手の性質が変わるのなら、カノンは一体どんな性質を持たせたというのか。ミルタはカノンの少し低い声を思い出していた。
「侵略者の性質同士が結びついたってこと……でも、こんなこと……!」
ミルタはドアを開けて側近の男たちを呼ぶ。ミルタが呼べばすぐに駆けつけるはずの彼らは、何故か一人もミルタのところにやって来ようとはしなかった。
「ねぇ、誰かいないの!? 誰か――」
焦るミルタは、不意に腹部に熱を感じてその場に倒れ込んだ。熱が暴れている部分に触れ、その手を見ると、そこには目が醒めるような赤色の血がべっとりとついていた。
「残念でした。ここの人たちと、あなた以外はもう死んじゃってるわよ」
奇妙に明るい女の声。ミルタは腹部を押さえながらゆっくりと振り返った。橙色の短い髪に、丸い縁の眼鏡。そして血で染まった触手を何本も従える女。
「誰……っ?」
「あら、神様の器なのに知らないのね。私の名前はエルマ。まあ名乗ったところで、あなたももう少しで死んじゃうんだけどね」
「ど……どうして……」
何が起きたのか、ミルタには理解が出来なかった。けれどこれだけミルタが騒いでいても誰も来ないということは、エルマの言うことに嘘はないのだろう。
「この子たちの動機としては、変種が気に入らないってところね。私は、ただカノンが面白いことになってるみたいだから見に来ただけよ」
助けに来た、とは言わない。その目の異様な光を見て、ミルタはエルマが決して善意で行動しているわけではないことを悟った。世界の全てを救おうとしたミルタの思いは、エルマの自分本位の悪意に簡単に蹂躙されていく。
「カノンを壊していいのは私だけなのよ。人のものに勝手に手を出した報いはちゃんと受けてもらわないとね」
エルマは血塗れの触手の先を鋭く尖らせ、ミルタの体を串刺しにした。白かったミルタの全てが赤に染まっていく。口から深紅の血を吐き出して絶命したミルタを見ながら、エルマはその口元に笑みを浮かべた。
カノンはまだ重苦しい瞼を上げて状況を把握しようとする。しかしそこが見知らぬ石造りの部屋だということと、その部屋にも変種の触手たちが蠢いていることしかわからなかった。
(……罠だとはわかって行ったのに、油断したな)
けれどここが教団の本部の一角ならば、教団を壊滅させる好機となる可能性もある。いずれにしても絶望は禁物だ。逃げる機会はいつでも窺っておくべきだ。
(さすがに武器は全部取られてるか……体も満足に動きそうもない)
変種の触手たちの粘液に含まれる催淫作用は想像以上に強いものだった。あれを一時間も摂取し続けたら、普通の人なら廃人になるだろう。理性などでどうにかなる問題ではない。
(このまま何もできずに死ぬのは嫌だけど、救援を呼ぶのも無理だし……)
突破口を探してみるものの、すぐにはいい案は浮かばなかった。付け爪に仕込んだ超小型爆弾は取られていないが、これは威力が弱い。相手を一瞬怯ませて、その間に自分が逃げることができるほどの体力があるときしか使えない。通信機の類も全て奪われている。頼りになるのは指を動かすことすら億劫になるような自分の体と、不本意ながらも今は休戦状態にある触手たちだけということになる。
(……このまま閉じ込めるだけで終わるとも思えないし、反撃のためにも情報を集める必要があるわね)
しかし部屋を見回して得られる情報はそれほど多くはなさそうだった。窓もなく、ドアも覗き穴ひとつない。まるで人を閉じ込めておくために作られたような部屋だ。けれどこういった部屋にも通気口の類は用意されている場合が多い。人間が通れるような隙間があるかはわからないが、見つけておくことに越したことはない。有事には何が使えるかわからないのだから。カノンが目だけを動かして部屋の中を探っていると、ドアの向こうから足音が聞こえた。カノンがドアに目を向けると同時にドアが開き、長い白髪の少女――ミルタが現れる。
「気分はどう?」
「私の人生の中では今のところ最悪だけど」
「あんなに気持ち良さそうだったのに?」
ミルタは心底わからないという顔をしていた。彼女は本当に触手が与える快楽に万人が溺れることが幸せなのだと思っているのだろう。取り付く島もない。互いが信じているものが違い過ぎて、話したところできっと平行線で終わる。
「私たちは計画を完遂するために、あなたの体を必要としているの。あなたはこれから神様のためにその体を捧げてくれるから――先にその魂を『楽土』に連れて行ってあげる」
「生憎だけど、神様に救ってもらわなくても、私は充分間に合ってる」
「それは本当の幸福を知らないからよ。――じゃああなたには特別に『楽土』を見せてあげる。本当は信者たちでも選ばれた人しか行けないし、見ることもできないのよ」
そんなものを見たところで何かが変わるとは思えない。しかしミルタは有無を言わさずに触手を使ってカノンを立たせた。自分は寝首を掻かれないという自信があるのか。この部屋からカノンを出すことで、カノンが脱走するとは考えないのか。しかしエルマのように触手を従えているのなら、ミルタに死角はない。仮にミルタへの攻撃に成功したとしても、そこからカノンが逃げおおせる道はまだ見出せない。今はまだ動くべきではないとカノンは判断した。
ミルタはカノンが逃亡の計画を練っていることに気付いているのかいないのか、美しい笑みを浮かべたまま、カノンが閉じ込められていた部屋の隣に移動した。
「ここから『楽土』が見下ろせるようになっているの」
『楽土』と呼ばれているその空間は、ドアを開けた瞬間に嬌声が響いてくるような狂った場所だった。そこには女性だけではなく、男性も、老人も、子供もいた。そして彼らは一様に触手の群れに全身を弄られ、赤紫色の産卵管を体のさまざまな穴で咥え込みながら喘ぎ声をあげていた。
「どう? 素敵でしょう?」
カノンは答えなかった。彼らが望んで『楽土』に至ったのだとしても、カノンにとってはそれが幸福なことだとは思えなかった。何も言わないでいるカノンの体にミルタは無数の触手を這わせる。それだけでカノンの体は再び熱を帯び始めた。
「あなたはこれを幸福とは呼べないと思っているんでしょう?」
「っ……そう、だけど」
触手はカノンの胸を撫で回している。しかしピンと立っている乳首には触れようとしなかった。
「それなら、あなたにとっての幸福って何?」
「ぅ、っ……ふ、んぅ……!」
触手の先が乳首を掠めただけで甘い声が漏れる。そんな状態では、受け答えに集中できるはずはなかった。けれどカノンはそれでも思考を巡らせる。幸福とは何か。苦しみがないことか。心地よい状態が続くことか。いや、そんなものにカノンは価値を見出すことはできなかった。
ただ、両親のような調査員になり、この惑星を守ることだけを考えてきた。その中で確かに楽しいことも沢山あった。けれどそれが幸福かと聞かれるとわからない。
「ここにいれば、辛いことも悲しいこともなくて、気持ちいいことだけがずっと続くの。みんな生きているのが辛くて苦しくて、だから神様に助けてほしいって思ったのよ」
その人の苦しみも幸せも、カノンが口を出すことでないのはわかっている。けれどこんなにも多くの人が自分自身というものを失ってでも苦痛から逃れ、幸せになりたいと望んだのだ。
「これがこの惑星のみんなが救われる方法なのよ」
ミルタの言葉に合わせるように、触手がカノンの蜜壺の中に潜り込む。奥まで一気に突かれると一瞬息ができなくなる。しかしそれは次の瞬間には快楽に変わってしまった。
「あッ……はぁ……ん、んん、あっ……!」
少なくともカノンはこんな救済を望んではいない。しかしそう口答えする余裕もなくなるほどに触手が次々とカノンの膣内に入り込んでいった。
「ああはッ……はぁッ! だッ……やめっ……んん……ッ!」
何本もの触手がカノンの秘部を蹂躙する。そこから溢れるものはカノンの愛液と触手の粘液とが混ざり合い、触手の激しい動きによって泡立っていた。普通ならば苦痛を感じるほどの激しさで奥を突かれても、触手の粘液の催淫作用に冒された体はそれを快感として受け取ってしまう。カノンは首を横に振りながらもよがり声を上げていた。
「ァ……ああああっ! っ、だめ……イ……ッ、イっちゃ……ああぁ、んんっ!」
全身に電流が走ったような絶頂感。カノンは体を弓なりに反らせて果てた。同時にカノンの中に入り込んだ触手たちがカノンの中に生温かい液体を注ぎ込む。
「ぁ……、っ、だめ……からだが……あつく、て……ッ!」
変種の触手たちが放つそれは、脳を灼いていくほどの快感と疼きをカノンに与える。けれどカノンは欲望をそのまま口走ってしまいそうになる唇を強く噛んだ。
「どうしてあなたはそんなに耐えようとするの?」
触手がずるずるとカノンの体から出ていく。その代わりにミルタが触手が出したものとカノン自身の愛液でしとどに濡れた性器の中に指を入れた。ミルタが軽く指を動かすだけでぐちゅぐちゅと卑猥な音が響く。
「ぅ……ぁ、やめて……ッ」
「ここはこんなに幸せだって喜んでいるのに。もうそんなに気を張らなくてもいいの。楽になっていいのよ?」
ミルタの声は不思議な響きを持っている。それが幼少期から神の器として育てられたが故なのか、持って生まれたものなのかはわからない。澄んだミルタの声は、まるで毒のようにカノンの中に染み渡っていった。
「ご両親が亡くなって、それからあなたはずっとご両親のような立派な調査員になろうと努力してきた」
宗教家というのは、その人の抱えているものを言い当てることによって信頼を得ようとすることがある。大抵は多くの人に当てはまるようなことを言う手法が使われるが、場合によっては、その人のことを調査した上で、その人だけに当てはまることを言い当てることもある。ミルタたちはそもそもカノンを探していたのだから、調べれば簡単にわかることを言い当てられても動揺したりはしない。
「あなたはすごいわね。そうやってご両親の背中を追いかけて、飛び級までして調査員になってしまうんだもの。でも――『どうして自分を置いて死んだのか』って思ったこともあるでしょう?」
「……そんなの、誰だって思うでしょ……っ」
ミルタはその指でカノンの性器を掻き回しながら続ける。カノンは意識がぼやけていくのを感じていた。気を張っていれば意識が保てる間はいい。けれどそれはいつまで保つかわからない。
「そうね。一人置いて行かれて、寂しくて、苦しくて……でもこの惑星を守るために死んだ二人を責めることは出来なくて。人として当然の感情だわ」
ミルタが指を抜くと、透明な糸がカノンの体とミルタの指を繋いでいた。ミルタは濡れた指をカノンの陰核に持っていくと、膨らんでいるその部分を優しくさすり始めた。カノンはその直接的な刺激に、背中を反らすようにして悶える。
「でも、調査員ってそんなに立派なものかしら?」
「ッ……なにが、言いたいの……?」
「他の惑星を調べているのは、他の惑星から来るものからソレアを守るため。そしてもう一つ――将来的に、他惑星に入植するため、でしょう?」
ミルタの言うことに間違いはなかった。将来的に訪れると予想されている人口増加による土地不足と食糧難。その対策のために、他惑星に土地を増やすという計画が進められている。そもそも惑星イグルマの調査もそのために行われたのだ。現状生物がいない土地なら、生物が死滅した原因を調査しそれを取り除くことが出来れば、その惑星の原住民と争うこともなく土地を手に入れることが出来る。――実際は、そもそも生物がいないという前提が違っていたのだが。
「あなたたちは触手を侵略者だと思っているようだけど、他の惑星の人から見たらあなたたち調査員だって同じよ」
調査員という仕事の矛盾は理解していた。現地に赴いて、正体が露見した瞬間に殺されかけたこともある。けれど彼らが悪だったわけではない。彼らもまた彼らの惑星を守るために必要なことをしたのだ。
「でも、この惑星全てが『楽土』に変われば、もうそんなことは必要ないのよ。触手に寄生されれば食事もいらないし……私たちはこの惑星の中で、ただ幸せだけを享受できる」
「っ、やめ……! 離して……ッ!」
「駄目よ。あなたには神様の子供を産んでもらわないといけないんだから。私たちが改良したこの新しい触手が父親で、あなたが母親よ。本物の、聖なる神の子をこの世界に送り出して、この惑星全てを『楽土』に変えるの」
「それであなたの言う幸せが手に入ったとして……っ、それでどうなるって言うのよ……!」
「何を言ってるの? 幸せの先に何かあるなら、それは本当の幸せではないわよ。私たちは永遠に満たされる。この惑星の全ての人が幸福に包まれる。それ以上のことがあると思うの?」
ミルタはカノンの後ろの穴と尿道口にそれぞれ触手を挿入する。そこからも催淫剤を流し込むつもりだろう。そこまでされてしまったら、おそらく自我を保ち続けることは難しい。絶体絶命の状況下で、カノンはそれでもわずかに笑みを浮かべた。
「あなたたちがそれで満足したとしても……、触手がその状態に甘んじ続けるとは思えないわね……っ」
「どういう意味かしら?」
「イグルマで生物反応を消したのは、外の人間に対する偽装……触手は、あそこだけでは満足できずに、他の場所へも勢力範囲を広げたがっていた……。この惑星を征服し終わったら、同じことをするでしょうね」
「それの何が問題なの? 私たちが幸福なら、その他の惑星のことはどうだっていいじゃない」
「確かに問題はないけどね……でも、あなたの考える『楽土』は、少なくとも私には合わない」
限界が近付いているのは、カノン自身が一番わかっていた。それでもミルタに向かって言葉を紡ぐ。ミルタを説得したいわけではない。ただ否定したいだけだ。ミルタの思う『楽土』にカノンは未来を見出せない。このまま自分の意思が失われるとしても、最後に爪痕くらいは残したい。
「永遠の幸福は、停滞と同じなのよ」
両親の背中を追いかけて調査員になった。この惑星を守りたいという思いは今でも変わりはない。けれどカノンと違って、自分自身であることを失ってでも、終わらない幸せを求める人がいることも理解している。彼らと自分の違いは何なのか。彼らが苦痛のない世界を望むなら、もうそれでいいのではないか。でも、少なくともカノンはその外にいたい。『楽土』になど到達したくはない。
「あなたがさっき言ってた通りよ。――私はこの触手たちと同じ穴の狢。侵略者だから」
ミルタの眉が、カノンの言葉を聞くと同時につり上がった。しかしカノンも既に意識が細切れになりつつあるのを感じていた。結局一矢報いることすら叶わない。ミルタが苛立ちながらカノンに向けた産卵管は、そのままカノンの秘部を深く貫いていった。
「あなたが何を望もうと、もう遅いのよ。『楽土』がこの惑星を包み込む。運命は変えられないわ」
ミルタは笑みを浮かべながら、カノンの中に何本もの産卵管を突き入れる。カノンの意識は既に消失しているようだった。そもそも変種の触手に催淫剤をあれだけ注ぎ込まれても自我を保っていられたことが奇跡的なのだ。カノンの目には先程まで宿っていたような強い光はなかった。ただ触手に揺さぶられ、その度に嬌声を上げるだけのものになっている。
「気持ちいいでしょう? 納得してくれなかったのは残念だけど……これであなたも救われるわ」
産卵管の中を小さな卵が通っていくのが見える。ミルタはそれを見ながら、自分自身の体も熱くなっているのを感じていた。たらりと流れ出たミルタの蜜に反応し、ミルタの中に埋められている機械が振動を始める。
「ああ……っ、私も……私にも……あああぁ……ッ!」
「ぁ、ああ……ッ! や、ああ……ん、ぁ、あああ……!」
カノンとミルタ、二人の声が交差し和音を奏でる。『楽土』には、その伴奏のような信者たちの嬌声も響いていた。誰も彼もが理性を失い、ただ触手に与えられる快楽を享受する。
「はぁ、はぁ……ぁ……うぅ……っ!」
大量の卵を詰め込まれ、カノンの腹は妊婦のように膨れていた。卵が溢れてこないように青紫色の触手で栓をしながら、ミルタはカノンの白い腹を優しく撫でる。
「これで、本当の神様の子供が完成するのね……っ」
博士によると、触手が必要としているのは卵を孵すための生体であって、産んだ触手と母体の間に遺伝的な繋がりは見られないらしい。しかし原理はまだわからないものの、母体によって触手の性質が少しずつ変わるということはわかっている。だからこそこの惑星における触手の母親が必要だったのだ。信者たちは本物を、特別を、世界の根源である神を求めている。それを生み出し得るのはカノンしかいないのだ。
「あ、あんっ……んぅ……!」
十分も経たないうちに、カノンの中で孵った触手が出口を探して暴れ回り始めた。カノンは虚ろな目をしたまま天を仰いでいる。ミルタは笑みを浮かべて、カノンの中から青紫色の触手を引き抜いた。
「さあ、生まれておいで……私の神様」
ミルタの声に応えるように、カノンの秘部から小さな触手が顔を出す。その度に感じるところを擦られるのか、カノンは甲高い嬌声を上げていた。
「あ、あ、……ぁぁ……ああああああん……ッ!」
絶叫のような喘ぎ声とともに、カノンが勢いよく潮を噴く。その快感は想像を絶するものだろう。この世に存在する全ての快楽を足しても足りないほどだ。ミルタもいつか自分に与えられるであろうその快感を想像しながら絶頂を迎える。その間もカノンからは小さな触手が這い出ていた。
「ふふ……これで、みんな幸せに……」
地面を這う、生まれたばかりの触手を手に取ったミルタは、思わず目を瞠った。触手の色は基本的には青紫色だ。それは変種でも変わらない。けれどカノンが今し方生み出したそれは、これまでとは違って黒っぽく見えた。
「――違う。これは……何……?」
触手を全て産み終えたカノンは意識を失っている。深紫色をした新しい触手たちは、ミルタの周りにいた変種の触手たちを一斉に捕食し始めた。ミルタは慌てて壁の警報器を押し込む。ミルタが予想だにしていなかったことが起きているのは事実だった。けれどその原因も、対処方法もわからない。
思えば、ミルタはただ救済のとっかかりを示したに過ぎなかった。触手を改良して変種を作り出したのは博士だった。そして触手の母親の存在も、触手について調査していた側近たちがもたらしてくれた情報だった。自分が望めば全てが実現できた。だからこそ、不測の事態が起きたときに、自分一人ではどうすればいいかわからなかった。
「博士! どこにいるの!? 早くここに来て!」
深紫色の触手たちは、変種の触手たちを次々と食い荒らしていく。母親によって触手の性質が変わるのなら、カノンは一体どんな性質を持たせたというのか。ミルタはカノンの少し低い声を思い出していた。
「侵略者の性質同士が結びついたってこと……でも、こんなこと……!」
ミルタはドアを開けて側近の男たちを呼ぶ。ミルタが呼べばすぐに駆けつけるはずの彼らは、何故か一人もミルタのところにやって来ようとはしなかった。
「ねぇ、誰かいないの!? 誰か――」
焦るミルタは、不意に腹部に熱を感じてその場に倒れ込んだ。熱が暴れている部分に触れ、その手を見ると、そこには目が醒めるような赤色の血がべっとりとついていた。
「残念でした。ここの人たちと、あなた以外はもう死んじゃってるわよ」
奇妙に明るい女の声。ミルタは腹部を押さえながらゆっくりと振り返った。橙色の短い髪に、丸い縁の眼鏡。そして血で染まった触手を何本も従える女。
「誰……っ?」
「あら、神様の器なのに知らないのね。私の名前はエルマ。まあ名乗ったところで、あなたももう少しで死んじゃうんだけどね」
「ど……どうして……」
何が起きたのか、ミルタには理解が出来なかった。けれどこれだけミルタが騒いでいても誰も来ないということは、エルマの言うことに嘘はないのだろう。
「この子たちの動機としては、変種が気に入らないってところね。私は、ただカノンが面白いことになってるみたいだから見に来ただけよ」
助けに来た、とは言わない。その目の異様な光を見て、ミルタはエルマが決して善意で行動しているわけではないことを悟った。世界の全てを救おうとしたミルタの思いは、エルマの自分本位の悪意に簡単に蹂躙されていく。
「カノンを壊していいのは私だけなのよ。人のものに勝手に手を出した報いはちゃんと受けてもらわないとね」
エルマは血塗れの触手の先を鋭く尖らせ、ミルタの体を串刺しにした。白かったミルタの全てが赤に染まっていく。口から深紅の血を吐き出して絶命したミルタを見ながら、エルマはその口元に笑みを浮かべた。
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