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狼と赤ずきんは花畑で睦み合う

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 そこは〈花畑〉だ。黒々とした木々に囲まれた〈花畑〉には、色とりどりの花が咲いている。だがよく見れば、その花々は咲く季節が異なるものばかりだとわかる。春に、夏に、秋に、冬に咲く花が、一同に咲き誇っている。目を引く派手な花から楚々とした清楚な花まで、様々な花がこの〈花畑〉では風に揺れていた。
〈花畑〉では、若い娘のあられもない声が響いていた。〈花畑〉の中央と呼べる場所には古ぼけた青い絨毯が敷かれ、その上で一糸まとわぬ男女が睦み合っていた。青年は胡座をかき、その上に娘が跨がっている。そばには空になった葡萄酒の瓶と、パイ皿が置かれていた。
 青年は〈狼〉のザシャだ。くしゃくしゃの黒い髪と、頭頂部に生える狼の耳が特徴だ。自分の動きに合わせて喘ぐ娘の声を一つも聞き漏らすまいと、頭にある狼の耳をピンとそばだてている。優しげに垂れた目は、膝の上で悶える娘の痴態を一つも見逃すまいと、娘だけを見つめている。腰から生えた毛足の長い尻尾は、絨毯を撫でるように、ゆったりと振られていた。
 ザシャの膝で大きく足を広げ、怒張した肉棒を膣いっぱいに飲み込んでいる娘は〈赤ずきん〉のゲルデだ。ザシャの動きに合わせて、茶褐色の髪を肩の上で揺らしている。〈赤ずきん〉の証たる赤いケープは、服や下着と一緒に篭へ放り込まれている。膝の上に跨がってようやくザシャと顔の高さが合うことから、ゲルデの体格は小柄だとわかった。
 ザシャは膣奥まで己の肉棒を突き込むと、奥へ押し当てたまま、ゲルデの腰を掴んで前後へ揺さぶった。ゲルデは奥を抉る強い快楽に腰を浮かせそうになったが、ザシャの手がそれを阻む。肌と肌がぴたりとつくほど密着させられ、ゲルデは体を仰け反らせた。そのせいで腰を突き出す形になり、ゲルデは自らの膣奥をザシャの亀頭へ押しつけることになる。
 甘ったるい声を上げ、ゲルデは固く目を閉じ首を振った。何度首を振っても、ザシャはゲルデの膣奥へ太く雄々しい肉茎を突き込むのをやめない。ゲルデが喜ぶ子宮口付近へ亀頭をぐりぐりとねじ込みながら、ザシャはゲルデに口を開けさせた。

「ゲルデ。ゲルデ、口を開けて。ほら」
「はっ、あ、ザシャぁ……」

 ザシャの意図を察したゲルデはアーモンド型の目を開けて、黒曜石のように艶めく瞳でザシャを見た。ゲルデは素直に口を開け、やや上を向いて舌を伸ばした。桃色の舌を食べるように、ザシャはゲルデの唇に自分の唇を重ねた。

「んっ。んん、んむ……」

 ゲルデの唇は柔らかく、それでいて弾力があり、ザシャは唇を触れ合わすだけでも快楽を味わえた。しかしザシャはもっとゲルデを堪能したいのだ。ザシャはまず、舌を動かしゲルデの舌を味わった。
 伸ばされたゲルデの舌を軽く吸い、唇で優しく食む。ゲルデは懸命に舌を伸ばし、ザシャの口内を刺激しようとする。ちろちろと動く舌が自分を興奮させようとしている証だと思うと、ザシャは股ぐらの怒張がさらに熱を持つのを感じた。
 ザシャはゲルデの舌を吸うのをやめ、まだ動こうとする柔らかく小さな舌を舐めた。そのまま舌を伸ばし、ゲルデの口内へ己の舌を侵入させる。

「んっ、ん、んうぅ……」

 舌を舐められ、口蓋をくすぐられ、ゲルデは甘えた声を漏らしながら膣の締め付けを強くした。奥を穿つ肉棒から逃げようと身じろぐゲルデの腰を押さえつけ、ザシャは舌先でゲルデの口蓋を奥へ手前へとくすぐる。
 逃げられず、かといって快楽の手を緩めてもらえず、ゲルデはたまらずザシャにしがみいた。くぐもった声が何か言おうとするが、もてあそばれる舌は言葉を紡がず、ゲルデはただ声を漏らすしかできない。
 ザシャは、精液が尿道を込み上げてくるのを感じた。近づく射精の予感に、腰から背中にかけて粟立つ。もうこれ以上進めないほど奥へ突き入れると、先にゲルデが絶頂に達した。
 抱きつく力を強めたゲルデは、足も絡めてザシャに密着する。蠕動する膣壁が、ザシャに射精を促す。精液を欲しがる膣の動きと、密着した体温、絡む舌の柔らかさに、ザシャの興奮が最高潮に達した。
 舌を絡めたまま、抜けることなどないようにゲルデの腰を掴み、ザシャは一滴残らずゲルデの中へ吐精した。射精の間中、ザシャの舌はゲルデの口腔内をもてあそび続けた。ザシャの舌の動きに応えようと、ゲルデも懸命に舌を動かし続ける。
 ゲルデの膣壁の蠕動が緩やかになるたび、ザシャは精液を吐き出しながらゲルデの腰を動かした。イっている最中に揺さぶられ、子宮口をしつこくノックされ、ゲルデは何度も絶頂へ追いやられる。そのたびに「やだ」「止まって」「ちょっと待って」とザシャに懇願するが、舌を入れられたまま、もてあそばれたままでは言葉にならない。結局、ゲルデはザシャが射精し終えるまでイかされ続けた。
 ザシャが射精し終えるまでそう長い時間はかからなかったが、ゲルデには何時間にも感じられた。
 すっかり出し切って萎えた肉棒を抜くため、ザシャはぐったりしたゲルデを抱き上げた。未だ欲しがるようにうねる膣内から、惜しむようにゆっくりと肉棒を引き抜く。離れがたいのか、ゲルデの膣はザシャの肉棒が引き抜かれる間際、吸い付きながら、ちゅぽん、と音を立てた。ザシャの肉棒が全形を現わすより遅れ、とろりと白い液が溢れ落ちる。卑猥な音と光景に、ザシャはぞくりと興奮を覚えた。
 膝の上へ下ろされ、ゲルデは力が入らないのか、そのままザシャの胸板へ体を預けた。ザシャの首筋に額を押しつけるような形で、ゲルデはザシャにしなだれかかる。
 ザシャの鼻を、林檎と蜂蜜が混ざったような、甘酸っぱい匂いがくすぐる。ゲルデからはいつも甘い匂いがしていた。ゲルデの体を受け止める胸板からは、むにむにと柔らかい二つの感触と、その先端のくにくにと固い感触が伝わる。
 萎えていたザシャの肉棒が再び立ち上がり、ゲルデの腹へ押しつけられた。ゲルデが小さく息を呑み、顔を上げると「もう」と照れたように呟いた。

「当たってるよ、ザシャぁ……」
「ごめん、つい……」

 謝っても、肉棒が萎える気配はない。興奮も冷めないのだろう。ザシャの耳も尻尾も、肉棒同様に天高く上を向いている。
 ザシャはゲルデを支えると、ゆっくり絨毯へ横たえた。毛足の長い絨毯に受け止められたゲルデの体は、つい先ほどまでの性行為のせいか、白い肌がうっすら色づいている。ゲルデは足をぴたりと閉じ、もじもじと膝頭を合わせた。

「もう一回、するの……?」

 期待の滲む声と潤んだ瞳に、ザシャの心臓が刎ねる。ザシャは「するよ」とうなずき、もう一度ゲルデを支えると、くるりとうつ伏せに体勢を変えさせた。
 ゲルデに足を開かせると、つい先ほど吐き出したばかりの精液が絨毯の上にこぼれた。それがわかるのか、ゲルデはびくっと体を震えさせると、恥じるように絨毯に顔を押しつけた。
 絨毯に手をついて体を支えながら、ザシャはゆっくり、ゲルデの膣へ肉棒を埋め込んでいった。襞のひとつひとつをかき分け進むごとに、膣は喜び、うねり、ザシャの肉棒を迎え入れる。

「はっ……あ、ああっ……!」

 ザシャが肉棒を埋め込むにつれ、ゲルデの口から歓喜のため息があふれる。ザシャが覆い被さると、ゲルデの体はすっぽりと隠れてしまい、その表情を見ることは叶わない。だがゲルデの感極まった声と無意識に押しつけられる尻の感触で、どれだけ喜んでいるかよくわかった。

「もっと、もっと奥、奥まで、はやくぅ」

 亀頭でいじめてくれとねだるゲルデを焦らすように、乱暴に突き入れかき混ぜてやりたいと思う自分を焦らすように、ザシャは殊更ゆっくり動いた。ようやく奥まで辿り着いた時には、ゲルデの尻は完全に絨毯から浮いていた。

「ねぇザシャ、ザシャ、ぐりぐりって、一番奥でっ、ぐりぐりってしてぇ」

 熱に浮かされた声でねだり、ゲルデはザシャの体の下で尻を振る。絨毯を握りしめるゲルデの手を掴み、膣の最も奥へ亀頭を押し込みながら、ザシャはゲルデの体を絨毯へ押しつけた。ゲルデが高い声を上げて尻を跳ねさせたが、ザシャにのしかかられ、絨毯に押さえつけられてはそれ以上動けない。与えられるがまま、快楽を受け入れるしかなかった。

「あっ、あーっ! ザシャ、ザシャまって、こんなっ、こんなぁっ。あ、あっ、だめ、だめだよぉ、いっちゃう、ザシャにっ、おちんちん押しつけられてっ、いっちゃうっ……!」

 最後の言葉尻がくぐもったことで、ゲルデが絨毯へ顔を押しつけたとわかる。ザシャは背を丸め、子供へ言い聞かせるように「だめだよ」とゲルデの耳元で囁いた。

「ゲルデ。そうやって、恥ずかしがって、顔を隠したりするのはだめって、言ったじゃないか」

 声にならない悲鳴を上げ、ゲルデはぐりぐりと額を絨毯へ押しつける。ザシャは「しょうがないな」と呟いて、ゲルデの手を解放した。そして空いた片手を、ゲルデの体の下へ潜り込ませる。もぞもぞと動かすと、ゲルデの体がびくっと跳ねた。

「ふあっ!? あっ、ザシャっ、そこ触っ……あっ、あっ、ああーっ」

 ザシャが触ったのは、ゲルデの陰核だった。腰を揺さぶりながら陰核を刺激すると、ゲルデは面白いくらい体を跳ねさせ声を上げた。顔を絨毯へ押しつけるのをやめ、ザシャの下から逃げようともがく。だがザシャはゲルデに体重をかけ、決して逃がさない。

「んっ、ん、んんぅっ! あっ、はぁ、あっ! ざ、しゃっ。ザシャ。ざしゃぁ」

 膣の蠕動から、ゲルデの絶頂が近いとわかる。ザシャは強く腰を押しつけ、よりしつこく陰核をこねくり回した。いっそう高く鳴くゲルデの声を聞きながら、ザシャは思い出したように呟いた。

「〈赤ずきん〉のきみと、こんな風になれるなんて、思いもしなかったな……」

 懐かしむザシャの声も、今のゲルデには聞こえていない。喘ぎ、悶え、ザシャの名前を繰り返し呼ぶゲルデを犯しながら、ザシャは出会ったばかりの頃を思い出した。
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