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第五幕 蛇
三 また変なものを食べて!
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それから数日後、朔夜は回復し普段通りの生活に戻った。
学校へ行くと先日橋から落ちたことについて、心配した同級生たちから何があったのかと問われたが、朔夜自身も理解できていないことばかりで、上手く説明することができなかった。
昼休みになったが、今の朔夜は人前で食事をすることができない。理由をつけて一人で教室を出て、中庭の木陰の長椅子で弁当箱を開けた。
──さすがにこれをみんなの前で食べるわけにはいかないからな……。
弁当箱には三匹の白いネズミが仲良く詰められている。そのうちの一匹を箸で摘み、ぱくりと口に入れると、白い喉がこくんと大きく動いた。
人体は元々この大きさのものを口から受け入れられるようにできていない。飲み込む時はやや苦しいが、その感触は同時に筆舌に尽くしがたい快感をもたらすものだった。
──ネズミじゃなくて、いつもと同じものが食べたい。でも、美味しいんだよな、ネズミ……。
快気祝いに今夜は冷凍ではなく生きたネズミを締めたばかりのを食べさせてやると一果が今朝言っていた。檻の中でチュウチュウと鳴きちょこちょこと走り回る可愛らしい動物を殺すのは心が痛むが、それよりも「おいしそう」という感情が勝っていた。
──新鮮なネズミが食べられるのを楽しみに思う日が来るなんてな。
二匹目に箸の先を伸ばしたとき、突然、身体の中を何かが激しく暴れ回るような感覚がして、視界が大きく揺れた。
- - - - - - -
「どうしたんだろう。一人で食べたいなんて言って……」
司は朔夜を心配して、学校の中を探し回っていた。屋上、階段、保健室、校庭……。そして、中庭。見つけた。
「朔夜!」
長椅子の下で倒れている。司は駆け寄り抱き起こした。意識は無い。
「大丈夫!? ねえ! ……え、ネズミ?」
朔夜の横に転がっている弁当箱の中を見た司は一瞬たじろいだが、毒草を食べることを趣味とする朔夜のことだからネズミを食べることだってあるのだろうと自分を納得させた。
「また変なものを食べて! うわ、すごい熱だ! ネズミなんか食べるからだよ! ………ん?」
ふと、触れた首の後ろの感触に違和感を感じた。硬く、すべすべとしている。見ると、紺や瑠璃色に螺鈿のような複雑な色彩を帯びた鱗がある。
「なんだろう、蛇の皮を貼っているのかな? こういう薬を試しているとか?」
すりすりと触り続けるうちに、ぞわぞわとした恐怖が司の身体を包んでいく。
「いや、違う…………生えてる……」
鱗が見えないように襟を直してから先生を呼んだ。朔夜は医院へ運ばれていった。
- - - - - - -
司は落ち着かない気持ちで残りの授業を受け、さようならの挨拶と同時に霜辻医院へ走った。
応接間に通され、葛が氷菓子を出してくれたが、味がしなかった。
食べ終えるとすぐにおかわりを持ってきてくれる。美味しいけれどこれ以上はいらないと、三回目で断った。
朔夜の様子が気になって来たのに、会わせてもらえそうな様子がない。よほど状況が悪いのだろうか。しばらく待つと一果が来た。司は慌ててよろけながら立ち上がる。
「一果先生、朔夜は」
「久しぶりに学校へ行って、疲れてしまったみたいだね。容態は安定している。心配ないよ」
一果の表情に不安は感じられない。まるで、ちょっとした風邪でも引いたかのような言い方だ。
「朔夜に会いたいのですが」
「せっかく来てもらったけれど、今はおねんねしているから、また今度ね」
今日は会わせてもらえないらしい。それは仕方ないとして、司は教えてほしかった。親友の身に何が起きているのか。
司にとって一果は、少し怖い人だ。優しくて親切だが、その笑顔の裏に、何か底知れぬ恐ろしさが感じられる。
──もし、この人を怒らせたらどうなるのだろう。もし、知られてはいけないことを隠しているとしたら。ぼくが、その片鱗を見てしまったのだとしたら。そして、それが一果先生に知られたら。怖い。でも、聞きたい。
「……あの」
「何だい?」
一果はいつも通りの穏やかな微笑みを浮かべている。
「ぼく、見てしまったんです。朔夜の首の後ろに、鱗が……生えているのを」
「ああ、蛇の皮を貼り付けて薬効を試しているんだよ」
そんなはずはない。あれは、たしかに生えていた。
「それと、見間違いかもしれませんけど」
「言ってごらん」
「橋の上から川へ落ちる直前に、朔夜の首の後ろへ、白くて長いのが……すうっと、入っていったような、気が……するんです」
言ううちに自信が無くなり、声が小さくなっていった。一果と目を合わせていられなくなり、下を向いてしまう。一果は何も言わない。
気になってちらりと視線を上げると、一果が一瞬、目を暗く細めるのが見えた。
「………そうか。あのときは暑かったし大変な騒ぎだったから、記憶が混濁しているのだろう」
「一果先生!」
自分でも驚くほど大きな声が飛び出してしまった。
「遅くなってしまったね。ご家族が心配するだろう。女郎花ちゃん、つかぽんをおうちまで送ってあげて」
誰もいなかったはずの司の背後に、女郎花と呼ばれた白い装束の少女が立っている。
「承りました」
女郎花は淑やかに頭を下げる。
余計な詮索はやめて帰れと言われているのだと、司は理解した。
- - - - - - -
外に出ると、雨が降りだしていた。司は医院の傘を借り、女郎花と一緒に歩き出した。
「朔夜も一果先生も、何か隠しています。朔夜が自分のことをあまり話してくれないのはいつものことですけど、一果先生が病気について納得のいく説明をしないで、ああやってはぐらかすなんておかしいです」
雨音に掻き消されそうな、独り言のような声で言う。女郎花は司の方へ頭を少し傾けて聞いてくれた。
「じつは、私も今回のことはよく存じておりませんのでございます。霍乱だと、一果先生はお言いになりましたけれど、それ以上のことは何も」
女郎花は嘘を言っているようには見えない。身内にさえ明かしていないらしいことが分かり、司はますます不安になった。
「朔夜、大丈夫なのかな」
「それは心配いりませんよ。一果先生を信じましょう。元気になりましたら、朔夜さんに直接お聞き遊ばしてはいかがでございますか」
「……そうですね」
学校へ行くと先日橋から落ちたことについて、心配した同級生たちから何があったのかと問われたが、朔夜自身も理解できていないことばかりで、上手く説明することができなかった。
昼休みになったが、今の朔夜は人前で食事をすることができない。理由をつけて一人で教室を出て、中庭の木陰の長椅子で弁当箱を開けた。
──さすがにこれをみんなの前で食べるわけにはいかないからな……。
弁当箱には三匹の白いネズミが仲良く詰められている。そのうちの一匹を箸で摘み、ぱくりと口に入れると、白い喉がこくんと大きく動いた。
人体は元々この大きさのものを口から受け入れられるようにできていない。飲み込む時はやや苦しいが、その感触は同時に筆舌に尽くしがたい快感をもたらすものだった。
──ネズミじゃなくて、いつもと同じものが食べたい。でも、美味しいんだよな、ネズミ……。
快気祝いに今夜は冷凍ではなく生きたネズミを締めたばかりのを食べさせてやると一果が今朝言っていた。檻の中でチュウチュウと鳴きちょこちょこと走り回る可愛らしい動物を殺すのは心が痛むが、それよりも「おいしそう」という感情が勝っていた。
──新鮮なネズミが食べられるのを楽しみに思う日が来るなんてな。
二匹目に箸の先を伸ばしたとき、突然、身体の中を何かが激しく暴れ回るような感覚がして、視界が大きく揺れた。
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「どうしたんだろう。一人で食べたいなんて言って……」
司は朔夜を心配して、学校の中を探し回っていた。屋上、階段、保健室、校庭……。そして、中庭。見つけた。
「朔夜!」
長椅子の下で倒れている。司は駆け寄り抱き起こした。意識は無い。
「大丈夫!? ねえ! ……え、ネズミ?」
朔夜の横に転がっている弁当箱の中を見た司は一瞬たじろいだが、毒草を食べることを趣味とする朔夜のことだからネズミを食べることだってあるのだろうと自分を納得させた。
「また変なものを食べて! うわ、すごい熱だ! ネズミなんか食べるからだよ! ………ん?」
ふと、触れた首の後ろの感触に違和感を感じた。硬く、すべすべとしている。見ると、紺や瑠璃色に螺鈿のような複雑な色彩を帯びた鱗がある。
「なんだろう、蛇の皮を貼っているのかな? こういう薬を試しているとか?」
すりすりと触り続けるうちに、ぞわぞわとした恐怖が司の身体を包んでいく。
「いや、違う…………生えてる……」
鱗が見えないように襟を直してから先生を呼んだ。朔夜は医院へ運ばれていった。
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司は落ち着かない気持ちで残りの授業を受け、さようならの挨拶と同時に霜辻医院へ走った。
応接間に通され、葛が氷菓子を出してくれたが、味がしなかった。
食べ終えるとすぐにおかわりを持ってきてくれる。美味しいけれどこれ以上はいらないと、三回目で断った。
朔夜の様子が気になって来たのに、会わせてもらえそうな様子がない。よほど状況が悪いのだろうか。しばらく待つと一果が来た。司は慌ててよろけながら立ち上がる。
「一果先生、朔夜は」
「久しぶりに学校へ行って、疲れてしまったみたいだね。容態は安定している。心配ないよ」
一果の表情に不安は感じられない。まるで、ちょっとした風邪でも引いたかのような言い方だ。
「朔夜に会いたいのですが」
「せっかく来てもらったけれど、今はおねんねしているから、また今度ね」
今日は会わせてもらえないらしい。それは仕方ないとして、司は教えてほしかった。親友の身に何が起きているのか。
司にとって一果は、少し怖い人だ。優しくて親切だが、その笑顔の裏に、何か底知れぬ恐ろしさが感じられる。
──もし、この人を怒らせたらどうなるのだろう。もし、知られてはいけないことを隠しているとしたら。ぼくが、その片鱗を見てしまったのだとしたら。そして、それが一果先生に知られたら。怖い。でも、聞きたい。
「……あの」
「何だい?」
一果はいつも通りの穏やかな微笑みを浮かべている。
「ぼく、見てしまったんです。朔夜の首の後ろに、鱗が……生えているのを」
「ああ、蛇の皮を貼り付けて薬効を試しているんだよ」
そんなはずはない。あれは、たしかに生えていた。
「それと、見間違いかもしれませんけど」
「言ってごらん」
「橋の上から川へ落ちる直前に、朔夜の首の後ろへ、白くて長いのが……すうっと、入っていったような、気が……するんです」
言ううちに自信が無くなり、声が小さくなっていった。一果と目を合わせていられなくなり、下を向いてしまう。一果は何も言わない。
気になってちらりと視線を上げると、一果が一瞬、目を暗く細めるのが見えた。
「………そうか。あのときは暑かったし大変な騒ぎだったから、記憶が混濁しているのだろう」
「一果先生!」
自分でも驚くほど大きな声が飛び出してしまった。
「遅くなってしまったね。ご家族が心配するだろう。女郎花ちゃん、つかぽんをおうちまで送ってあげて」
誰もいなかったはずの司の背後に、女郎花と呼ばれた白い装束の少女が立っている。
「承りました」
女郎花は淑やかに頭を下げる。
余計な詮索はやめて帰れと言われているのだと、司は理解した。
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外に出ると、雨が降りだしていた。司は医院の傘を借り、女郎花と一緒に歩き出した。
「朔夜も一果先生も、何か隠しています。朔夜が自分のことをあまり話してくれないのはいつものことですけど、一果先生が病気について納得のいく説明をしないで、ああやってはぐらかすなんておかしいです」
雨音に掻き消されそうな、独り言のような声で言う。女郎花は司の方へ頭を少し傾けて聞いてくれた。
「じつは、私も今回のことはよく存じておりませんのでございます。霍乱だと、一果先生はお言いになりましたけれど、それ以上のことは何も」
女郎花は嘘を言っているようには見えない。身内にさえ明かしていないらしいことが分かり、司はますます不安になった。
「朔夜、大丈夫なのかな」
「それは心配いりませんよ。一果先生を信じましょう。元気になりましたら、朔夜さんに直接お聞き遊ばしてはいかがでございますか」
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