僕を貴方のマスターにしてくださいっ！

いざ、交流会へ！

グループ紹介 5

　「パワーバランス……？あのどういう意味ですか？」
　凄い剣幕の春樹先輩に怯んでいたけど、僕自身が会話の内容が分からないのに、黙っていても仕方なかったから僕はそこでやっと口を開いた。
　すると、途中から話に入ってきた僕に驚いたのか、グレイさんは目を見開いた。
　「へぇ、貴方が豊君ですか。………なるほど、この容姿なら四天王の御二人が執着するのも無理はない……。グループに入ればすぐに四天王候補ですかね。」
　はい？？今なんて……？？
　「だろ？まぁ、全校生徒の前に出る前に番持ちになるだろうけどさ……。」
　んー？なんでこの二人は話が通じあってんのかな？やっぱり番だから？番だからなの？
　話の主旨が僕には分かっていないよ？

　すると、グレイさんは春樹先輩の腕のなかにいる僕を覗き込んでにっこり笑った。
　「貴方も大変ですね……。まぁ、これからもっと大変になりますけど。」
　「はい？？？」
　グレイさんにもう一度聞き返そうとしたときだった。春樹先輩の腕にいきなり力が入った。
　僕をさっきよりも強めに抱き締めた。
　………痛いですよ先輩。
　「ねぇ、それ以上近寄らないで……？」
　僕からは春樹先輩の顔は見えなかったけど、なんか寒気を感じたよ。すると、グレイさんは軽く溜息をついた。
　「はい、そうしますよ。さあ春樹君、私と一緒に戻りましょうか………。」
　「嫌だね」
　「それは困りますよ春樹君。東の四天王が大好きな中等部の２年生につきまとって交流会セレモニーに欠席なんて。」

　ん？今凄い話が聞こえた気がするよ？
　春樹先輩、中等部の２年生に好きな子いるんですか……？！
　それで交流会セレモニー欠席ってやっぱり美人は限度を知らないんですか……。（春樹先輩の策略参考）
　1年前からそこは変わってないんですね……。

　「春樹先輩、好きな子いたんですね。」
　「えっ？？」
　
　え？素朴な疑問を春樹先輩に問いかけたら、何故かグレイさんにびっくりされたんだけど。
　だって、四天王の春樹先輩に好きな子がいるって言われたら、知りたくならない？？

　「暁、貴方の言ったとうり豊君は自覚していないんですね………。」
　すると、暁君は微妙な笑みを作って答えた。
　「だから言ったろ、豊は鈍感だからお前らに力借りないと、東と北の四天王が可愛そうな思いをするだけだって。」
　「なるほど、分かりました。」

　そう言うと、グレイさんは春樹先輩の肩を掴んで僕に向かって話しかけてきた。

　「豊君、春樹君が好きなのは貴方のことですよ。それと付け足しで、玲君もね……。」

　は？……………今日ってエイプリルフールだったっけ？？