21 / 42
正気を失っていた婚約者
15 あのかぐわしい香りの正体は
しおりを挟む
事態がある程度収束して数日、私達三人は溜まりに溜まった執務をまるで自動人形か何かのようにこなしていた。
というか、メルヴィーは仕事が早く、指示も的確なので、辞典か何かのようだった書類の束がみるみる減っていくのを私とカステオは驚嘆と共に見守っているだけのことの方が多かった。
私達がしていた事といえば、振られた仕事をこなしつつ、放っておくと寝食を忘れそうになる彼女を定期的に机から引きはがしていた位だ。
おかげで、他の事を考えている暇も無く、連絡が途絶えたビータの事や、カーヴァン侯爵領の事もまるで遠い日の出来事のように感じていた。
気付けば気候が変化し、春から夏に差し掛かってきて汗で紙が手に張り付いたりすることに不快感を感じるようになってきたある晴れた日。
「終わった……!」
メルヴィーが呟きながらペンを置いた瞬間、ファンファーレでも鳴らして祝いたいくらいに感動した。いくらなんでもそこまではしゃぐことはないが、それぐらいの気持ちだった。
カステオと顔を見合わせて噛み締めていると、メルヴィーが突然立ち上がったので驚いてそちらを見る。
「食堂へ移動しましょう!」
「あ、あぁ」
「はい」
確かに昼食の時間はもうすぐだが、ここまで気合が入ったメルヴィーを見たことは無かったのでちょっと引いてしまった。
不気味な程上機嫌のメルヴィーに先導されて食堂へ移動すると、嗅いだことが無い匂いが充満していた。何の匂いだろうか、とても食欲を刺激してくる。
いつものテーブルを見ると、既に呼ばれていたらしくダルトンとジギタリスが我々の分の食事も食卓に並べてくれていた所だった。
いつもなら各自でする所を忙しい我々の為に気を使ってくれていたらしい。
「これは、何だ?」
テーブルには白い穀物の小山が盛られたお皿がドンと置かれていた。赤いピクルスのようなものがちょこんと添えられている。そしてすぐ傍には茶色い粘り気の強そうなスープが入った器。匂いの原因はこれらしい。禍々しいオーラを感じる混沌とした色合いだ。まさかこれを食べるのか。
「これはカレーライスという食べ物です。こうして食べるのよ」
といってメルヴィーはおもむろにスープを穀物の皿にドバっとかけ、スプーンでスープと穀物を掬い上げて口に放り込んだ。
「んー!! これよ! ようやく再現できたわ!!」
公爵令嬢らしからぬ崩れ切った笑みで味わう彼女に、正直大丈夫かと問いたい。
今までこんなにテンションの高い彼女を見たことが無かった。執務疲れでちょっとおかしくなってしまったのではないか。
見回せばメルヴィー以外全員似たような顔をして手をつけようとしない。
だが、一人美味しそうに食べるメルヴィーの手前食べない訳にもいかなそうだとチラチラとスープの様子を伺っている。
「騙されたと思って食べてみて、本当に美味しいんだから」
そう勧めるメルヴィーに渋々といった様子でジギタリスがスープだけをまず口に入れた。まるで毒を飲まされているかのような顔をしていたのに、みるみる顔を輝かせたかと思うと、先程のメルヴィーと同じように穀物の山にスープをかけて食べ始め、そこからは夢中で口に運び続けた。
いつもならば最低限のテーブルマナーは守っていた筈の彼女が、まるで幼児のように口いっぱいに頬張っている。
それを見たダルトンが、負けてられるかとばかりにスープを器を逆さにする程勢いよく振りかけて食べ始めた。こちらも、最初は汚物を眼にするような顔をしていたというのに今は夢中だ。というか三人の中で一番食べ方が汚い。お前一応貴族だっただろうにとげんなりする食べ方だ。
そして、とうとうメルヴィーの視線は私の方へ向いたので、とりあえず穀物を掬ったスプーンを、少しだけスープに浸して口へ運ぶ。
するとどうだろう、口いっぱいに複雑に絡み合ったスパイスの香りが広がり、今までに味わったことのない重厚な旨味に私の魂まで震えるかのようだった。これを表現する言葉はこれしかないという他ない。
「うまい……!!」
「そうでしょうそうでしょう。カーヴァン侯爵領であのスパイスが手に入ると知った時は打ち震えたものです。それなのにあのぼんくら領主ども……」
食事は旨いが、いつもとテンションが全く違うメルヴィーが怖い。
皆一様に視線を逸らし、卓上の食事に集中した。
添えられていたピクルスも味わったことが無い味付けで、少し甘いのがこのカレーライスという食べ物に物凄くマッチしている。
気づけば私もスープを穀物に振りかけてバクバク食べていた。
スープがカレー、白い穀物がライス、赤いピクルスがフクジンヅケというものらしい。
私達はひたすら食事を摂り続け、結局全員がおかわりまでしたので、人が入れそうな程大きな大鍋一杯だったカレースープを空っぽにした。私も限界まで食べたので苦しいが、それでもまだ食べたいという状態だ。
二日目まで置いた方が旨味が増すので多めに作らせたのにと後に悔しがるメルヴィーの姿があったとかなかったとか。
後でジギタリスから聞いたところによると、カレーに不可欠なスパイスがカーヴァン侯爵領で手に入る事は以前から判明してはいたが、侯爵は自領民の亡命先であるマグゼラ領との流通を一切禁止していたらしい。尤もらしく理由を付けていたがぶっちゃけ若く美人で名領主として名高いメルヴィーへの夫人の私怨が大きいだろうというのが彼女の予想だった。
さすがにスパイスの為に父親を頼るわけにもいかずメルヴィーは歯噛みしていたとか。
それが、今回の件で流通が正常化されて手に入ったので数日前から料理人に指示をして試行錯誤をさせ、ようやく今日お披露目と相成ったとのことだ。
もしかしたらあの問題解決への情熱の原動力はこれだったのではと疑念が残った出来事だった。
後日また食べたいという声がそこかしこから上がったが、材料のほとんどが海外からの輸入品で、滅多に食べられないと拗ねた顔で告げられ、もっと丁寧に味わえば良かったと悔しがる面々がいた。私も含めて。
それから、カレーライスは祝い事の定番となった。
というか、メルヴィーは仕事が早く、指示も的確なので、辞典か何かのようだった書類の束がみるみる減っていくのを私とカステオは驚嘆と共に見守っているだけのことの方が多かった。
私達がしていた事といえば、振られた仕事をこなしつつ、放っておくと寝食を忘れそうになる彼女を定期的に机から引きはがしていた位だ。
おかげで、他の事を考えている暇も無く、連絡が途絶えたビータの事や、カーヴァン侯爵領の事もまるで遠い日の出来事のように感じていた。
気付けば気候が変化し、春から夏に差し掛かってきて汗で紙が手に張り付いたりすることに不快感を感じるようになってきたある晴れた日。
「終わった……!」
メルヴィーが呟きながらペンを置いた瞬間、ファンファーレでも鳴らして祝いたいくらいに感動した。いくらなんでもそこまではしゃぐことはないが、それぐらいの気持ちだった。
カステオと顔を見合わせて噛み締めていると、メルヴィーが突然立ち上がったので驚いてそちらを見る。
「食堂へ移動しましょう!」
「あ、あぁ」
「はい」
確かに昼食の時間はもうすぐだが、ここまで気合が入ったメルヴィーを見たことは無かったのでちょっと引いてしまった。
不気味な程上機嫌のメルヴィーに先導されて食堂へ移動すると、嗅いだことが無い匂いが充満していた。何の匂いだろうか、とても食欲を刺激してくる。
いつものテーブルを見ると、既に呼ばれていたらしくダルトンとジギタリスが我々の分の食事も食卓に並べてくれていた所だった。
いつもなら各自でする所を忙しい我々の為に気を使ってくれていたらしい。
「これは、何だ?」
テーブルには白い穀物の小山が盛られたお皿がドンと置かれていた。赤いピクルスのようなものがちょこんと添えられている。そしてすぐ傍には茶色い粘り気の強そうなスープが入った器。匂いの原因はこれらしい。禍々しいオーラを感じる混沌とした色合いだ。まさかこれを食べるのか。
「これはカレーライスという食べ物です。こうして食べるのよ」
といってメルヴィーはおもむろにスープを穀物の皿にドバっとかけ、スプーンでスープと穀物を掬い上げて口に放り込んだ。
「んー!! これよ! ようやく再現できたわ!!」
公爵令嬢らしからぬ崩れ切った笑みで味わう彼女に、正直大丈夫かと問いたい。
今までこんなにテンションの高い彼女を見たことが無かった。執務疲れでちょっとおかしくなってしまったのではないか。
見回せばメルヴィー以外全員似たような顔をして手をつけようとしない。
だが、一人美味しそうに食べるメルヴィーの手前食べない訳にもいかなそうだとチラチラとスープの様子を伺っている。
「騙されたと思って食べてみて、本当に美味しいんだから」
そう勧めるメルヴィーに渋々といった様子でジギタリスがスープだけをまず口に入れた。まるで毒を飲まされているかのような顔をしていたのに、みるみる顔を輝かせたかと思うと、先程のメルヴィーと同じように穀物の山にスープをかけて食べ始め、そこからは夢中で口に運び続けた。
いつもならば最低限のテーブルマナーは守っていた筈の彼女が、まるで幼児のように口いっぱいに頬張っている。
それを見たダルトンが、負けてられるかとばかりにスープを器を逆さにする程勢いよく振りかけて食べ始めた。こちらも、最初は汚物を眼にするような顔をしていたというのに今は夢中だ。というか三人の中で一番食べ方が汚い。お前一応貴族だっただろうにとげんなりする食べ方だ。
そして、とうとうメルヴィーの視線は私の方へ向いたので、とりあえず穀物を掬ったスプーンを、少しだけスープに浸して口へ運ぶ。
するとどうだろう、口いっぱいに複雑に絡み合ったスパイスの香りが広がり、今までに味わったことのない重厚な旨味に私の魂まで震えるかのようだった。これを表現する言葉はこれしかないという他ない。
「うまい……!!」
「そうでしょうそうでしょう。カーヴァン侯爵領であのスパイスが手に入ると知った時は打ち震えたものです。それなのにあのぼんくら領主ども……」
食事は旨いが、いつもとテンションが全く違うメルヴィーが怖い。
皆一様に視線を逸らし、卓上の食事に集中した。
添えられていたピクルスも味わったことが無い味付けで、少し甘いのがこのカレーライスという食べ物に物凄くマッチしている。
気づけば私もスープを穀物に振りかけてバクバク食べていた。
スープがカレー、白い穀物がライス、赤いピクルスがフクジンヅケというものらしい。
私達はひたすら食事を摂り続け、結局全員がおかわりまでしたので、人が入れそうな程大きな大鍋一杯だったカレースープを空っぽにした。私も限界まで食べたので苦しいが、それでもまだ食べたいという状態だ。
二日目まで置いた方が旨味が増すので多めに作らせたのにと後に悔しがるメルヴィーの姿があったとかなかったとか。
後でジギタリスから聞いたところによると、カレーに不可欠なスパイスがカーヴァン侯爵領で手に入る事は以前から判明してはいたが、侯爵は自領民の亡命先であるマグゼラ領との流通を一切禁止していたらしい。尤もらしく理由を付けていたがぶっちゃけ若く美人で名領主として名高いメルヴィーへの夫人の私怨が大きいだろうというのが彼女の予想だった。
さすがにスパイスの為に父親を頼るわけにもいかずメルヴィーは歯噛みしていたとか。
それが、今回の件で流通が正常化されて手に入ったので数日前から料理人に指示をして試行錯誤をさせ、ようやく今日お披露目と相成ったとのことだ。
もしかしたらあの問題解決への情熱の原動力はこれだったのではと疑念が残った出来事だった。
後日また食べたいという声がそこかしこから上がったが、材料のほとんどが海外からの輸入品で、滅多に食べられないと拗ねた顔で告げられ、もっと丁寧に味わえば良かったと悔しがる面々がいた。私も含めて。
それから、カレーライスは祝い事の定番となった。
0
お気に入りに追加
2,972
あなたにおすすめの小説
6年後に戦地から帰ってきた夫が連れてきたのは妻という女だった
白雲八鈴
恋愛
私はウォルス侯爵家に15歳の時に嫁ぎ婚姻後、直ぐに夫は魔王討伐隊に出兵しました。6年後、戦地から夫が帰って来ました、妻という女を連れて。
もういいですか。私はただ好きな物を作って生きていいですか。この国になんて出ていってやる。
ただ、皆に喜ばれる物を作って生きたいと願う女性がその才能に目を付けられ周りに翻弄されていく。彼女は自由に物を作れる道を歩むことが出来るのでしょうか。
番外編
謎の少女強襲編
彼女が作り出した物は意外な形で人々を苦しめていた事を知り、彼女は再び帝国の地を踏むこととなる。
私が成した事への清算に行きましょう。
炎国への旅路編
望んでいた炎国への旅行に行く事が出来ない日々を送っていたが、色々な人々の手を借りながら炎国のにたどり着くも、そこにも帝国の影が・・・。
え?なんで私に誰も教えてくれなかったの?そこ大事ー!
*本編は完結済みです。
*誤字脱字は程々にあります。
*なろう様にも投稿させていただいております。
→誰かに話したくなる面白い雑学
ノアキ光
エッセイ・ノンフィクション
(▶アプリ無しでも読めます。 目次の下から読めます)
見ていただきありがとうございます。
こちらは、雑学の本の内容を、自身で読みやすくまとめ、そこにネットで調べた情報を盛り込んだ内容となります。
驚きの雑学と、話のタネになる雑学の2種類です。
よろしくおねがいします。
優秀な姉の添え物でしかない私を必要としてくれたのは、優しい勇者様でした ~病弱だった少女は異世界で恩返しの旅に出る~
日之影ソラ
ファンタジー
前世では病弱で、生涯のほとんどを病室で過ごした少女がいた。彼女は死を迎える直前、神様に願った。
もしも来世があるのなら、今度は私が誰かを支えられるような人間になりたい。見知らぬ誰かの優しさが、病に苦しむ自分を支えてくれたように。
そして彼女は貴族の令嬢ミモザとして生まれ変わった。非凡な姉と比べられ、常に見下されながらも、自分にやれることを精一杯取り組み、他人を支えることに人生をかけた。
誰かのために生きたい。その想いに嘘はない。けれど……本当にこれでいいのか?
そんな疑問に答えをくれたのは、平和な時代に生まれた勇者様だった。
異世界屋台経営-料理一本で異世界へ
芽狐
ファンタジー
松原 真人(35歳)は、ある夜に自分の料理屋で亡くなってしまう。
そして、次に目覚めた場所は、見たことない木で出来た一軒家のような場所であった。そこで、出会ったトンボという男と異世界を津々浦々屋台を引きながら回り、色んな異世界人に料理を提供していくお話です。
更新日時:不定期更新18時投稿
よかったらお気に入り登録・感想などよろしくお願いします。
条件付きチート『吸収』でのんびり冒険者ライフ!
ヒビキ タクト
ファンタジー
旧題:異世界転生 ~条件付きスキル・スキル吸収を駆使し、冒険者から成り上がれ~
平凡な人生にガンと宣告された男が異世界に転生する。異世界神により特典(条件付きスキルと便利なスキル)をもらい異世界アダムスに転生し、子爵家の三男が冒険者となり成り上がるお話。 スキルや魔法を駆使し、奴隷や従魔と一緒に楽しく過ごしていく。そこには困難も…。 従魔ハクのモフモフは見所。週に4~5話は更新していきたいと思いますので、是非楽しく読んでいただければ幸いです♪ 異世界小説を沢山読んできた中で自分だったらこうしたいと言う作品にしております。
愛されない花嫁は初夜を一人で過ごす
リオール
恋愛
「俺はお前を妻と思わないし愛する事もない」
夫となったバジルはそう言って部屋を出て行った。妻となったアルビナは、初夜を一人で過ごすこととなる。
後に夫から聞かされた衝撃の事実。
アルビナは夫への復讐に、静かに心を燃やすのだった。
※シリアスです。
※ざまあが行き過ぎ・過剰だといったご意見を頂戴しております。年齢制限は設定しておりませんが、お読みになる場合は自己責任でお願い致します。
『親友』との時間を優先する婚約者に別れを告げたら
黒木メイ
恋愛
筆頭聖女の私にはルカという婚約者がいる。教会に入る際、ルカとは聖女の契りを交わした。会えない間、互いの不貞を疑う必要がないようにと。
最初は順調だった。燃えるような恋ではなかったけれど、少しずつ心の距離を縮めていけたように思う。
けれど、ルカは高等部に上がり、変わってしまった。その背景には二人の男女がいた。マルコとジュリア。ルカにとって初めてできた『親友』だ。身分も性別も超えた仲。『親友』が教えてくれる全てのものがルカには新鮮に映った。広がる世界。まるで生まれ変わった気分だった。けれど、同時に終わりがあることも理解していた。だからこそ、ルカは学生の間だけでも『親友』との時間を優先したいとステファニアに願い出た。馬鹿正直に。
そんなルカの願いに対して私はダメだとは言えなかった。ルカの気持ちもわかるような気がしたし、自分が心の狭い人間だとは思いたくなかったから。一ヶ月に一度あった逢瀬は数ヶ月に一度に減り、半年に一度になり、とうとう一年に一度まで減った。ようやく会えたとしてもルカの話題は『親友』のことばかり。さすがに堪えた。ルカにとって自分がどういう存在なのか痛いくらいにわかったから。
極めつけはルカと親友カップルの歪な三角関係についての噂。信じたくはないが、間違っているとも思えなかった。もう、半ば受け入れていた。ルカの心はもう自分にはないと。
それでも婚約解消に至らなかったのは、聖女の契りが継続していたから。
辛うじて繋がっていた絆。その絆は聖女の任期終了まで後数ヶ月というところで切れた。婚約はルカの有責で破棄。もう関わることはないだろう。そう思っていたのに、何故かルカは今更になって執着してくる。いったいどういうつもりなの?
戸惑いつつも情を捨てきれないステファニア。プライドは捨てて追い縋ろうとするルカ。さて、二人の未来はどうなる?
※曖昧設定。
※別サイトにも掲載。
婚約破棄されて異世界トリップしたけど猫に囲まれてスローライフ満喫しています
葉柚
ファンタジー
婚約者の二股により婚約破棄をされた33才の真由は、突如異世界に飛ばされた。
そこはど田舎だった。
住む家と土地と可愛い3匹の猫をもらった真由は、猫たちに囲まれてストレスフリーなスローライフ生活を送る日常を送ることになった。
レコンティーニ王国は猫に優しい国です。
小説家になろう様にも掲載してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる