魔王と聖女と世界

 好きの反対は憎しみではないということばを実感する。もう、王太子も王も神官たちも、そして諸悪の根源であるこの世界の神とやらも、すべてがどうでもいい。
 消えて無くなれ、世界。
 私を拒絶する世界など要らない。
 誰からも必要とされない私なんて要らない。
 消えてしまえ、消えてしまえ。
――私は、魔王の後を追う。
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