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Fifth Contact 笑顔の行方
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昇降口の重量感のあるドアを開けた時、異様な静けさに円華は足を止めた。
「どした?」
不思議そうに開きかけのドアから新菜と翔子が覗くと、立ち上がっている浩司とその傍の繭、そしてその二人に注目する皆の視線が視界にあった。
初めて見る険しい表情の浩司。保がいる時より更に上を行っているという事は、ただ事でなく気分を害している表情から容易に見て取れた。
「どーしちゃったんだろう……何なのォ、これ……」
翔子はおろおろと円華と新菜を見て囁いた。
(あのアマ、ついに浩司くんをキレさせちまったってワケね。何やったんだかなぁ)
大体の所が想像付いた円華は、はあっと溜め息をついた。
三人が息を呑んで見守っていると、足元の椅子を片付けた浩司がこちらへと足を向けた。一瞬ドキリとしたが、別に自分らが慌てる必要にないことにすぐに気付いた。
何となく盗み見している感覚になっていたのだ。
こちらに来る途中で振り向き言い放った言葉に、一瞬翔子は、もっと言ってやって、とウキウキしたが、その後付け足すように絞り出された声に、全身が凍りついた。
(女って……それって私も入る……?)
浩司が昇降口へと向き直った。視線が三人へと向けられる。一瞬だけその瞳が揺れたような気がしたが、険しい表情のまま近付いて来た。
「あの……っ」
翔子は縋るような眼差しで見上げたが、それには気付かぬ様子で「どいてくれ」と言われ、気圧されたような感じで退けた三人の脇を通り抜けながら、不意にポンと翔子の頭がはたかれた。
そのまま何事もなかったように去って行く後ろ姿を見て、翔子は駆け出していた。
「待って! 浩司くんっ」
叫んでも、浩司が振り返ることはない。
(ロングスカートなんか履いて来るんじゃなかった!)
縺れそうになる足元を気にしながら、翔子は懸命に後を追った。特に階段では自分で裾を踏んで破いてしまうかも知れず、慎重にならざるを得ない。だが、浩司の方も別に足を速めるといった事はしなかったので、長い廊下で追い付く事が出来た。
「ね、待ってよ、浩司くんっ」
翔子は強引に前に回り込み、足を止めさせた。
「無視しちゃやだよ。わ、私の事、も……嫌いになっちゃったの? 鬱陶しいって思ってるの?」
自然に潤んでしまった瞳で、有りっ丈の想いを込めて見上げた。浩司の瞳が束の間和らいだように思えたのだが、次の瞬間、「来いよ」と翔子の腕を掴んで、すぐ近くにあった資料室へ連れ込まれた。
「浩司くん?」
突然の事にどう対処して良いものか判断の付きかねた翔子は、後ろ手にカチャリと鍵を下ろす様子を見てますます当惑した。
心臓の音が、妙に大きく聞こえる。ゆっくりとこちらに近付いて来る浩司は、唇に冷笑さえ浮かべており、まるで別人のようだった。
「矢部っつったっけな、お前」
独り言のような呟きに、反射的に、
「しょ、翔子でいいってば」
と言っていた。声が少し震えている。
目の前まで近付いて来た浩司が足を止めて、翔子の髪に触れた。
「怖いのかよ? 俺の事好きなんだろ?」
「す、好き」
即答して、ぐっと拳を握った。
「じゃ、何で震えてるんだよ。初めてでもあるまいに」
見下ろす浩司の瞳は冷たい無機質な色を湛えている。出逢った時から、口ではどんなに意地悪な事を言っても、ぶっきらぼうでも、瞳は優しかった。だから惹かれたのだ。時たま見せられる本当の笑みを、もっと自分に向けて欲しくて。
そのまま降りて来た唇が翔子の口元を掠め、耳に温かい息が掛かった。耳朶の下に軽く唇が当たり、ぞくりと背中に悪寒が走った。ざわざわと、胸の中が騒がしい。
スカートをたくし上げられ、差し込まれた手が太腿を撫で、もう片方の手がボレロを割り服の上から乳房を乱暴に掴んだ。
「いい体してるよなぁ、お前。何人の男とヤッたんだよ? ま、んな事どうでもいいけど」
至近距離で囁かれると、腰が砕けそうだ。こんな状況でも、もっとその声を聴いていたいと思ってしまう。
両腕が背後に回り、ボレロの下でジーッとチャックが引き下ろされる。そのままボレロと共に肩からワンピースが下ろされそうになり、慌てて両手で腕を抱き締めて止めた。クッと唇の端を上げた浩司が、また背中に手を回してブラジャーのホックを外す。
(そ、そりゃあ、エッチしたかったけどっ! 他の段階すっとばかして、んな事するぅ!? それに浩司くんどう見ても正気じゃないし、おまけにこんな場所だし、こんなのやだっ!)
開いた背から素肌を直接撫でる大きな手も、首筋に這わされる唇から覗く舌先もこんなに優しいのに、どうして。
「やっ!」
思わず両手で胸を突き飛ばしていた。
よろめいて資料棚にぶつかった浩司は、片手で胸を押さえてケホッと咳いた。力任せに押したので肺を圧迫してしまったらしい。そして弾みで噛んでしまったらしい舌先から血が滲み、浩司は空いた手の甲でぐいとそれを拭った。
「あ、ゴメンっ……! けど、浩司くんが悪いんだからね! そりゃあ確かに前抱いてって言ったけど、こんな急にこんな所でなんてあんまりだよっ。それに、続きはちゃんと好きになってからって、言ったくせに……」
抗議しながら、そそくさとホックをはめてチャックを上げようと両手を背に回す。
「――好きじゃないって? どうして判る」
「だって瞳が冷たいんだもん。女性不信って聞いた最初の時でも、浩司くんそんな目してなかった。態度は……口調はぶっきらぼうでも、瞳は優しかったもん。こんなの、いつもの浩司くんだったらしないでしょ? 浩司くんらしくないよ」
ピクリ、と浩司の眉が動いた。
「いつもの俺? 俺らしいって何?」
すうっと目が細められ、先刻より更に冷め切った表情になる。冷笑すら、消えた。
「――お前が、一体俺の何を解ってるってんだよ? 表面だけ見て、俺の事解ったつもりになって、好きだって言って、勝手に理想の俺を創り上げてる。
……女は皆そうだ。自分勝手で、自己中心的。本当は俺の事なんて、これっぽっちも解ってねぇくせに」
「そんなこと……っ!」
何か気の利いた台詞を言いたかったが、何も言葉が出て来ない。自分のボキャブラリーのなさに歯噛みする翔子。
「一緒にいる時間、楽しかった。何も考えずに思ったことポンポン言える女なんて、そんなにいねぇし……。
だから、お前なら……ひょっとしたら違うかもって」
浩司は少しだけ苦しそうに口元を歪ませたが、ふうと息を吐くとまた元の能面に戻ってしまう。
「残念だよ」
最後に一言放って、ツカツカと資料室を出て行ってしまった。
ピシャリとアルミサッシのドアが閉められた瞬間、翔子はへたへたとその場に座り込んだ。
涙が溢れて来た。
「どした?」
不思議そうに開きかけのドアから新菜と翔子が覗くと、立ち上がっている浩司とその傍の繭、そしてその二人に注目する皆の視線が視界にあった。
初めて見る険しい表情の浩司。保がいる時より更に上を行っているという事は、ただ事でなく気分を害している表情から容易に見て取れた。
「どーしちゃったんだろう……何なのォ、これ……」
翔子はおろおろと円華と新菜を見て囁いた。
(あのアマ、ついに浩司くんをキレさせちまったってワケね。何やったんだかなぁ)
大体の所が想像付いた円華は、はあっと溜め息をついた。
三人が息を呑んで見守っていると、足元の椅子を片付けた浩司がこちらへと足を向けた。一瞬ドキリとしたが、別に自分らが慌てる必要にないことにすぐに気付いた。
何となく盗み見している感覚になっていたのだ。
こちらに来る途中で振り向き言い放った言葉に、一瞬翔子は、もっと言ってやって、とウキウキしたが、その後付け足すように絞り出された声に、全身が凍りついた。
(女って……それって私も入る……?)
浩司が昇降口へと向き直った。視線が三人へと向けられる。一瞬だけその瞳が揺れたような気がしたが、険しい表情のまま近付いて来た。
「あの……っ」
翔子は縋るような眼差しで見上げたが、それには気付かぬ様子で「どいてくれ」と言われ、気圧されたような感じで退けた三人の脇を通り抜けながら、不意にポンと翔子の頭がはたかれた。
そのまま何事もなかったように去って行く後ろ姿を見て、翔子は駆け出していた。
「待って! 浩司くんっ」
叫んでも、浩司が振り返ることはない。
(ロングスカートなんか履いて来るんじゃなかった!)
縺れそうになる足元を気にしながら、翔子は懸命に後を追った。特に階段では自分で裾を踏んで破いてしまうかも知れず、慎重にならざるを得ない。だが、浩司の方も別に足を速めるといった事はしなかったので、長い廊下で追い付く事が出来た。
「ね、待ってよ、浩司くんっ」
翔子は強引に前に回り込み、足を止めさせた。
「無視しちゃやだよ。わ、私の事、も……嫌いになっちゃったの? 鬱陶しいって思ってるの?」
自然に潤んでしまった瞳で、有りっ丈の想いを込めて見上げた。浩司の瞳が束の間和らいだように思えたのだが、次の瞬間、「来いよ」と翔子の腕を掴んで、すぐ近くにあった資料室へ連れ込まれた。
「浩司くん?」
突然の事にどう対処して良いものか判断の付きかねた翔子は、後ろ手にカチャリと鍵を下ろす様子を見てますます当惑した。
心臓の音が、妙に大きく聞こえる。ゆっくりとこちらに近付いて来る浩司は、唇に冷笑さえ浮かべており、まるで別人のようだった。
「矢部っつったっけな、お前」
独り言のような呟きに、反射的に、
「しょ、翔子でいいってば」
と言っていた。声が少し震えている。
目の前まで近付いて来た浩司が足を止めて、翔子の髪に触れた。
「怖いのかよ? 俺の事好きなんだろ?」
「す、好き」
即答して、ぐっと拳を握った。
「じゃ、何で震えてるんだよ。初めてでもあるまいに」
見下ろす浩司の瞳は冷たい無機質な色を湛えている。出逢った時から、口ではどんなに意地悪な事を言っても、ぶっきらぼうでも、瞳は優しかった。だから惹かれたのだ。時たま見せられる本当の笑みを、もっと自分に向けて欲しくて。
そのまま降りて来た唇が翔子の口元を掠め、耳に温かい息が掛かった。耳朶の下に軽く唇が当たり、ぞくりと背中に悪寒が走った。ざわざわと、胸の中が騒がしい。
スカートをたくし上げられ、差し込まれた手が太腿を撫で、もう片方の手がボレロを割り服の上から乳房を乱暴に掴んだ。
「いい体してるよなぁ、お前。何人の男とヤッたんだよ? ま、んな事どうでもいいけど」
至近距離で囁かれると、腰が砕けそうだ。こんな状況でも、もっとその声を聴いていたいと思ってしまう。
両腕が背後に回り、ボレロの下でジーッとチャックが引き下ろされる。そのままボレロと共に肩からワンピースが下ろされそうになり、慌てて両手で腕を抱き締めて止めた。クッと唇の端を上げた浩司が、また背中に手を回してブラジャーのホックを外す。
(そ、そりゃあ、エッチしたかったけどっ! 他の段階すっとばかして、んな事するぅ!? それに浩司くんどう見ても正気じゃないし、おまけにこんな場所だし、こんなのやだっ!)
開いた背から素肌を直接撫でる大きな手も、首筋に這わされる唇から覗く舌先もこんなに優しいのに、どうして。
「やっ!」
思わず両手で胸を突き飛ばしていた。
よろめいて資料棚にぶつかった浩司は、片手で胸を押さえてケホッと咳いた。力任せに押したので肺を圧迫してしまったらしい。そして弾みで噛んでしまったらしい舌先から血が滲み、浩司は空いた手の甲でぐいとそれを拭った。
「あ、ゴメンっ……! けど、浩司くんが悪いんだからね! そりゃあ確かに前抱いてって言ったけど、こんな急にこんな所でなんてあんまりだよっ。それに、続きはちゃんと好きになってからって、言ったくせに……」
抗議しながら、そそくさとホックをはめてチャックを上げようと両手を背に回す。
「――好きじゃないって? どうして判る」
「だって瞳が冷たいんだもん。女性不信って聞いた最初の時でも、浩司くんそんな目してなかった。態度は……口調はぶっきらぼうでも、瞳は優しかったもん。こんなの、いつもの浩司くんだったらしないでしょ? 浩司くんらしくないよ」
ピクリ、と浩司の眉が動いた。
「いつもの俺? 俺らしいって何?」
すうっと目が細められ、先刻より更に冷め切った表情になる。冷笑すら、消えた。
「――お前が、一体俺の何を解ってるってんだよ? 表面だけ見て、俺の事解ったつもりになって、好きだって言って、勝手に理想の俺を創り上げてる。
……女は皆そうだ。自分勝手で、自己中心的。本当は俺の事なんて、これっぽっちも解ってねぇくせに」
「そんなこと……っ!」
何か気の利いた台詞を言いたかったが、何も言葉が出て来ない。自分のボキャブラリーのなさに歯噛みする翔子。
「一緒にいる時間、楽しかった。何も考えずに思ったことポンポン言える女なんて、そんなにいねぇし……。
だから、お前なら……ひょっとしたら違うかもって」
浩司は少しだけ苦しそうに口元を歪ませたが、ふうと息を吐くとまた元の能面に戻ってしまう。
「残念だよ」
最後に一言放って、ツカツカと資料室を出て行ってしまった。
ピシャリとアルミサッシのドアが閉められた瞬間、翔子はへたへたとその場に座り込んだ。
涙が溢れて来た。
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