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51 なぁ、帰ろう? *

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 もう、翔だって限界の筈なのに、乱れて来てる呼吸がそれを教えてくれてるのに、さっきからいかされてるのは俺ばっかり……

「ふむぅ……んぅ……んん……」

 泣きながら必死に口を押さえる俺の両手を完全に引き剥がした翔は動きを止めて、深くキスしてくる…少しだけ時間を置いて、ゆっくり動かしたりして…長く、長く中に留まろうとしてる…早く終われって俺の願いは虚しくて…窓から入る外の明るさや日の光の眩しさは真っ昼間からこんな事してるって言う俺の罪悪感をチクチクと刺激した。そのお陰でまだ、完全に獣みたいに理性を失わずに、少しだけ、心の隅に引っ掛けておくことができたんだ。

「しょ……う……」

 ゆっくり、味わう様な翔の動き…中の質量も形も一緒で、俺はまだあっちにいて、あっちの翔としてるみたいな錯覚にまで陥る…

 あぁ、お前…戻ってきたんだぁ…向こうに居たの長かったなぁ……帰ってからも、こんな関係になってるのなんて驚きだけど……

「フゥッ……」

 しつこい程の翔のキス…痛い程吸い尽くされて、合間にする息継ぎにも声が漏れる…

 翔のそれが、優しい抱き方に変わってて俺、絶対に勘違いした…こっちの翔に、自分から手なんて伸ばしたことなかったのに…気がついたら、キスの最中翔の頭を撫でまくってた…

「う……ぅっ……っ!!」
 
 更に深く、これ以上無いってくらい…吸い上げられて、甘噛みされて…突き上げられて…その衝撃で背中が反り返ってずり上がる…
 翔に直ぐに、摺下げられてまた深く……なんでこんなに執着するのか…吐口だったら直ぐにやってお終いにすれば良い…

"愛されてるねぇ"

 サマンサに言われた言葉が今、至極身に染みている…最初された時には絶対に頭にも掠めなかった言葉だ……

 何度目かの大きな突き上げの時、声すらも飲み込む様なキスをされてて、喘ぐ事もできなかった…翔の頭を撫でてた手が突っ張って宙を切る。抱え上げられてる片足にも、押さえ付けられてる腰がどうなっているのか分からないくらい、やられまくってる気がする…

 カツン……震えた俺の指先に冷たくて硬い物が当たった…

「は…っ…しょ…っ……ぅ…」

 何度目かの息継ぎでやっと言葉が出せる…

「フッ……うま……っく…で…きるっ…か…?」

「…っ?」
 
 まだ、動き足りない翔は大きなグラインドを繰り返してて、突然何か言い出した俺の顔を、真正面から見てきた…

「しょ…ぅ…かえ…ろ?」

 翔の頭を撫でてた時と同じ様にそっと頭に手を伸ばす…

 翔、本人…耐えてる時の眉の寄り方だって違う所なんて一つもない…別れてる方が不自然なんだ…

「な…?かえ……ろ?」

 丁度日が差し込んで来る時刻で、サマンサさんのプレゼントを使うにはジャストなタイミングだった…
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