本篇完結 光に巻き込まれて目醒めてみれば、めちゃめちゃ甘くなった幼馴染みとお城がある国に飛ばされてました 硬派なあいつはどこいった！？

36 半分ということ

「おーい、翔！夕飯どうする？」

　あの後それぞれ落ち着いてから、夕飯の支度を始める。俺、明日休みもらっちゃったしゆっくりでも良いけど…

「ん、なんかチャチャっと作る。晴、先にシャワー浴びておいで…」

　翔って料理、出来るんだよな。チャチャっとなんか作れるなんて主婦みたいだぞ？
熱いシャワーを浴びながら翔のことを考えた。

　半分って？スタルトさんはさらっと言ってだけど、身体が半分になったら普通は生きてはいられないよな。なんで翔生きてられるんだ？こっちに来てからと言うものずっと翔は変わらない… 性格だけ変わったけど……

　その後一緒に夕飯を食べて、一緒のベッドだから一緒に寝る…

「晴…一緒に寝て良い？」

「…いつも一緒だろ？」

　何を今更…もう何回一緒に寝てるんだか…
子供の時よりも濃密に関わって生活してるじゃん。

「違う…ちゃんと隣で、ひっついて寝たい…」

　そんな事真面目に言うことか？

「……良いよ…来いよ…」

　言った瞬間に翔の奴、真っ赤になった………

「は……？な…！」

　なんで？なんで、今更そんなので反応すんの？

「……は、晴から、こんなこと、良いって言ってもらったことないから……やばっ……鼻血出そう……」

「鼻、血？…な、なんで、そんなに大袈裟に…」

　お前もっと激しいあれやこれやをやって来ただろうが……！！

「こ……来い、なんて、言われたこと、ない。」

　おま、やめろよな！なんでそんなに照れてんだよ！言った手前引っ込みがつかない……

「な！だからって…！今更そんなこと言うなって…！」

　照れ、とは伝染する物だろうか？翔を見てたらこっちまで顔が熱くなる。こいつには身体全部見られてるし、はっきり言ってもう恥ずかしがる様な関係でも無いのに…
　
「ほら！！とっとと寝る！！明日おれは休みだけど、お前はあるんだろ？疲れてるんだから、寝るぞ！！」

　あんなに積極的だった奴が、何をオドオド、ビクビクしてるのか……本当に今更すぎる。もう！！照れ隠しにグイッと翔の手を引っ張って、ボフッとベッドに倒れ込む。バサっと布団をかけて、クルッと翔に背を向けて寝る態勢に…自然に腰に翔の手が回って来たけど、知らんふりした。

「じゃ！おやすみ！！」

　やっぱ照れ隠しで勢いつけてお休みの挨拶をして、無理やり目を瞑る。よし！翔は何も反応を示してこない。このまま奴も寝るだろ…ふぅと一息ついて寝る体制になる。　

「ふふ…ふふふふ…くっ……」

　おい！何後ろで笑ってやがる！！？

「翔～～～！」

　寝れねぇだろ？

「…ごめ！だってさ…！そんな勢いで寝る奴いないだろ？…晴……可笑しくって！…くくっ」

「仕方ないだろうが！お前が変に赤くなるから、あんまり意識したくなかったんだよ！」

「そりゃ照れるだろ？好きな奴から来いって言われたら、嬉しいし、興奮もするだろ？」

「なん…！」

　興奮ってお前ね！

「もう、晴には嘘つかないし、秘密にしない。黙っててあんなに誤解されちゃったからな…うん、嬉しいし、興奮してる…」

「………！！」

　腰に回ってた腕に力が入って、俺をグイッと翔の方に引き寄せる。相変わらず力強いな…

「お前ね！調子に乗るなよ！」

「調子にも乗る……晴に、晴に来いって言われたんだ……興奮しないでどうするんだよ？」

「そのまま寝ろよ！」

「無理…多分……」

　多分？！いや、寝ろ！