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19 定期検診
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再度こっちに来てから様子のおかしい俺の為に数日に一度担当官と医師が部屋を訪ねてくれるようになった。一時は自分で食事もできないし、なにも話さない、反応しない俺に周りは相当慌てた様だ。異世界旅行者がここに来て気が触れた…と噂が回れば、ここに留まろうとする者やまた来ようとする者たちが激減するだろうことが懸念され、しっかりとしたアフターフォローを提供してくれている様だ。ま、原因はここじゃ無くて翔なんだけど……
今日も医師の診察を受ける。
「最初の頃よりは顔色もいいですし、表情もハッキリとしていますね。数値的な物も問題ないみたいですよ?」
医療技術のノウハウは分からないが検査について説明を受けると何となく聞いたことある物だったりして元の世界とそんなに変わりはないのかもしれない…
コクンと肯く俺に対して医師は続けた。
「それで、ご主人との関係は如何ですか?何か困った事や受け入れられないものなどありませんか?」
受け入れ、られない……?ドキッとした。言っていいものか?言わなければ分かってもらう事もできないけれど……しばし、黙り込んでしまう俺に医師は優しく話してくれる。
「晴さん、ただでさえ異世界旅行者や転移者はかつて無いほどのストレスにさらされますからね。体調不良を訴えるケースは珍しくも無いんですよ。だから、気になることがありましたら、遠慮なく話してくださいね。僕は医者ですから患者さんの秘密も護りますよ。」
親切丁寧に話して理解しやすい様にしてくれるこの医師は好きだな……理解しようとしてくれる人がいる事は心強い……
「……子供………」
「ん、お子さんですか?」
「…子供が、出来たかも知れなくて………」
「あぁ、それで不安に思っていらっしゃったんですか?そうですね。初めての事でしょう?不安になるのは当たり前だと思いますよ?」
「違くて……望んでいないのに、出来たかもしれなくて……」
「………お子さんを、望んでいない…?」
コクリ、と肯くしか返事はできなかった。
「ふ~む。お子さんを望まないご夫婦もいますからね。珍しいことでは無いんですが、晴さんの場合、避妊をされてなかった、と言うことですか?」
避妊……生々しい言葉に身が竦みそうになるが、コクリと肯く。
「ご主人は協力してくれない、との事ですかね?」
「…………」
「ふむ、物凄く優しそうで大事にしてくれそうなご主人に見えますがね?」
「………」
「あ、確認ですけど、ご主人意外の方と、では無いですよね?」
フルフルフル!!思わず思いっきり首を振る。翔以外の奴とあんな事する……?誰が?俺……??
「ウェッ………!!」
「晴さん!!!?」
翔以外の奴とのことを考えたら、急にどうしようも無い吐き気に襲われた…
「晴!!」
隣の部屋にいた翔が医師の慌てたような声に、急いで翔が入ってきた。
「すみません。翔さん。私が少し話を聞きすぎました…ごめんね、晴さん。君には少し荷が重かったね。今は何も心配しなくて良いから、ね?少し楽になったらゆっくり話そう。いいね?」
コクコク、吐き気と闘いながら必死に肯く…
「晴、少し休もう?先生今日の検査は全部終わりでいいんですよね?」
「ええ、もう終わりでいいですよ。係官の方には私からまた伺う必要があると言っておきますから。」
「お願いします。」
心配そうな顔をした翔を見るのは久しぶりのような気がする…ダメだ、力が入らない…俺は大人しく翔に身体を預けた…
今日も医師の診察を受ける。
「最初の頃よりは顔色もいいですし、表情もハッキリとしていますね。数値的な物も問題ないみたいですよ?」
医療技術のノウハウは分からないが検査について説明を受けると何となく聞いたことある物だったりして元の世界とそんなに変わりはないのかもしれない…
コクンと肯く俺に対して医師は続けた。
「それで、ご主人との関係は如何ですか?何か困った事や受け入れられないものなどありませんか?」
受け入れ、られない……?ドキッとした。言っていいものか?言わなければ分かってもらう事もできないけれど……しばし、黙り込んでしまう俺に医師は優しく話してくれる。
「晴さん、ただでさえ異世界旅行者や転移者はかつて無いほどのストレスにさらされますからね。体調不良を訴えるケースは珍しくも無いんですよ。だから、気になることがありましたら、遠慮なく話してくださいね。僕は医者ですから患者さんの秘密も護りますよ。」
親切丁寧に話して理解しやすい様にしてくれるこの医師は好きだな……理解しようとしてくれる人がいる事は心強い……
「……子供………」
「ん、お子さんですか?」
「…子供が、出来たかも知れなくて………」
「あぁ、それで不安に思っていらっしゃったんですか?そうですね。初めての事でしょう?不安になるのは当たり前だと思いますよ?」
「違くて……望んでいないのに、出来たかもしれなくて……」
「………お子さんを、望んでいない…?」
コクリ、と肯くしか返事はできなかった。
「ふ~む。お子さんを望まないご夫婦もいますからね。珍しいことでは無いんですが、晴さんの場合、避妊をされてなかった、と言うことですか?」
避妊……生々しい言葉に身が竦みそうになるが、コクリと肯く。
「ご主人は協力してくれない、との事ですかね?」
「…………」
「ふむ、物凄く優しそうで大事にしてくれそうなご主人に見えますがね?」
「………」
「あ、確認ですけど、ご主人意外の方と、では無いですよね?」
フルフルフル!!思わず思いっきり首を振る。翔以外の奴とあんな事する……?誰が?俺……??
「ウェッ………!!」
「晴さん!!!?」
翔以外の奴とのことを考えたら、急にどうしようも無い吐き気に襲われた…
「晴!!」
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「すみません。翔さん。私が少し話を聞きすぎました…ごめんね、晴さん。君には少し荷が重かったね。今は何も心配しなくて良いから、ね?少し楽になったらゆっくり話そう。いいね?」
コクコク、吐き気と闘いながら必死に肯く…
「晴、少し休もう?先生今日の検査は全部終わりでいいんですよね?」
「ええ、もう終わりでいいですよ。係官の方には私からまた伺う必要があると言っておきますから。」
「お願いします。」
心配そうな顔をした翔を見るのは久しぶりのような気がする…ダメだ、力が入らない…俺は大人しく翔に身体を預けた…
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