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24 * [完結]

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「アクサード…」

 体が、熱くて堪らない…顔と、上半身だけだった熱が、徐々に下半身に甘い痺れを引き起こす。
 唇を離したアクサードが、首筋から鎖骨へと舌を這わせていく…


「あっ…!」

 ピクリとスロウルの背がしなる。アクサードの唇がスロウルの胸に触れる。躊躇うように優しく触れていた唇も徐々に遠慮なく、薄くて色付く突起を挟み、吸い、舌を使って押しつぶした。

「ぁんっ…くぅ…う…っ」

 洩れる声と、甘い痺れ、それらから逃げるようにスロウルは腰を捻る…

 
 熱い…体温はどんどん上がるみたいに、熱い…


「あつ…い。アクサード…熱い…」

 下半身に集まる熱も、熱くて堪らなくて、如何にかしてここから逃げたい衝動に駆られてしまう。

 アクサードの手が伸びた…熱くて、堪らない場所へ…


「ふぅぅんっ…ふぁっ…あっ」

 初めてアクサードに自分の中心を触れられる。もう、恥ずかしい位に反応していて目も開けていられない…!


「スロウ……」

 優しくスロウルを呼ぶくせに、アクサードの手は確実にしっかりと熱を高める為に動いて行く。


「あっ!……あっんぅ……ぃうぅ…」

「スロウ…スロウ…」

 名を呼びながら、アクサードはスロウルの唇を求める。


「んぅ……ぅ……ふぅ…」

 口付けの合間からも声が洩れる。苦しそうに見えるスロウルにも構わず、アクサードはさらにスロウルの中心を責め立てる。

 スロウルは堪らずアクサードの背にしがみ付く。与えられる刺激に腰が跳ね、身を捩ってしまう。

「はぁ、スロウ……スロウ…俺の、物にしてもいいか…?スロウ?」
 
「くっ……っぁ…」

 アクサードは聞いてくるのに手が与える刺激を緩めようとしない。声を出せば全て喘ぎになりそうなスロウルは、夢中で縋り付いて肯く事しか出来ない。

 その答えと共にアクサードの手にも力が入る。


「あぁっ!…ぅあっぁぁぁ!」

 アクサードにしがみ付きスロウルはアクサードの手に精を放った。


「はっはっはぁ…はぁぁ…」

 息を整えながら、スロウルは涙目だ。放ったばかりで軽く身体に触れられるだけでもピクッと腰が震えてしまう。


「スロウ…」

 チュチュと細かいキスを首筋に落としながら、アクサードはスロウルの後ろを探る。
 ビクッと違う反応を返したスロウルに、さらに細かくキスを落とす。

「スロウ…」

 放ったばかりでボンヤリとするスロウルをしっかりと見つめながら、耳元で声をかけた。

 今、ここに居るのはアクサードだ。他の誰でもないアクサードだとスロウルに言い聞かせるように、何度も何度もスロウルの名前を呼ぶ。

「ア、クサードッ…」

「うん、ここに居る…」

 縋り付くスロウルの手をアクサードが握る。
 アクサードが指を動かす度にスロウルの腰が小さくわななけば、堪らなそうにアクサードは胸から下に口付けを落とす……


 入れられる指が増える程にスロウルの受ける圧迫感は増え、体が震える。


「スロウ?痛むか?」

 ギュウッと目を瞑ったままのスロウルにアクサードは心配そうに聞いてくるが、先程サタマーに後ろを触られて精を放ったばかりのスロウルは、痛み以外のものも感じ始めていた。

「ふっ…ぅ…っ」

 フルフル、痛み、はない…過去に入れられた圧迫感の恐怖ならややあるが、そんなもの全てアクサードで埋めて欲しいと、塗りつぶして欲しいとさえ今は思う。

「アクサ…ド…」

「うん…」

 スロウルの声にアクサードは答える。優しくキスを落としながら、髪を撫で、頬を撫で、頬擦りをして…


「埋め…て、欲しい。アクサード…今、迄の、全部を…アクサードで…」
 
 スロウルがしっかりとアクサードの赤茶の瞳を見つめる。望まざる行為が、どれ程自分を苦しめていたのか、スロウルは此処で思い知った。

 アクサードがいい…全てを委ねるならアクサードがいい…


 アクサード………貴方がいい……


「………スロウ…耐えられそうに、無くなるから余り刺激してくれるな…」

 アクサードの息も荒い。

「耐えなくて…いいですか、ら…」

 スロウルは心から求めて止まないアクサードの首に腕を回し、自ら口付けをした。


「ふぅ、ん……!!…んぁ…あぅ!」

 耐えがたいと言うように息を吐き出して、スロウルの中から指を抜き、アクサードはスロウルの後ろに自分の昂りを当てがった…

 先程スロウルが放った精が滑りを良くし、ゆっくりとアクサードが中に入って行く。

「うぅ…っく……あっ…!」

 耐えようにも、進みゆく間にスロウルを刺激し続ける昂りに、スロウルの背は時折しなり、わななく。

「スロウ…スロウ…」

 ゆっくり、動きながら最奥に進むアクサードの熱、焼けつくような圧迫から逃れようと
浅く呼吸を繰り返すスロウル…

 宥めるように深く口付けを落として、グッと奥まで進み切る。

「はっ…はぁっ……はぅっ!」

 苦しい中で、スロウルはアクサードをひたすらに探す。名前を呼び、舌を絡め、濃紺の髪に指を絡めて…

「愛している…スロウル………」

 自分にアクサードを刻み付けるように、全てでアクサードを求め続けた。

 打ち付けてくるアクサードに応えるように、何度でも、何度でも………
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