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 昔から、そうだった。伊達に顔が良いだけで何か取り柄があるわけじゃないのに、なぜか色んな人が寄って来る。男でも、女でも…年齢だってバラバラで、その人の年齢で示される愛情表現だって色々で。はっきり言って、幼い頃の有都にとっては寄せられて来る好意が恐怖でしかなくなるのに、そんなに時間は掛からなかった。
 
 知らない大人の男女に寄って来られ、頭を撫でられるのならばまだ良い。それが顔や手や足や、徐々に身体のあちこちに移って来れば、幼い子供には理解なんてできるはずもないのだから…

 嫌で嫌で…顔を覗き込まれるのでさえ恐怖に代わっていたある日、有都は心の中で、消えろ、と叫んでいた。口に出すことは無かったけれど、自分を熱の篭った目で見て来る人の存在を消してしまいたいほど
疎ましく思ったのだ。

 その時からだ。人の目を見て心でそう思うだけで、目の前の人の心からは自分がいなくなると分かったのは。
 言われた人は、有都以外の何かを思い出した様に違う事をしだすのだ。食事中なら食事に戻り、通勤中ならバスを待つ。彼らの心には有都がいなかったかの様に日常に戻っていく。自分になんでそんな力があるのか知らないけれど、有都は身を守る為にこの力に飛びついた…!

 教室に入った所で寄ってくる生徒に朝の挨拶と同時に使う。休み時間や、昼食、移動教室、放課後、通学中や買い物中、習い事の時にまで目が合う人に使い続けていた。

 気がついたら有都の周りには親しい友達ばかりか、友達らしい友達もいない日々だ。でも、他人とのこの距離が安心感を生んで有都の心地良い居場所となっていた。

 なっていたのに…………


「あっ…やっ……やだっ…………」

 先輩の手から与えられる刺激は弱く強く有馬を翻弄していった。

 一人一人なら、その人の中から有都を消せたのに…!

 昼休みに静かなトイレを使おうと本校舎から離れた体育館にあるトイレに向かったのが悪かった。数人がかりで用具室に連れ込まれ、大した抵抗もできないままに下半身は曝け出された。
 携帯のシャッター音と、ゲラゲラ笑う生徒の声、時々本気で胸を弄りにくる手にパニックを起こして力を使うどころじゃ無かったのだ。
 有都を連れ込んだのはいつも複数でちょっかいをかけて来ていた先輩達で、毎日複数人で来るものだから有都も力を使おうにも億劫で仕方なくて…どうにか顔を合わせない様に気をつけていたはずなのに、結果がこれだった………無情にも衣類を剥ぎ取られた有都は、人生初のローターを入れられ写真を撮られて午後の授業の為に解放されたのだった。


 そのローターの入った後ろの後口を、今、グリグリと圧迫されている。

「やっ…ぁ…あっ……っぁ…」

 ローターは午後の授業が終わる前から振動しっぱなしだ…先ほど達した有都の身体もまだ敏感で、握られた前の刺激と後ろからの圧迫から逃れたくて、嫌々をしながら身を捩る。

「だぁめだってアリちゃ~ん…そんな事しても煽ってるだけだってわかんないかなぁ?」

「し…らなぁ……っ」

 有都の姿に興奮して来た先輩が自分の制服を脱ぎ捨て始める。
 
「え?なに?お前マジでやんの?」

「おぅ!アリちゃんならいける!」

「はは!すげぇ!良いよ、良い画像撮ってやるよ?」

「な~アリちゃん楽しもうな?」

 好き勝手な事を言いながら、抑えられている有都の上にのしかかって来た。

「う~わ、こいつマジだよ!やべ~~」

「良いじゃん、アリちゃん可愛いしさ。なぁ、本当にこの中の誰かとつきあわねぇ?」

 のしかかってくる先輩は遠慮も無く有都の身体に手を這わせる。

「やだ…!…やっ…ぁ……ぅ…」

 有都の胸の突起に遠慮も無く口を寄せて、色付くそこを思い切り吸い上げる。有都の中心はまだ握りしめられたまま緩い刺激が続いていてもどかしい程だ。

 
 でも、嫌だ…!気持ち良いとか、悪いとか……そんなんじゃ無くて、こんな奴らにいい様にされて…抵抗することもできなくて、まるで、処刑される前の動物みたいだ…


「はな……せっ……!」

「アリちゃんだめだよ…そんな可愛い顔で言われてもなぁ。」
 
 先輩の手は有都の後ろで、ローターを引っ張り出そうとしてる。

「ほら、力入れろよ?出て来なくなるぞ?人生初がローターと一緒で良いのかよ?」

 ずっと奥で感じている微振動…出せるものなら出してしまいたくて、有都は従順にその言葉に従った。

「いい子いい子…ほら、気持ちよかったろ?」

「くっ…ぅ…んぅ…」

 気持ち良いのか悪いのか…ただ刺激で身体が反応しているだけだって思いたい…

 出したと思ったら遠慮も無くそこに………

「やだ…やだっ!……なんで、俺ばっかり!!」

 何されるのか分かって有都は恐怖に顔を引き攣らせる。

 もう、本当に嫌だった…望んでもいないのに好意を押し付けられるのも、好意の裏側にこんなに暴力的な行為があることも…それを一つも望んでないのに、受け入れさせられるのも……全部、嫌だ!!

「嫌だ!!もう嫌だ!!…こんな所、消えちまえ!!!?」

 有都は確かにそう叫んでいた……






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