21 / 88
21
しおりを挟む
だからと言って、言われたままその衣装を着て、言われるまま最上級の生活をする事に何の魅力もない…
「だって、そんなに窮屈な事、したく無いんだもの!!」
「ルーチェリア様!!」
常に公爵家の令嬢であれ…ルーチェリアが生涯?貫き通してきた矜持を、つい溜まらず大声で破り捨ててしまった…
やっちゃった…!
ルーチェリアを呼び止めるアールストをその場に残し走り去る。
ごめん、ごめんね本物のルーチェリア!
走りながら心の中で何度も謝る。
「で?どちらに向かわれるのです?」
「きゃぁぁぁあ!!」
ビックリした!本当に心臓が止まるかと思った…!
おいてきたと思ったアールストがかなりのスピードで走っていると思われる自分の横にピッタリとくっついているのだからそりゃ驚きもするだろう。
「どうされました!?もしや、挫かれましたか?」
アールストに驚いて思わず叫び声を上げてしまったのに、当のアールストは全く見当違いな事を聞いてきた。
「ち、ちが…!なんで、貴方ここに!?」
「なぜ?私は聖女の護衛騎士です。常時であれば何時たりともお側を離れることさえ有り得ませんよ?それにご令嬢の御御足に追いつけない様な鍛え方はしておりませんよ?」
何それ!?迷惑すぎる!!それで持ってなんで嬉しそうにニコニコついて来てるのよ?
も、無理…………
「あ!!」
鍛え抜かれた騎士と病弱だったご令嬢…誰がみても体力差や運動能力差が天と地程あるって分かるはず…あっと思った時にはルーチェリアは体制を崩した後で、転ぶと思って目を瞑った瞬間に身体がフワッと浮いていた。
「……あれ?」
痛くない?
「ルーチェリア様、ご無事ですか?」
アールストの声がこれでもかと言うほど近くに感じる…?
「えぇぇ!?」
転ぶかと思った瞬間どうやらアールストに抱き止められてそのまま横抱きにされていたらしい…目を瞑っていたからと言ってそんな事全く気が付かせ無いほどにアールストは見事に受け止めてくれていたらしい。
「ちょ、ちょっと!アールストさん!」
「ルーチェリア様何度も言いますが私に敬称は要りませんよ?」
ニコニコと満足そうにルーチェリアをその腕に抱くアールストはそのまま歩を止めずにスタスタと歩き続ける。
「汚れますって!騎士様の衣装が~!」
見ただけでもしっかりした作りの物だとわかる騎士服を直今に触って更に確信を強める。
これ絶対オーダーメイドな奴ですよね?
抱き上げると同時にきっと神殿騎士の象徴とも言える真白な騎士服はドロドロに汚れているに違いない。
「だって、そんなに窮屈な事、したく無いんだもの!!」
「ルーチェリア様!!」
常に公爵家の令嬢であれ…ルーチェリアが生涯?貫き通してきた矜持を、つい溜まらず大声で破り捨ててしまった…
やっちゃった…!
ルーチェリアを呼び止めるアールストをその場に残し走り去る。
ごめん、ごめんね本物のルーチェリア!
走りながら心の中で何度も謝る。
「で?どちらに向かわれるのです?」
「きゃぁぁぁあ!!」
ビックリした!本当に心臓が止まるかと思った…!
おいてきたと思ったアールストがかなりのスピードで走っていると思われる自分の横にピッタリとくっついているのだからそりゃ驚きもするだろう。
「どうされました!?もしや、挫かれましたか?」
アールストに驚いて思わず叫び声を上げてしまったのに、当のアールストは全く見当違いな事を聞いてきた。
「ち、ちが…!なんで、貴方ここに!?」
「なぜ?私は聖女の護衛騎士です。常時であれば何時たりともお側を離れることさえ有り得ませんよ?それにご令嬢の御御足に追いつけない様な鍛え方はしておりませんよ?」
何それ!?迷惑すぎる!!それで持ってなんで嬉しそうにニコニコついて来てるのよ?
も、無理…………
「あ!!」
鍛え抜かれた騎士と病弱だったご令嬢…誰がみても体力差や運動能力差が天と地程あるって分かるはず…あっと思った時にはルーチェリアは体制を崩した後で、転ぶと思って目を瞑った瞬間に身体がフワッと浮いていた。
「……あれ?」
痛くない?
「ルーチェリア様、ご無事ですか?」
アールストの声がこれでもかと言うほど近くに感じる…?
「えぇぇ!?」
転ぶかと思った瞬間どうやらアールストに抱き止められてそのまま横抱きにされていたらしい…目を瞑っていたからと言ってそんな事全く気が付かせ無いほどにアールストは見事に受け止めてくれていたらしい。
「ちょ、ちょっと!アールストさん!」
「ルーチェリア様何度も言いますが私に敬称は要りませんよ?」
ニコニコと満足そうにルーチェリアをその腕に抱くアールストはそのまま歩を止めずにスタスタと歩き続ける。
「汚れますって!騎士様の衣装が~!」
見ただけでもしっかりした作りの物だとわかる騎士服を直今に触って更に確信を強める。
これ絶対オーダーメイドな奴ですよね?
抱き上げると同時にきっと神殿騎士の象徴とも言える真白な騎士服はドロドロに汚れているに違いない。
10
お気に入りに追加
74
あなたにおすすめの小説
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?
氷雨そら
恋愛
結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。
そしておそらく旦那様は理解した。
私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。
――――でも、それだって理由はある。
前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。
しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。
「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。
そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。
お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!
かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。
小説家になろうにも掲載しています。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
身に覚えがないのに断罪されるつもりはありません
おこめ
恋愛
シャーロット・ノックスは卒業記念パーティーで婚約者のエリオットに婚約破棄を言い渡される。
ゲームの世界に転生した悪役令嬢が婚約破棄後の断罪を回避するお話です。
さらっとハッピーエンド。
ぬるい設定なので生温かい目でお願いします。
もう長くは生きられないので好きに行動したら、大好きな公爵令息に溺愛されました
Karamimi
恋愛
伯爵令嬢のユリアは、8歳の時に両親を亡くして以降、叔父に引き取られたものの、厄介者として虐げられて生きてきた。さらにこの世界では命を削る魔法と言われている、治癒魔法も長年強要され続けてきた。
そのせいで体はボロボロ、髪も真っ白になり、老婆の様な見た目になってしまったユリア。家の外にも出してもらえず、メイド以下の生活を強いられてきた。まさに、この世の地獄を味わっているユリアだが、“どんな時でも笑顔を忘れないで”という亡き母の言葉を胸に、どんなに辛くても笑顔を絶やすことはない。
そんな辛い生活の中、15歳になったユリアは貴族学院に入学する日を心待ちにしていた。なぜなら、昔自分を助けてくれた公爵令息、ブラックに会えるからだ。
「どうせもう私は長くは生きられない。それなら、ブラック様との思い出を作りたい」
そんな思いで、意気揚々と貴族学院の入学式に向かったユリア。そこで久しぶりに、ブラックとの再会を果たした。相変わらず自分に優しくしてくれるブラックに、ユリアはどんどん惹かれていく。
かつての友人達とも再開し、楽しい学院生活をスタートさせたかのように見えたのだが…
※虐げられてきたユリアが、幸せを掴むまでのお話しです。
ザ・王道シンデレラストーリーが書きたくて書いてみました。
よろしくお願いしますm(__)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる