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13 ルシーの部屋
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「?????」
(ルシーったらこんなに強引だったかしら?)
グイグイとルシーに手を引かれては、カザラント子爵家二階へと上がっていく。ルシーの自室は日当たりが良く広々としているが華美ではなく、逆に余計な物が一切無い様なさっぱりとした部屋であった。部屋の中央にあるテーブルに幾つかの贈り物の箱が高々と積まれている。
「わぁ!凄い!これ全てサラが?」
サラータの手を引くルシーの目はキラキラと輝いていて幼いあの日を思い出す。あれをしよう!これをしよう!これはルシーに似合う!と、二人で楽しい事を見つけては喜んでいた時の瞳の輝きと一緒…
「そうなの。ルシーの気に入ると良いのだけど。」
嬉しそうにされれば、それだけサラータもくすぐったい様な気持ちになる。
「見ても良い?」
「勿論!」
居ても立っても居られない位、ソワソワとしてきたルシーが聞いて来た。
ホクホクと綺麗に包みを開け始めたルシーを見つつ、サラータはやっと部屋の中をくるっと見渡してみる。
(ここが、ルシーのお部屋…)
トラトを出てから、ずっとルシーはここで過ごして来たんだ。何故か感慨深げになってしまうけれども、何となくサラータは違和感を感じてもいた。
ルシーの部屋、と本人から言われれば否定のしようもないのだが、なんとはなしに、しっくりこないのだ。
ルシーと言えば、いつも明るいドレスを身に纏い、編み込みされた長い髪には色とりどりのリボンを毎日変えて、綺麗な物が大好きで荷卸された商品の色鮮やかな絹を二人していつまでも眺めていたものだった。だとしたら、もう少しだけでも華やかさがあっても良いのでは?華やかな家具が無いばかりか、レースのカーテンも色合いの良いベッドカバーも無い…何というか、殺風景……本当に余分な物など置く執拗が無いと割り切って置いていない部屋にしか見えなかった。
「サラ、どうかして?」
当の本人は実に嬉しそう。ニコニコとしながら外国の絹を分断に使った花のモチーフがついている大き目のツバが付いた帽子を手に取ってご満悦だ。
「いいえ…ここ、貴方の部屋なのよね?」
そう、殺風景…以前送った押し花の額はどうしたのだろう?前回送った我が家の庭の刺繍入りのハンカチは?どれも嬉しくて自室に飾ったと手紙には書いてあったけど…………
「ええ、そうよ?どうかした?」
「う……ん……」
キョロキョロとしているサラータの気持ちがわかったのか、ルシーは大きく肯いた。
「あぁ!この部屋があまりにも殺風景?」
「え…?そうは、思わないけれど…もっとこう、華やかなのが好きだと思っていたから…」
(結婚のお祝いもそんな感じで少し華やかなのを選んじゃったし…もしかしたら、趣味じゃなかったかも…?)
「フフフ、サラの贈り物はここには無いしね?」
「…う………」
「ここはね、別邸みたいな所なの。」
「そうなの?」
「そうなの!本宅は他にあるわ。ここには息抜きに来ている様なものだから。サラの様に気兼ねない大切なお友達と会ったりね?」
ホッとした。多分、顔にも出ていたと思う。別邸を持っている貴族なんてざらにいるからここが本宅では無いということなんて、もうサラータには関係がなかった。ルシーに気兼ね無い大切な友達と言われた事が、自分でも信じられない程サラータには嬉しかったのだ。
(ルシーったらこんなに強引だったかしら?)
グイグイとルシーに手を引かれては、カザラント子爵家二階へと上がっていく。ルシーの自室は日当たりが良く広々としているが華美ではなく、逆に余計な物が一切無い様なさっぱりとした部屋であった。部屋の中央にあるテーブルに幾つかの贈り物の箱が高々と積まれている。
「わぁ!凄い!これ全てサラが?」
サラータの手を引くルシーの目はキラキラと輝いていて幼いあの日を思い出す。あれをしよう!これをしよう!これはルシーに似合う!と、二人で楽しい事を見つけては喜んでいた時の瞳の輝きと一緒…
「そうなの。ルシーの気に入ると良いのだけど。」
嬉しそうにされれば、それだけサラータもくすぐったい様な気持ちになる。
「見ても良い?」
「勿論!」
居ても立っても居られない位、ソワソワとしてきたルシーが聞いて来た。
ホクホクと綺麗に包みを開け始めたルシーを見つつ、サラータはやっと部屋の中をくるっと見渡してみる。
(ここが、ルシーのお部屋…)
トラトを出てから、ずっとルシーはここで過ごして来たんだ。何故か感慨深げになってしまうけれども、何となくサラータは違和感を感じてもいた。
ルシーの部屋、と本人から言われれば否定のしようもないのだが、なんとはなしに、しっくりこないのだ。
ルシーと言えば、いつも明るいドレスを身に纏い、編み込みされた長い髪には色とりどりのリボンを毎日変えて、綺麗な物が大好きで荷卸された商品の色鮮やかな絹を二人していつまでも眺めていたものだった。だとしたら、もう少しだけでも華やかさがあっても良いのでは?華やかな家具が無いばかりか、レースのカーテンも色合いの良いベッドカバーも無い…何というか、殺風景……本当に余分な物など置く執拗が無いと割り切って置いていない部屋にしか見えなかった。
「サラ、どうかして?」
当の本人は実に嬉しそう。ニコニコとしながら外国の絹を分断に使った花のモチーフがついている大き目のツバが付いた帽子を手に取ってご満悦だ。
「いいえ…ここ、貴方の部屋なのよね?」
そう、殺風景…以前送った押し花の額はどうしたのだろう?前回送った我が家の庭の刺繍入りのハンカチは?どれも嬉しくて自室に飾ったと手紙には書いてあったけど…………
「ええ、そうよ?どうかした?」
「う……ん……」
キョロキョロとしているサラータの気持ちがわかったのか、ルシーは大きく肯いた。
「あぁ!この部屋があまりにも殺風景?」
「え…?そうは、思わないけれど…もっとこう、華やかなのが好きだと思っていたから…」
(結婚のお祝いもそんな感じで少し華やかなのを選んじゃったし…もしかしたら、趣味じゃなかったかも…?)
「フフフ、サラの贈り物はここには無いしね?」
「…う………」
「ここはね、別邸みたいな所なの。」
「そうなの?」
「そうなの!本宅は他にあるわ。ここには息抜きに来ている様なものだから。サラの様に気兼ねない大切なお友達と会ったりね?」
ホッとした。多分、顔にも出ていたと思う。別邸を持っている貴族なんてざらにいるからここが本宅では無いということなんて、もうサラータには関係がなかった。ルシーに気兼ね無い大切な友達と言われた事が、自分でも信じられない程サラータには嬉しかったのだ。
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