42 / 50
42 お見合いパーティー
しおりを挟む
「え~~本当にいいの?まりちゃん?俺らも行っちゃって…」
急遽土曜日当日に連絡を入れたにしては反応もよく誘いに乗って来たαの二人…
「こちらこそ~急ですみませんでした。ご予定大丈夫でしたか?」
「いやいや、俺らはいつでも暇してるからさ~良いんだけど、ここって会員制じゃないの?」
見せられた案内には、しっかりとしたオフホワイトの厚紙に金文字でInvitationの文字が輝いている。
「えっと、そうみたいなんですけど、あの…私がいっている学校の子から貰ったんですけど、何やら来る予定のαの人が来れなくなったとかで。」
「あれ?まりちゃんって高校生だっけ?」
「そうです!同級生の子で凄いお家がお金持ちで、こういうご招待をよくもらうんですって!」
「へぇ~~?まりちゃんもよく行くの?」
「いえいえ!私も今回初めてです。なんでも急に欠員が出てしまったって昨日言われて…知り合いにαの人がいないかって聞かれちゃって…」
「ふ~ん?」
「私、Ωの友達ならいるんですけど、αの方ってあまりお近付きになった事がなくって…思い浮かぶのがお二人だけでして…やっぱり迷惑でしたか?」
しょぼんと見た目でも、しゅんとしてしまったまり。
「あ~いやいや!ごめんって!迷惑なんじゃないよな?」
「そうそう!ただ俺らもこんなところ初めてだから行っちゃって良いものかどうか迷っちゃって?どう思います?」
思いがけず、テンパっているのかまりの護衛にも意見を求める始末…まりの横には先日と同じ様な片耳イヤホンにサングラスの護衛が二人付き従っていた。
「いえ、私達はただの護衛ですので…雇い主の方の行動にとやかく言える立場では………」
「はぁぁぁ~ですよねぇ?どうする?」
「ん~~まりちゃんは出席って言っちゃった?」
「あ、はい。あちらで友人も待っていますし、でもやっぱり心細くて顔見知りのαのお二人がいてくれたら心強いなと…」
「なるほど。一人だとちょっと怖いんだ?」
「そうなんです…」
「ま、俺らだってこれ見せられたら少しびびるよな?Ωの子だったら怖がるのも無理ないっしょ?」
「へへ…本当は逃げ出したいくらい緊張してますよ~」
「あはは…まりちゃんかわいーなーで、俺らはどうする?」
「そこまで頼られちゃったら行くしかないんじゃない?」
「急遽飛び入りで二人大丈夫なの?」
「はい。三人欠員が出たって聞きましたけど、大丈夫だと思います。何人でも良いから声かけてみてって言われましたから。」
「なんか知らんがそのご招待側は太っ腹だねぇ?」
「そうみたいですね?」
「分かった!じゃあ、まりちゃんを応援する傍ら俺らも参加させてもらうよ!」
「わ!ありがとうございます!友達に連絡だけ入れますね!」
まりは何やら携帯をいじってメールを送る。
「ね、まりちゃんのお友達もΩの子?」
「あ、はい。そうです。ご両親から早く番を見つけろってこういう所に送り込まれるんだとかボヤいてました。」
「あはは。Ωの子も大変なんだね~」
「周りから言われちゃうと逃げられなくなりますね。」
「どこも同じなんだな。そういう所…」
「そうですね~あ、そうだ!今更ですけどお二人のことはなんてお呼びすれば?」
「あ、俺は翔でこっちのチャラい方は剛毅。」
「おい、俺そんなにチャラいかよ?」
「チャラいチャラい!」
「よろしくお願いしますね。翔さんに剛毅さん!」
二人を伴ってまりはホテルロビーへ入って行く。案内状には紫雲の間とあった…受付に案内状と紹介状なる物を渡して出席者の確認後会場に入った。
「うわ…」
「すげっ…」
もうこの時点で、αの二人は逃げ腰…まりも公式のこんな場所には来たことがないため、一瞬目が点になっている。
「ね、まりちゃんのお友達って?」
こそっと護衛の目を気にしながら剛毅が小さな声で聞いて来た。
「えぇっと、もうこの会場にいるって言ってたから…」
いた、目印はシフォンのワンピース…
「あの子だわ!詩織ちゃん!」
まりが軽く手を振れば、詩織と呼ばれたロングヘアーの、緩やかなシフォンのワンピースを来た子がにこやかに手を振り返した。
「うゎっあの子もレベル高ぇ……」
「いかにもお嬢様って感じの子だね?」
「そうなの。詩織ちゃんのお家すごいから……」
少しだけ小走りになって詩織はまりの元へと近付いて来る。
「まりちゃんいらっしゃい!場所はすぐに分かった?」
「うん、案内状見やすかったわ。」
「良かった。こんにちは、こちらの方達が?」
「そうなの、先程言っていたαの翔さんに剛毅さん。」
「こんにちは…突然に押し掛けちゃって大丈夫だったかな?」
「すごいね…ここの集まり、ちょっとびっくりしてる……」
「大丈夫ですよ?αの方が今日は少なくて、あちらにいらっしゃる男の方達だけαの方ですが後は皆さんΩの方です。ご自由にお話ししてくださってかまいませんわ。飲み物もフリードリンクですのでお好きなものをどうぞ。」
にこやかな笑顔で会場内の説明をしてくれて、二人共どことなくホッとした様な表情を見せる。
「では、会場内のアナウンスがあるまでもう少しごゆっくりなさっていてくださいね?少しまりちゃんをお借りしても?」
「あぁ、コイツと一緒に会場をぐるっとして来るよ。」
「わかりました。お楽しみくださいね。」
αの二人は会場の雰囲気を堪能しようとフラフラとまりから離れていった…
急遽土曜日当日に連絡を入れたにしては反応もよく誘いに乗って来たαの二人…
「こちらこそ~急ですみませんでした。ご予定大丈夫でしたか?」
「いやいや、俺らはいつでも暇してるからさ~良いんだけど、ここって会員制じゃないの?」
見せられた案内には、しっかりとしたオフホワイトの厚紙に金文字でInvitationの文字が輝いている。
「えっと、そうみたいなんですけど、あの…私がいっている学校の子から貰ったんですけど、何やら来る予定のαの人が来れなくなったとかで。」
「あれ?まりちゃんって高校生だっけ?」
「そうです!同級生の子で凄いお家がお金持ちで、こういうご招待をよくもらうんですって!」
「へぇ~~?まりちゃんもよく行くの?」
「いえいえ!私も今回初めてです。なんでも急に欠員が出てしまったって昨日言われて…知り合いにαの人がいないかって聞かれちゃって…」
「ふ~ん?」
「私、Ωの友達ならいるんですけど、αの方ってあまりお近付きになった事がなくって…思い浮かぶのがお二人だけでして…やっぱり迷惑でしたか?」
しょぼんと見た目でも、しゅんとしてしまったまり。
「あ~いやいや!ごめんって!迷惑なんじゃないよな?」
「そうそう!ただ俺らもこんなところ初めてだから行っちゃって良いものかどうか迷っちゃって?どう思います?」
思いがけず、テンパっているのかまりの護衛にも意見を求める始末…まりの横には先日と同じ様な片耳イヤホンにサングラスの護衛が二人付き従っていた。
「いえ、私達はただの護衛ですので…雇い主の方の行動にとやかく言える立場では………」
「はぁぁぁ~ですよねぇ?どうする?」
「ん~~まりちゃんは出席って言っちゃった?」
「あ、はい。あちらで友人も待っていますし、でもやっぱり心細くて顔見知りのαのお二人がいてくれたら心強いなと…」
「なるほど。一人だとちょっと怖いんだ?」
「そうなんです…」
「ま、俺らだってこれ見せられたら少しびびるよな?Ωの子だったら怖がるのも無理ないっしょ?」
「へへ…本当は逃げ出したいくらい緊張してますよ~」
「あはは…まりちゃんかわいーなーで、俺らはどうする?」
「そこまで頼られちゃったら行くしかないんじゃない?」
「急遽飛び入りで二人大丈夫なの?」
「はい。三人欠員が出たって聞きましたけど、大丈夫だと思います。何人でも良いから声かけてみてって言われましたから。」
「なんか知らんがそのご招待側は太っ腹だねぇ?」
「そうみたいですね?」
「分かった!じゃあ、まりちゃんを応援する傍ら俺らも参加させてもらうよ!」
「わ!ありがとうございます!友達に連絡だけ入れますね!」
まりは何やら携帯をいじってメールを送る。
「ね、まりちゃんのお友達もΩの子?」
「あ、はい。そうです。ご両親から早く番を見つけろってこういう所に送り込まれるんだとかボヤいてました。」
「あはは。Ωの子も大変なんだね~」
「周りから言われちゃうと逃げられなくなりますね。」
「どこも同じなんだな。そういう所…」
「そうですね~あ、そうだ!今更ですけどお二人のことはなんてお呼びすれば?」
「あ、俺は翔でこっちのチャラい方は剛毅。」
「おい、俺そんなにチャラいかよ?」
「チャラいチャラい!」
「よろしくお願いしますね。翔さんに剛毅さん!」
二人を伴ってまりはホテルロビーへ入って行く。案内状には紫雲の間とあった…受付に案内状と紹介状なる物を渡して出席者の確認後会場に入った。
「うわ…」
「すげっ…」
もうこの時点で、αの二人は逃げ腰…まりも公式のこんな場所には来たことがないため、一瞬目が点になっている。
「ね、まりちゃんのお友達って?」
こそっと護衛の目を気にしながら剛毅が小さな声で聞いて来た。
「えぇっと、もうこの会場にいるって言ってたから…」
いた、目印はシフォンのワンピース…
「あの子だわ!詩織ちゃん!」
まりが軽く手を振れば、詩織と呼ばれたロングヘアーの、緩やかなシフォンのワンピースを来た子がにこやかに手を振り返した。
「うゎっあの子もレベル高ぇ……」
「いかにもお嬢様って感じの子だね?」
「そうなの。詩織ちゃんのお家すごいから……」
少しだけ小走りになって詩織はまりの元へと近付いて来る。
「まりちゃんいらっしゃい!場所はすぐに分かった?」
「うん、案内状見やすかったわ。」
「良かった。こんにちは、こちらの方達が?」
「そうなの、先程言っていたαの翔さんに剛毅さん。」
「こんにちは…突然に押し掛けちゃって大丈夫だったかな?」
「すごいね…ここの集まり、ちょっとびっくりしてる……」
「大丈夫ですよ?αの方が今日は少なくて、あちらにいらっしゃる男の方達だけαの方ですが後は皆さんΩの方です。ご自由にお話ししてくださってかまいませんわ。飲み物もフリードリンクですのでお好きなものをどうぞ。」
にこやかな笑顔で会場内の説明をしてくれて、二人共どことなくホッとした様な表情を見せる。
「では、会場内のアナウンスがあるまでもう少しごゆっくりなさっていてくださいね?少しまりちゃんをお借りしても?」
「あぁ、コイツと一緒に会場をぐるっとして来るよ。」
「わかりました。お楽しみくださいね。」
αの二人は会場の雰囲気を堪能しようとフラフラとまりから離れていった…
0
お気に入りに追加
128
あなたにおすすめの小説
双子攻略が難解すぎてもうやりたくない
はー
BL
※監禁、調教、ストーカーなどの表現があります。
22歳で死んでしまった俺はどうやら乙女ゲームの世界にストーカーとして転生したらしい。
脱ストーカーして少し遠くから傍観していたはずなのにこの双子は何で絡んでくるんだ!!
ストーカーされてた双子×ストーカー辞めたストーカー(転生者)の話
⭐︎登場人物⭐︎
元ストーカーくん(転生者)佐藤翔
主人公 一宮桜
攻略対象1 東雲春馬
攻略対象2 早乙女夏樹
攻略対象3 如月雪成(双子兄)
攻略対象4 如月雪 (双子弟)
元ストーカーくんの兄 佐藤明
宰相閣下の執愛は、平民の俺だけに向いている
飛鷹
BL
旧題:平民のはずの俺が、規格外の獣人に絡め取られて番になるまでの話
アホな貴族の両親から生まれた『俺』。色々あって、俺の身分は平民だけど、まぁそんな人生も悪くない。
無事に成長して、仕事に就くこともできたのに。
ここ最近、夢に魘されている。もう一ヶ月もの間、毎晩毎晩………。
朝起きたときには忘れてしまっている夢に疲弊している平民『レイ』と、彼を手に入れたくてウズウズしている獣人のお話。
連載の形にしていますが、攻め視点もUPするためなので、多分全2〜3話で完結予定です。
※6/20追記。
少しレイの過去と気持ちを追加したくて、『連載中』に戻しました。
今迄のお話で完結はしています。なので以降はレイの心情深堀の形となりますので、章を分けて表示します。
1話目はちょっと暗めですが………。
宜しかったらお付き合い下さいませ。
多分、10話前後で終わる予定。軽く読めるように、私としては1話ずつを短めにしております。
ストックが切れるまで、毎日更新予定です。
俺の義兄弟が凄いんだが
kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・
初投稿です。感想などお待ちしています。
愛されなかった俺の転生先は激重執着ヤンデレ兄達のもと
糖 溺病
BL
目が覚めると、そこは異世界。
前世で何度も夢に見た異世界生活、今度こそエンジョイしてみせる!ってあれ?なんか俺、転生早々監禁されてね!?
「俺は異世界でエンジョイライフを送るんだぁー!」
激重執着ヤンデレ兄達にトロトロのベタベタに溺愛されるファンタジー物語。
注※微エロ、エロエロ
・初めはそんなエロくないです。
・初心者注意
・ちょいちょい細かな訂正入ります。
悪役令嬢の兄です、ヒロインはそちらです!こっちに来ないで下さい
たなぱ
BL
生前、社畜だったおれの部屋に入り浸り、男のおれに乙女ゲームの素晴らしさを延々と語り、仮眠をしたいおれに見せ続けてきた妹がいた
人間、毎日毎日見せられたら嫌でも内容もキャラクターも覚えるんだよ
そう、例えば…今、おれの目の前にいる赤い髪の美少女…この子がこのゲームの悪役令嬢となる存在…その幼少期の姿だ
そしておれは…文字としてチラッと出た悪役令嬢の行いの果に一家諸共断罪された兄
ナレーションに
『悪役令嬢の兄もまた死に絶えました』
その一言で説明を片付けられ、それしか登場しない存在…そんな悪役令嬢の兄に転生してしまったのだ
社畜に優しくない転生先でおれはどう生きていくのだろう
腹黒?攻略対象×悪役令嬢の兄
暫くはほのぼのします
最終的には固定カプになります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる