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20 挙動不振だった様です
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更に念の為、念の為と思いながら何周もフラフラと歩いている私はすっかりおかしな行動に映ったに違いなくって、納屋に様子を見に出てきたサラにあえなく捕まってしまった。
「母さんってば!納屋に行ったんじゃなかったの?」
まさか!ずっと歩き続けてたの?と、朝露に濡れて草や土に汚れている私の足元を見て驚いていた。
「サラ、誰かが手紙を置いて行ったのよ?」
「は?手紙?どれ?こんな所に来たことなかったでしょ?」
そうなのだ。今まで一度も家に手紙など届いた事はない…
「どれ?どれ?見せて?」
慌てた様なサラに、さっき拾った紙を見せる。
「………これ?」
サラの反応。何これ?
呆れとも、拍子抜けとも言える様な表情だった。
「何これって?書いてあるでしょ?その紙にインクで!ラッキービーナ、って!」
サラは何とも言えない様な顔になってしまって…何となくそれ以上強く言えなくなっちゃった…
「……何にも、何にも書いてないよ?」
サラの声が、労わるような、心配するような小さな声になる…
「!!うっっっそーーーー!!?」
見えない?サラには見えないの?何で?なんで?なんで~~~~!?
なんでサラには見えないの~~~?
私一人が変になった?もしかして、若返ったと言うのも頭の中の妄想で、本当は皆んなからは可哀想な目で見られていたの?体を動かした感じも、身体を触った感じも全く今までとちがうのに?
一人、奈落の底に落とされた気分になる…
「ラ、ラントは私にただ話を合わせてくれていただけなのかしら?」
ヨロヨロ、フラフラしながらサラに支えられて家の中に入れば、椅子に座って頭を抱え込んでしまったわ。
「父さん?特に何も言っていなかったわ?私達に見えない物があっても不思議じゃないと思うんだけど……今日のはびっくりしたわ。」
「え?不思議じゃないの?」
「だって、母さん森に入れないじゃない?誰かが止めるって。」
「そうね。そうなっちゃうわね。」
「そんなのを小さい頃から聞いてたから、母さんにしか見えないものがあるって言われてもこの世の終わりかとも言える様な驚き方はしないわよ?」
「そ、う?そう言うもの?」
「うん…多分?」
なんだ、良かった。本気で私がおかしくなっちゃったかと思った。
「母さんってば!納屋に行ったんじゃなかったの?」
まさか!ずっと歩き続けてたの?と、朝露に濡れて草や土に汚れている私の足元を見て驚いていた。
「サラ、誰かが手紙を置いて行ったのよ?」
「は?手紙?どれ?こんな所に来たことなかったでしょ?」
そうなのだ。今まで一度も家に手紙など届いた事はない…
「どれ?どれ?見せて?」
慌てた様なサラに、さっき拾った紙を見せる。
「………これ?」
サラの反応。何これ?
呆れとも、拍子抜けとも言える様な表情だった。
「何これって?書いてあるでしょ?その紙にインクで!ラッキービーナ、って!」
サラは何とも言えない様な顔になってしまって…何となくそれ以上強く言えなくなっちゃった…
「……何にも、何にも書いてないよ?」
サラの声が、労わるような、心配するような小さな声になる…
「!!うっっっそーーーー!!?」
見えない?サラには見えないの?何で?なんで?なんで~~~~!?
なんでサラには見えないの~~~?
私一人が変になった?もしかして、若返ったと言うのも頭の中の妄想で、本当は皆んなからは可哀想な目で見られていたの?体を動かした感じも、身体を触った感じも全く今までとちがうのに?
一人、奈落の底に落とされた気分になる…
「ラ、ラントは私にただ話を合わせてくれていただけなのかしら?」
ヨロヨロ、フラフラしながらサラに支えられて家の中に入れば、椅子に座って頭を抱え込んでしまったわ。
「父さん?特に何も言っていなかったわ?私達に見えない物があっても不思議じゃないと思うんだけど……今日のはびっくりしたわ。」
「え?不思議じゃないの?」
「だって、母さん森に入れないじゃない?誰かが止めるって。」
「そうね。そうなっちゃうわね。」
「そんなのを小さい頃から聞いてたから、母さんにしか見えないものがあるって言われてもこの世の終わりかとも言える様な驚き方はしないわよ?」
「そ、う?そう言うもの?」
「うん…多分?」
なんだ、良かった。本気で私がおかしくなっちゃったかと思った。
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