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15 それは無いでしょう?2

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「メランダ!!!」

 ……メランダ!?またまた知らない名前?…
 
 名前を呼ぶと同時に、全力疾走をしだしたこの男性にあっという間に!!!

「な、な、な、な、な、」

 これ以上の言葉なんて出てきやしなかったわ。

「メランダ!!会いたかったよ!僕のこと、忘れてしまったなんて言わないよね?」

 ……忘れたも何も、あなたの事は存じ上げていません~~~~!…

 離してもらおうにも、力の差が歴然としてて振り解けない!!大の男の力に勝とうなんてそもそも一女性ならば無理な話だけど!それよりも!それよりも!!見知らぬ女性にいきなり抱きつくってなんて事しているのか、この人は!!

「ああ!メランダ!!もう会ってくれるとは思わなかったんだよ!」

 ……離してください!!私には愛する夫が!子供達がいるのよ!…

「怒っているんだろう?あぁ……あんな事をしたんだ…君が怒っていても仕方ないんだよ…」

 ……怒ってません!怒ってませんから!離してくださいませ!…

「あぁ、メランダの匂いだ…懐かしい……」

 ……ぎゃぁぁぁぁぁあ!!やめてぇぇ~!そ、そう言えば、埃!埃かぶってたから~~~!!…

「どうして、君を離してしまったんだろう?僕は、本当にどうかしてたんだ…」

 ……どうでも良いけど、人の話を聞いてくださる?…

「子供ができない事を本当に悩んでいた君に…僕は……」

 ……あら?あらあら、まぁ…メランダさんお悩みだったのね?…

「は、母の、母の口車に乗って、君が居るのにアリーを…僕はアリーを!」

 ……アリーさん?と何かあったの?…

「子供を作る為とは言っても、君に黙って…外で会ってたのは悪かったと思ってる…」

 ……ぇえぇ~~浮気…?…

「アリーに子供が出来たらできたで、君を責め立ててしまったのも……」

 ……え?クズじゃん?…

「アリーを家に迎えた後も、君を下働きみたいにこき使うアリーを止めなかったのも…」

 ……うわっ…最低~~メランダさんかわいそう過ぎ…

「…病気になった君を、泣いて縋っていたのに追い出すみたいに実家に帰した事も…」

 ……ちょっと?こいつに、触られてるってだけで今、虫唾が走るんだけど?…

 メランダさんじゃ無くてもこれは無いわ!こんな人が居るってだけで信っじられない!

「メランダ、君に謝りたかった…本当は君の事が好きだったのに…君が生きているうちに
ちゃんと謝りたかったのに……」

 ……えぇ!メランダさん亡くなってるの?やり切れないわ…同じ女としてこんなのやり切れないわ…

「でも、待っていてくれたんだね?今日、君に会えて良かったよ、メランダ…」

 ……ちょっと待って!メランダさん亡くなってるんでしょ?なんで会えたって?ここで?え?!今、あなたが腕に抱きしめてるのは、メランダさんじゃ無いわよ?良い加減にしてよね?!…

 ふつふつと怒りが湧き出してくる。都合いいようにされた挙句に謝るだけでゆるしてもらおうなんて、

「いい加減にしてよね!!」
 腹の底から声が出た!と思うくらいの大きな声と共に、抱きついて話さなかった男を突き飛ばした!

 ……うぉ!こんな力あった?私?それにこの声誰?…

「メランダ!!」

 ……メランダァ?!…

「謝れば済むと思ってる様だけど、そんな事あるわけないでしょうーー!」
 
 渾身の力でメランダの拳が突き飛ばされた男の顔面にめり込む!

「都合の良い様に使われて来た者の恨みを思い知れ!」

 それからメランダの気が済むまで制裁は続いた………
 
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