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12 ラッキービーナはここにいる?

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 納屋から出した袋の中には、何となく見覚えのあるような物がある。

「手紙……?」

 インクも掠れても薄れても無いからまだ新しいのが分かる。差し出し人は…知らない名前だわ?誰の物かもわからない手紙を読んでも良いのかちょっと迷ったけど、我が家から出てきた物だの。いいでしょ。その殆どが手紙のように長々と書かれているものじゃ無かった。メモみたい?一文で終わるような物…
中には古い時代の紙もあって色が変色してたりもする。でも、文面がみんな同じなの…

"お願いします、ラッキービーナ~~~に
           合わせて下さい"

 中には~~とは~~があってどうしても会いたいって言う、説明みたいな事も書いてあったけど、ほぼ全ての紙には誰かに合わせて下さいが書かれているの。
  
 ラッキービーナに人に合わせろって頼んでいる?そしてここにこのメモが多量にあるって事は…やっぱりラッキービーナはここに居る?いえ、私の先祖のラッキービーナだった?その人に向けた物なの?

 それにしては、紙の新旧に差がありすぎてかなりの時代に渡って残されてきた物だと思うのだ…

 ラント……ラントは何か知らないかしら?
いえ、ラントってお婿に来てくれたのよ……この家を受けて継いで来たのは私だし、こんな古い物、ラントが知っているとは思えないわ……
 他に…手掛かりになりそうな物!?メモが飛ばないように急いでまとめ上げて袋に閉まってから、再度魔窟に挑むわよ!

 小脇に包み、片手にハタキを持って!

 ここに居る、居た?誰かに当てて書かれていた物である事は間違えないと思うの。誰かの手記や、日記がないかしら?

 いざ!求めるのは手記、日記!!

 けれど、雑多な物が細々と多すぎて、あれ?これ何かな?なんて事やってたら今日という日が終わってました……
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