三日坊主の幸せごっこ

月澄狸

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甘い汁吸って不器用貧乏

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「甘いんだよ!」みたいな言葉を聞くとギョッとすることが多い。それは大抵、私のような社会不適合者に向けて言われてきた言葉であろうと思われるからか。


 でもこないだテレビで、カスハラ……カスタマーハラスメント? について、コメンテーターだか専門家の人だかが言っていた「店員と客は対等なのに、店(企業?)が客を甘やかしてきたからこうなった」みたいな意見には「そうだそうだ」と思った。

 私は上下関係嫌い。良いイメージがない。「上がこうだと言ったらこうだ!」みたいな。で、「お客様は神様」「お客様が上」「お客様には丁寧に」みたいな風潮も好かない。

 最近よく行くお店の店員さんが友達みたいに喋りかけてくださるので、そういうのが嬉しい。緊張するけど。

 店員と客は対等。そうだと思う。あんまり無愛想で、愚痴言ってたり雰囲気悪いと、流石にモヤモヤするけど、それは職場の関係でも一緒だし、店員云々じゃなく人間関係の問題、かな。


 そんなこんなで、「甘い」という言葉は良い意味では使われず、大抵批判的。
「優しい」と「甘い」、「頼る」と「依存」あたりは曖昧そう。良く言えばこっち、悪く言えばあっち、または見方や価値観やイメージによっても変わるか。



 現在私は職場で甘やかされている。
 というか私のような者の場合、まわりは「許す」か「許さない」の選択肢しかない気がするので……。多くの人から許されつつ、ゆっくりと進歩を促されている感じがする。

 私の仕事が不器用で遅いから、上司の人が懇切丁寧に教えてくださる。で、師匠(先輩)は、「上司の人に何か言われたんか? 月澄狸さんは十分頑張ってくれてるんだから、そんなん言わんでええのになぁ」と慰めてくださる。実に甘やかされている。

 っていうかキツいこと言われるとビクビクオドオドしてコミュニケーション取れなくなるし、「急いで」と言われると焦って逆に物を壊したりするし、甘やかす以外の選択肢がないのかもしれない。
 こちらも、怯えたり焦ったりしてもロクなことがなかったので、自分のペースを死守しようとする。

 どうせミスがあればやり直しだし、備品(?)とか、施設内の壁とかを破壊すれば厄介なことになるのだ。
 焦ると物をなくしたり、ミスが増えたりもする。無理をしても能力以上の力は出せないと悟った。よそはよそ、うちはうち。


 こんなんなので、人の陰口言ってる人からは逃げる。最低限の会話しかしない。

「新人さん、ミス多いし、一つ仕上げるのに一時間以上かかるんですよ」と先輩が言っているのが聞こえたが、すみません、私もう新人じゃないけど、私の方がその新人さんより時間かかります。
 ……厳しい人からは逃げ回るしかない。

 優しい人はとことん優しい。「焦らず月澄狸さんのペースで」と。こちらもそれ以外やりようがないので、自分のペースで頑張る。


 実はどう思われているか? なんて、今気にしてもしょうがない。気になるなら早くすればいい。

「できない」「遅い」「不器用」
 自分でそう思い込んでいるだけ。やればできる。
 ……ってその理屈なら、みんなスポーツ選手にでも歌手にでも、本気出せばなれる、夢叶わないのは本気が足りないからだって話になるけど。


 いや、やっぱり能力というのはあると思う……。絵が好きで描いてたって、全員、思うように描けるようになるとは限らないし、かと思えば、あれもこれも上手にやる人もいる。歌も演技も絵も上手く、本も出している人とか。


「しょうがないよね」って言ったら「甘えだ」とイラつかれるのだろう。それでもしょうがない。甘やかしてくださる人に尻尾振って忠誠を誓う。


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