三日坊主の幸せごっこ

月澄狸

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アンチ上下関係

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 以前から上下関係という概念があまり好きじゃなかった。自分自身が誰よりも上でありたいからだ。
 ……それは冗談だが、わりと事実なのかも。誰も崇めたくない。私にとって私の立場が世界で一番上だ。そこに社会的価値は関係ない。

 子どもの性被害について検索していて、「子どもは『大人の言うことを聞かなきゃいけない』『大人は正しい』と思っているので抵抗できないことがある」みたいな説があり、なんか納得してしまった。私が性被害に遭ったとき逆らえなかったのも、「大人は正しいはず」という思い込みから、対応が遅れたのかもしれない。
 まぁ正しかろうが間違っていようが、そもそも子どもが大人に逆らうなんて難しいことだと思うけど。私の性被害について「隙を見せたお前が悪い」と言ったヤツら、それっぽい世間の風潮、一生恨んでやる(「許し」はどうした)。

「大人・年上の言うことを聞かなきゃいけない」というのも上下関係の原型だと思う。が、人間性は年齢なんかじゃ計れない。年齢に関わらず、世の中最低な人もいる。そんなのみんな知っていることだ。なのに相変わらず、上座がどうの下座がどうの。人として誠に立派な人が、上がどう下がどうとか小さいことにこだわるか?

 思うに上下関係への鬱憤から、「親ガチャ」とか「老害」とかいう言葉が流行っているんじゃなかろうか。けれど、何もかもいっしょくたに恨むのはいただけない。特に、お年寄りに怒りをぶつけるなんて間違っている。
 私が逆らいたいのは上下関係だ。子どもでも筋の通った人や個性的な人は尊敬するし(子どもと接点ないけど)、大人でも短所はいっぱいある。

 人間は環境破壊も差別もいっぱいしてきた。男尊女卑の時代にも、それが正しいと思い込んで「ハイハイ」と永遠に従っていたら、そのまま進展しなかったことだろう。反逆しなければならないのだ。
 ジャニーズの件も、ヒエラルキー云々の問題がたくさん絡んでいるのだろう。「上に従う」という風潮を叩き潰さねばなるまい。戦うのだ。

 と、上下関係といっても……。私は子どもの頃に年下からもいじめられていた。ザコすぎるのだ。
 前職では後輩さんからも「それはこうじゃないですか」とツッコまれまくっていた。

 今一応丁寧にみんなから対応してもらっているのは、上下関係の秩序が効いているおかげではなかろうか。上下関係がなければもっとナメられまくり、責められまくりの人生かもしれない。

 そして私みたいな小物が上の年齢になったときに、立場を守ろうと、仕事の出来云々ではなく上下関係を振りかざすのかもしれない。
 すると上下関係がどうとかほざくのは、自分の実力では信頼を勝ち取れない悲しい者たちなのかも……。


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