129 / 400
全否定の最上級は全肯定
しおりを挟む
「そうじゃないよ」
「そうじゃないよ」
誰かの声が付きまとう
誰だ?
世間か
幻聴か
「そうじゃないよ」
「そうじゃないよ」
私の一挙手一投足
邪魔をする気か
否定する気か
忌々しい
「そうじゃないよ」
「そうじゃないよ」
リアルな生活では
そこそこおとなしく振る舞いつつ
内に怒りを溜めた
何もかもが気に食わない
一体何なんだ
どいつもこいつも
世界は薄暗く汚れていて
ちらつく影は見苦しいものばかり
「そうじゃないよ」
「そうじゃないよ」
いい加減にしろ!
顔を上げると
誰かが泣いていた
他人か?
私か?
「本当はすべてが嫌いなんじゃなくて
すべてが好きなんでしょう」
んなわけあるか
大嫌いだよ
弱肉強食の定めも
命を踏み潰す日常も
戦争に麻痺した感覚も
美しいと言われる景色も
地球上のすべての生き物も
金で回っていることを
嘘臭く隠しやがる人間界
力しか通じない
救いのない野生世界
命だ多様性だと言いながら
贔屓ばっかりしやがって
こんな混沌の中
よくみんな平気で演じられるな
滅べ
消えろ
醜い限りだ
文句を垂れ流すだけの自分も嫌いだ
全部消えちまえ
「そうじゃないよ」
「そうじゃないよ」
「本当はすべてが嫌いなんじゃなくて
すべてが好きなんでしょう」
同じことしか言えないのか?
馬鹿か?
「何度だって言う」
「本当はすべてが嫌いなんじゃなくて
すべてが好きなんでしょう」
*
光転
ふっと感覚が柔らかく途切れ
空の上にいたような気持ちになる
ここはどこ?
生まれる前?
私の話し方こんなんだっけ?
温かで愛おしい命のすべてを見渡す
誠に誰もが脅かされない世界
目には見えない世界にいた
微生物たちまではっきり見える
生きているよ
可愛いね
ありがとう
大好きだよ……
*
暗転
夢から覚めると
いつも通り
最悪の世界よおはよう
クソ性格悪い自分におはよう
*
「ねぇ、誰だってね
無条件にすべての命を愛していたよ
思い出せるよ
引っ張られちゃダメだよ
もしも君がそれを思い出したなら
できない人
分からない人を否定するんじゃない
何度でも導くんだ
ただし人じゃなく自分自身を
……引きずられないようにね」
*
暗転
涙を流しながら目覚める
おはようますますブスな私
おはようルッキズムの世界
テレビ付ければ美男美女
何気なくスマホいじって
油断すると脳に食い込むネガティブワード
「嫌い」だの
「キモい」だの
「駆除」だの
そんな言葉求めてねーんだよ
もうちょっとマシなこと言えないのかよ
おいおいそうじゃねーだろ
笑えねーよ
ストレス発散になんねーよ
悪気がないのは分かってんだけど
どうにも相容れねーな
何より自分自身の不完全さ
有言不実行 矛盾
『私この程度か』って
諦めて落ちぶれて
けどねぇ……
「本当はすべてが嫌いなんじゃなくて
すべてが好きなんでしょう」
んーまぁ
絶対ないとは
言い切れなくなってきたな
案外そうかもしれない
こっちが好きだからなんだ
って話だけど
明るく声をかけてくれる人がいる
優しくしてくれる人がいる
仮に偽りの親切だったところで
世界のどこにも真実の愛なんてなくたって
別にもう良いじゃない?
仮だろうとルールだろうと嫌いだろうと
殺さずに温かく接してくれる
それってもう愛かも
人も可愛いんだよ
毛並みを気にする鳥や獣や
一生懸命生きる虫のように
嫌い嫌いも好きのうちってね……
「そうじゃないよ」
誰かの声が付きまとう
誰だ?
世間か
幻聴か
「そうじゃないよ」
「そうじゃないよ」
私の一挙手一投足
邪魔をする気か
否定する気か
忌々しい
「そうじゃないよ」
「そうじゃないよ」
リアルな生活では
そこそこおとなしく振る舞いつつ
内に怒りを溜めた
何もかもが気に食わない
一体何なんだ
どいつもこいつも
世界は薄暗く汚れていて
ちらつく影は見苦しいものばかり
「そうじゃないよ」
「そうじゃないよ」
いい加減にしろ!
顔を上げると
誰かが泣いていた
他人か?
私か?
「本当はすべてが嫌いなんじゃなくて
すべてが好きなんでしょう」
んなわけあるか
大嫌いだよ
弱肉強食の定めも
命を踏み潰す日常も
戦争に麻痺した感覚も
美しいと言われる景色も
地球上のすべての生き物も
金で回っていることを
嘘臭く隠しやがる人間界
力しか通じない
救いのない野生世界
命だ多様性だと言いながら
贔屓ばっかりしやがって
こんな混沌の中
よくみんな平気で演じられるな
滅べ
消えろ
醜い限りだ
文句を垂れ流すだけの自分も嫌いだ
全部消えちまえ
「そうじゃないよ」
「そうじゃないよ」
「本当はすべてが嫌いなんじゃなくて
すべてが好きなんでしょう」
同じことしか言えないのか?
馬鹿か?
「何度だって言う」
「本当はすべてが嫌いなんじゃなくて
すべてが好きなんでしょう」
*
光転
ふっと感覚が柔らかく途切れ
空の上にいたような気持ちになる
ここはどこ?
生まれる前?
私の話し方こんなんだっけ?
温かで愛おしい命のすべてを見渡す
誠に誰もが脅かされない世界
目には見えない世界にいた
微生物たちまではっきり見える
生きているよ
可愛いね
ありがとう
大好きだよ……
*
暗転
夢から覚めると
いつも通り
最悪の世界よおはよう
クソ性格悪い自分におはよう
*
「ねぇ、誰だってね
無条件にすべての命を愛していたよ
思い出せるよ
引っ張られちゃダメだよ
もしも君がそれを思い出したなら
できない人
分からない人を否定するんじゃない
何度でも導くんだ
ただし人じゃなく自分自身を
……引きずられないようにね」
*
暗転
涙を流しながら目覚める
おはようますますブスな私
おはようルッキズムの世界
テレビ付ければ美男美女
何気なくスマホいじって
油断すると脳に食い込むネガティブワード
「嫌い」だの
「キモい」だの
「駆除」だの
そんな言葉求めてねーんだよ
もうちょっとマシなこと言えないのかよ
おいおいそうじゃねーだろ
笑えねーよ
ストレス発散になんねーよ
悪気がないのは分かってんだけど
どうにも相容れねーな
何より自分自身の不完全さ
有言不実行 矛盾
『私この程度か』って
諦めて落ちぶれて
けどねぇ……
「本当はすべてが嫌いなんじゃなくて
すべてが好きなんでしょう」
んーまぁ
絶対ないとは
言い切れなくなってきたな
案外そうかもしれない
こっちが好きだからなんだ
って話だけど
明るく声をかけてくれる人がいる
優しくしてくれる人がいる
仮に偽りの親切だったところで
世界のどこにも真実の愛なんてなくたって
別にもう良いじゃない?
仮だろうとルールだろうと嫌いだろうと
殺さずに温かく接してくれる
それってもう愛かも
人も可愛いんだよ
毛並みを気にする鳥や獣や
一生懸命生きる虫のように
嫌い嫌いも好きのうちってね……
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
痴漢列車に挑む痴漢Gメン女子高生レイコ
ムーワ
大衆娯楽
朝の通勤電車はラッシュ時はギュウギュウ詰めの混雑状態!
その混雑を利用して女子高生を中心に若い女の子をターゲットに頻繁に痴漢を繰り返す謎の男。
実際に痴漢にあっても怖くて何もいえず、泣きながら鉄道警察隊に相談する女子高生もいて、何度か男性の鉄道警察隊員が変装をして捕まえようとするが捕まえることができず、痴漢被害は増加する一方。
そこで鉄道警察隊はエリート大卒新人のレイコ氏に相談すると、レイコはとんでもない秘策を思いついた。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
スケートリンクでバイトしてたら大惨事を目撃した件
フルーツパフェ
大衆娯楽
比較的気温の高い今年もようやく冬らしい気候になりました。
寒くなって本格的になるのがスケートリンク場。
プロもアマチュアも関係なしに氷上を滑る女の子達ですが、なぜかスカートを履いた女の子が多い?
そんな格好していたら転んだ時に大変・・・・・・ほら、言わんこっちゃない!
スケートリンクでアルバイトをする男性の些細な日常コメディです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる