ファンの心の自由
とある作品を好きになりかけていたが、作品のファンからの心ないコメントを見かけて、若干退いてしまった。
大勢に向けて表現・発信したい場合、創作をするというのは一つのコミュニティを作ることなのかもしれない。私たちも一人一人性格の違う投稿者であり、そのコメント欄には投稿者や、投稿に集まる読者の個性が表れる。
もしも作者としての私が「私の作品を全部見てもいないくせに、私の作品について発言しないでほしい」などと言ったら、私の作品はそういう雰囲気のコミュニティになってしまう。「気が向いたらほんの少し覗いてくださるだけでも、すごく嬉しいです!」と言えば、読者様の間でもそういう空気になるであろう。
できればどこも、大らかな空気であってほしい。ただ……自分自身、書き手の視点で語るか、読み手の視点で語るかによって、言うことが矛盾しそうな気がする。
読み手視点であれば、「それぞれ自由に楽しめば良いじゃん。好きなところだけかじって、あとは自分であれこれ想像するのもOK」「海賊版サイトは批判されがちだけど、お金を払えない人は芸術を楽しめないなんておかしくない?」「作品は読者のものだ」と思うが、書き手視点だと、「欲を言えば全話読んでほしい。できれば順番通りに。各作品に共通のテーマや流れがあるんだ。作品同士の繋がりに気づいてほしい」「良いなと思ったらお金をいただきたい。食べ物を売って生きる人がいるように、芸術家も芸術を売ってお金を得ないと生きていけないんだよ。そのシステムを軽視しないでほしい」「作品は作者のものだ」と思う。
今回見た「心ない」コメントというのも、こちらの捉え方であり、視点によって印象は変わる。作者側の思いを本気で汲もうとする「ファン」は、生半可な気持ちで作品という聖域に入られたくないのだろう。「娯楽でくらい日常生活から解き放たれて、自由に楽しみたい」「作者の思いや方向性を汲むより、作品の世界観を借りて、読者であるこちらが想像を楽しみたい」という感覚の我々一般読者。相手からすればこちらの方が「心ない」のかもしれない。「ちゃんとお金を払い、作品や作者を隅々まで理解してからものを言えよ」と。
「本気で見てほしい」書き手。「自由に楽しみたい」読み手。書き手の思いを汲もうとする、本気のファン。誰も悪くはないのだが、「食っていかなきゃならない」「お金がないと生きられない」「好きなことに費やせる時間や金はない。結局時間や金銭を費やせる人だけが本気でいられるのだ」というこの世のシステム含め、人間ってめんどくさい。
大勢に向けて表現・発信したい場合、創作をするというのは一つのコミュニティを作ることなのかもしれない。私たちも一人一人性格の違う投稿者であり、そのコメント欄には投稿者や、投稿に集まる読者の個性が表れる。
もしも作者としての私が「私の作品を全部見てもいないくせに、私の作品について発言しないでほしい」などと言ったら、私の作品はそういう雰囲気のコミュニティになってしまう。「気が向いたらほんの少し覗いてくださるだけでも、すごく嬉しいです!」と言えば、読者様の間でもそういう空気になるであろう。
できればどこも、大らかな空気であってほしい。ただ……自分自身、書き手の視点で語るか、読み手の視点で語るかによって、言うことが矛盾しそうな気がする。
読み手視点であれば、「それぞれ自由に楽しめば良いじゃん。好きなところだけかじって、あとは自分であれこれ想像するのもOK」「海賊版サイトは批判されがちだけど、お金を払えない人は芸術を楽しめないなんておかしくない?」「作品は読者のものだ」と思うが、書き手視点だと、「欲を言えば全話読んでほしい。できれば順番通りに。各作品に共通のテーマや流れがあるんだ。作品同士の繋がりに気づいてほしい」「良いなと思ったらお金をいただきたい。食べ物を売って生きる人がいるように、芸術家も芸術を売ってお金を得ないと生きていけないんだよ。そのシステムを軽視しないでほしい」「作品は作者のものだ」と思う。
今回見た「心ない」コメントというのも、こちらの捉え方であり、視点によって印象は変わる。作者側の思いを本気で汲もうとする「ファン」は、生半可な気持ちで作品という聖域に入られたくないのだろう。「娯楽でくらい日常生活から解き放たれて、自由に楽しみたい」「作者の思いや方向性を汲むより、作品の世界観を借りて、読者であるこちらが想像を楽しみたい」という感覚の我々一般読者。相手からすればこちらの方が「心ない」のかもしれない。「ちゃんとお金を払い、作品や作者を隅々まで理解してからものを言えよ」と。
「本気で見てほしい」書き手。「自由に楽しみたい」読み手。書き手の思いを汲もうとする、本気のファン。誰も悪くはないのだが、「食っていかなきゃならない」「お金がないと生きられない」「好きなことに費やせる時間や金はない。結局時間や金銭を費やせる人だけが本気でいられるのだ」というこの世のシステム含め、人間ってめんどくさい。
あなたにおすすめの小説
プロが作ったもの、売り物には何を言っても良いってのも思い込みだよね
月澄狸
エッセイ・ノンフィクション
フォロワー様や友達など、身内(?)に優しく、そうじゃない商品に対してはあまり、相手が人間であることを意識しませんね。
世界のせいにしていちゃダメなんだな……
月澄狸
エッセイ・ノンフィクション
世界のせいだったら誰かへの個人攻撃じゃないし、自分のせいにもしなくて済む。だからお気に入りだけど、これも逃げなんだなぁ……。
大して相手のことを考えてない人ほど気軽にアドバイスしてくる
月澄狸
エッセイ・ノンフィクション
このタイトルでものすごく傷ついた人、すみません。喧嘩しようとか責めようとか、そういうつもりはまったくありません。「心の防御」について考えたいだけなんです!
私も、誰かにアドバイスしているつもりはまったくないのですが、無意識に「ああしたら?」「こうしたら?」と意見を押し付けまくっていると思います。そういう意見の押し付け、自分のは無自覚だから何とも思わないけど、されたときにどうするか。って話です。
ん? しっくりこなければテキトーに聞き流せばいいんじゃないかって?
もしかしたら私、「テキトーに聞き流す」とか「忘れる」とかいうことが、やや苦手なのかもしれないです。
アンチコメントに震え上がったあの日
月澄狸
エッセイ・ノンフィクション
つい忘れそうになるけれど、いいねやコメントが来ていないからといって、誰も投稿を見ていないわけではない。アクセスがあるということは誰かが見ているということだ。そして、なぜだか分からないけれど嫌いなものを見たり攻撃したりすることに時間を費やしている人間もいるのだ。幽霊や妖怪より恐ろしい人種である。
敬語キャラには萌えるけど、現実の敬語はめんどくさい
月澄狸
エッセイ・ノンフィクション
敬語キャラは好きだ。根っから丁寧な性格だったり、丁寧なフリしてそうでもなかったり。そういった場合、キャラクターは好きで敬語を使っているのであり、誰かから強制されているわけではない(ことが多い)だろう。敬語は方言とかと同じ個性だ。……でも現実の敬語はめんどくさいな!
真面目な人ってどういう人? 真面目の意味、定義って何?
月澄狸
エッセイ・ノンフィクション
人の性格を表す言葉ってけっこう定義があやふやなような、イメージで決まっているような……。というか言葉って全部そんなものかな。人によって言葉に抱くイメージとか、言葉の意味も好みも変わってくるから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
面白かったです
「知らない癖に偉そうに語るな」
言った事ありますし
そういうコメントを見て
へーアンタ作者並に全てを知ってんだー
とイジワルな事を思った事もあります
どちらも経験しました😅
と歳取ると逆にいい思い出だったりします😆
大林さん
こんなグダグダ文を楽しんでいただいてありがとうございます🙇
作品の世界観に対して思い入れがあるファン、なにかの思い込みでズレたことを語っている人、独自の受け取り方をする人……いろんな人がいますね。
「このシーンが良かった!」とか感想コメント書いてあるけど、そんなシーンなかったような……別にそういう意味じゃないような……なんてコメントもあったり。
やっぱり何でも、どちらの視点も経験して、ニュートラル(?)になることで、人間丸くなっていくのかもしれませんね😊
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。