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Gallina
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「ガジーナ、お前は美しい。柔らかな髪も、白く吸いつくような肌も。この神殿にお前の右に出る者はいないよ」
「ん……あ、あ……っ」
「快楽と苦痛の狭間で耐える顔も、たまらなく妖艶だ。その理性を失うほど狂わせ、乱れさせたくなる」
「んぅ……っ」
「もっと鳴き声を聞かせておくれ、もっと、もっとだよ」
バッコスはアゼルを寵愛し、毎晩のように寝室に呼んだ。身体を拓き、貪り、足の指にまで舌を這わせる。アゼルに大量の葡萄酒を口移しで飲ませ、ゆるく勃ち上がった性器に花の茎で栓をして、尿意を堪える姿を愛でながら揺するのが彼のお気に入りだった。
彼の妻アリアドネが寝室に乗り込んできたのは、まさにその最中。酩酊したアゼルは豪華なベッドで神にまたがったまま、侮蔑の目で見下ろす彼女をぼんやりと見つめた。
慌てたのはバッコスの方だ。彼はアゼルの身体を突き飛ばし、自らのガウンの前をかき合わせてベッドを下りた。そして、それまでの余裕と自信に満ちた態度はどこへやら、従者のようにへりくだって妻を迎え入れた。
「薄汚い雌鶏がいるようだけれど」
「あ、あぁ、いや……どうやら迷い込んで来てしまったようだね」
夫の白々しい嘘ににっこりと微笑み、アリアドネは長い爪でアゼルを指した。
「二度と迷い込んで来ないようにしてやりましょう。羽をもいで、遠い離島に。そして、神のひとときの退屈しのぎになった褒美に、そこで兵士となる卵を永遠に生み続ける栄誉を与えましょう」
「ん……あ、あ……っ」
「快楽と苦痛の狭間で耐える顔も、たまらなく妖艶だ。その理性を失うほど狂わせ、乱れさせたくなる」
「んぅ……っ」
「もっと鳴き声を聞かせておくれ、もっと、もっとだよ」
バッコスはアゼルを寵愛し、毎晩のように寝室に呼んだ。身体を拓き、貪り、足の指にまで舌を這わせる。アゼルに大量の葡萄酒を口移しで飲ませ、ゆるく勃ち上がった性器に花の茎で栓をして、尿意を堪える姿を愛でながら揺するのが彼のお気に入りだった。
彼の妻アリアドネが寝室に乗り込んできたのは、まさにその最中。酩酊したアゼルは豪華なベッドで神にまたがったまま、侮蔑の目で見下ろす彼女をぼんやりと見つめた。
慌てたのはバッコスの方だ。彼はアゼルの身体を突き飛ばし、自らのガウンの前をかき合わせてベッドを下りた。そして、それまでの余裕と自信に満ちた態度はどこへやら、従者のようにへりくだって妻を迎え入れた。
「薄汚い雌鶏がいるようだけれど」
「あ、あぁ、いや……どうやら迷い込んで来てしまったようだね」
夫の白々しい嘘ににっこりと微笑み、アリアドネは長い爪でアゼルを指した。
「二度と迷い込んで来ないようにしてやりましょう。羽をもいで、遠い離島に。そして、神のひとときの退屈しのぎになった褒美に、そこで兵士となる卵を永遠に生み続ける栄誉を与えましょう」
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