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番(つがい)
20.
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凛花が髪で隠していた見知らぬ男の噛み跡が脳裏に蘇る。津田の心で、娘を蹂躙したαへの怒りと嫌悪が暴発した。
「やめろ…… っ!」
乾は津田の反応の変化などおかまいなしに、腰を打ち付けてくる。突き動かされながら上体をひねって見上げると、彼はうっすら微笑んでいた。
「ちょ、やめっ、いやだ、あっ、やぁ……っ!」
拒絶の声など、全く届いていない。乾の目は、津田を見ていない。恍惚として何も写していないような瞳に、ゾッと悪寒が背筋を這った。
痺れた腕で床をずって逃げようとした津田の後頭部を、乾の手が鷲掴みにする。
鈍い音を立てて床に叩きつけられた額が、ゴリゴリとフローリングを擦った。
「や、あ゛ぅ、あっ、待…… っ」
激しく突き上げながら、乾が上体を倒す。その荒い息が首筋にかかり、汗をかいた津田のうなじを、熱い舌がねっとりと舐めた。先ほど舌に食い込んだ犬歯がそこに押し当てられ、津田は息を飲んだ。
耳の後ろで、獣が低く唸るような音がする。
津田は本能的に恐怖を感じ、身をよじった。
「いやだぁッ!!」
津田が叫んだのと、乾の犬歯がうなじに食い込むのが、同時だった。
ブツ、ブツッと、皮膚を破る音。
津田は乾の手で床に頭を押し付けられたまま、彼の歯が自分のうなじに食い込む音を聞いていた。
(噛まれ、た…… )
津田のうなじに歯を立てたまま、最奥を突いた乾の熱塊が、動きを止めた。そこにありったけの精を注ぐため、αの性器の根元にある亀頭球が、めきめきと膨らんでいく。後孔の淵を限界まで引き延ばすその刺激に、津田の身体が大きく跳ねた。
「ぅあ…… っ」
捕えた獲物を逃すまいとするように。
うなじを噛んだ乾の歯が、ギリギリと強く深く、肉に食い込んでいく。
痛覚の麻痺した発情期の身体でさえ、握りしめた指先が冷たくなるような痛みだった。
「やめろ…… っ!」
乾は津田の反応の変化などおかまいなしに、腰を打ち付けてくる。突き動かされながら上体をひねって見上げると、彼はうっすら微笑んでいた。
「ちょ、やめっ、いやだ、あっ、やぁ……っ!」
拒絶の声など、全く届いていない。乾の目は、津田を見ていない。恍惚として何も写していないような瞳に、ゾッと悪寒が背筋を這った。
痺れた腕で床をずって逃げようとした津田の後頭部を、乾の手が鷲掴みにする。
鈍い音を立てて床に叩きつけられた額が、ゴリゴリとフローリングを擦った。
「や、あ゛ぅ、あっ、待…… っ」
激しく突き上げながら、乾が上体を倒す。その荒い息が首筋にかかり、汗をかいた津田のうなじを、熱い舌がねっとりと舐めた。先ほど舌に食い込んだ犬歯がそこに押し当てられ、津田は息を飲んだ。
耳の後ろで、獣が低く唸るような音がする。
津田は本能的に恐怖を感じ、身をよじった。
「いやだぁッ!!」
津田が叫んだのと、乾の犬歯がうなじに食い込むのが、同時だった。
ブツ、ブツッと、皮膚を破る音。
津田は乾の手で床に頭を押し付けられたまま、彼の歯が自分のうなじに食い込む音を聞いていた。
(噛まれ、た…… )
津田のうなじに歯を立てたまま、最奥を突いた乾の熱塊が、動きを止めた。そこにありったけの精を注ぐため、αの性器の根元にある亀頭球が、めきめきと膨らんでいく。後孔の淵を限界まで引き延ばすその刺激に、津田の身体が大きく跳ねた。
「ぅあ…… っ」
捕えた獲物を逃すまいとするように。
うなじを噛んだ乾の歯が、ギリギリと強く深く、肉に食い込んでいく。
痛覚の麻痺した発情期の身体でさえ、握りしめた指先が冷たくなるような痛みだった。
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