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第1章
【衝撃の真実】
しおりを挟むここは『バラス』の本拠地。
場所は横浜駅西口からすぐの鶴屋町。
飲み屋が多く、風俗系の店も多い。小さなカラオケ店などもある。
夜の街としては小ぶりだが、バラスのような組織にはちょうどいい隠れ家なのであった。
時刻は夜の十二時。
ホストクラブの裏側にある華美なシャワールーム。
そこでお湯を浴びているのはバラスの首領、クイン・キャベンディッシュ。
短い髪を洗い、それから細い飴細工のような首を・・・・・・そして・・・・・・
小ぶりながらお椀型で塩梅の良い胸を・・・・・・ッッ!!
クインは『女性』だった。
『だった』というのは、彼女自身がアンダーグラウンドを生きていく上で、女性という殻を破り男性として振る舞うと決めているからである。
シャワーの蛇口を締め、火照った体をバスタオルで拭う。
たすきを取り出し、ぐるぐると巻いて、自分の妖艶な身体を男性的な体つきに見せるようにする。
ギチギチと音がするほどにきつく締め上げた。
鏡を見て、自分で手を這わせて、胸が強調されていないことを確認する。
よしと、自分で凜々しい男クインになったことを確認してから、スーツに袖を通して下へと降りる。
「みんな揃っているか?」
「はい」
「じゃあ今夜だが・・・・・・」
「ボス!! 大変です!!」
スーツの集団のもとへ、慌てた様子のバラス構成員が走ってきた。
健脚を活かして群衆の中をするりするりと抜け、ハァハァと息を切らす。
「どうしたんだ? まずは息を整えてから・・・・・・」
「せ、千石組の喧風一家が・・・・・・西口に集まってます!!」
その場にいた全員が動揺した。
千石組は、正直どうでも良い。
問題なのは喧風一家を率いているあの男・・・・・・
「龍敏か・・・・・・」
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