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異種格闘技トーナメント篇
【白真会本部】
しおりを挟む八王子の大きなビル。
巨大な建物には、大きい看板が掛かっており『空手道白真会総本部』と書かれている。
「これはまた・・・・・・仰々しい」
「新設された本部だ。来るのは初めてか?」
「そうですね。やっぱり昇段試験はここで?」
「ああ。年に三回・・・・・・黒帯を許されるには、十人の格上の猛者と休憩無しで戦う必要がある」
「流石は猛稽古の白真会・・・・・・」
「つくぞ・・・・・・覚悟しておくんだな」
「はいはい」
本部道場の一階は、以外にも博物館のような作りだった。
沖縄から始まった、空手の源流・・・・・・そして近代空手への進化・・・・・・
様々な歴史や資料が展示されており、入門を悩んでいる者や、空手ファンの聖地になっている。
中でも人々の目を釘付けにするのは・・・・・・
「これはこれは・・・・・・」
全長三メートル 体重三〇〇キロのグリズリーの剥製。
このクマは『彼女』と呼ぶべきだ。
野生の猛獣の本気を出させるために・・・・・・武山自らが子グマを罠で捕まえ、母親熊を召喚したのだ。
その恐ろしさよ・・・・・・
特徴的なのは彼女の胸・・・・・・ぽっかりと穴が開いている。
伝説では武山が最後の最後、貫手で分厚い毛皮を貫き、心臓を潰したと言われている。
「武勇伝の宝庫・・・・・・武山 火山らしいですねぇ」
「会長をつけろバカ者」
「はいはい」
「行くぞ」
関係者専用のエレベーターに乗り込み、三人は最上階の十二階についた。
扉が開くと、真っ赤な絨毯が廊下に拡がっている。
通路の左右には、高価で希少な花瓶や壺、彫刻などが並べられている。
ペタペタ・・・・・・
ペタペタ・・・・・・
一番奥の部屋・・・・・・
重厚な木で作られた、両開きのドアがある。
「押忍!! 会長!! お連れしました!!」
「ご苦労。入りたまえ」
「押忍!!」
空手着の二人は後ろに控える。
ここから先は、芥川ひとり・・・・・・ということだ。
「せいぜい、生きて帰ってくるんだな」
「押忍。失礼します芥川さん」
「ありがとうございました。山崎さん。沼田さん」
ガチャリ・・・・・・
キィ・・・・・・
「おっとっと・・・・・・お楽しみ中でしたか?」
巨大なキングサイズのベッドの上で、トランクス一丁になっている武山がいた。
うつ伏せになり、オイルを塗られ、隆起している筋肉を薄着の美女たちがほぐしている。
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