死が二人を分かつまで

KAI

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”VS最強編”

【ジャック・ブライン】

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「ジャック・ブライン!?」



 上下は高級スーツを着込み、ブルーのネクタイもキュッと締めている。



 ピカピカの革靴に、大きめのサングラス。



 しかし・・・・・・見間違うワケがない・・・・・・



 何度も何度も観てきた・・・・・・



 一九〇を優に超える長身に、鍛え抜かれた身体までは隠し通せない。



 ボクシングヘヴィー級チャンピオン・ジャック・ブラインーーーー



 まさに本人!!



「ホンモノ・・・・・・」


「君ハ、俺ノファンカネ?」


「は、はいっ!」


「サインハ・・・・・・少シ待ッテテモラウ」



 芥川が微笑んだままゆらりと立ち上がった。



「何用で?」


「・・・・・・見テイタカ分カラナイ・・・・・・ガ、俺ガジャパンヘ来タノハ・・・・・・」


「観てました。大晦日の試合、見事でしたね」


「・・・・・・アンナモノ、戦イノウチニ入ラナイ」


「・・・・・・その後のマイクパフォーマンスで言ってましたね・・・・・・北谷選手との戦いのためでも、賞金や栄誉のためじゃないと・・・・・・」


「・・・・・・ジャパンニ、ブジュツノ達人ガイルト聞イタ」


「まあ、たくさんいますね」


「謙遜ハイラナイ・・・・・・アナタダ・・・・・・」


「・・・・・・で、達人遊山で立ち寄った・・・・・・と?」


「・・・・・・分カッテイルクセニ」



 ジャック・ブラインの背後から、オーナーとセコンドたちが。



「ジャック・・・・・・本当にこの男なのか?」



 英語で喋っている。



「そうだ。この男・・・・・・ゲツ・アクタガワで間違いない」


「・・・・・・口を酸っぱく、戦う条件を伝えたが、忘れてはいないだろうな?」


「もちろん・・・・・・」



 また、芥川へ視線を戻す。



「俺ハ、プロボクサーダ。プロライセンスヲ持ツ者トシテ、合意ナシデノ、ファイトハデキナイ」


「ええ。いいですとも。念書でも誓約書でも書きますよ♪」


「・・・・・・感謝シマス」



 ・・・・・・って!!



 待て待て待て!!



「ほ、本気でやるんですか先生!!」


「無論」


「相手は最強のヘヴィー級チャンピオンですよ!?」


「私だって強いですよ♪」


「そう言う話しじゃ・・・・・・」


「武術家を名乗る者・・・・・・新年早々だろうとも、挑戦は受けて立たねば、名折れというものでしょう」


「そうですけど・・・・・・」


「それにね・・・・・・新樹さん・・・・・・セツナさん・・・・・・」



 芥川の顔が歪んだ。



 狂気的な笑みだ。



「楽しそうじゃないですか~ヘヴィー級チャンピオンと戦えるなんて・・・・・・初詣に行って良かった♪」



 嗚呼・・・・・・もう、この状態になった芥川は止められない。



 新樹もセツナも、呆れてため息を同時に吐く。


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