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一章
城砦都市ベルセン
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朝早くから街道を歩く。魔力探知で見てみるとベルセンまでは後少し。チコの話よりも早く到着しそうだ。もしかしてホビットの歩幅を基準にした距離感なのかもしれない。
俺はそんなことを考えながら、右手に持ったロープを握り直した。
ロープはクロノリヤで買った物。こんなに早く、しかもこんな用途で使うなんて思ってもいなかった。
ロープは俺の前に向かって伸びている。
「こら。さっさと歩け」
ロープの先に繋いだ男達に命令する。うぅとかあぁとか聞こえるが気にしない。
ロープに繋がってうなだれながら歩いているのはもちろん3バカだ。気絶している間に後ろ手で縛った後、ロープ1本で繋いでおいた。
大山猫と違ってこいつらは人族だ。殺すと面倒になるはずだ。
昨夜寝ながら考えた結果、コイツらはベルセンの衛士に引き渡すことにした。ちなみに衛士というのは警備隊のことで、日本の警察のようなものらしい。
「やる気あんのか、日が暮れちまうぞ」
まるで羊飼いのように、3バカを追いたてながらベルセンへ向かった。
ーーーーーーーーーー
夜明け前に出発したお陰か、そもそもチコの距離感がホビット基準だったからか、進行方向にコロシアムの壁らしきものが見えてきた。腹具合からまだ昼前だろうと思う。しかしずいぶんと大きい壁だ。5階建てのビルくらいの高さだろうか。壁の一ヶ所にこれまた巨大な門が見える。とりあえずあの門を目指すか。
門は巨大な両開きの扉だった。中世ヨーロッパの城門のような感じだ。
さらに近づくと門の左右に人が列を作っている。右の列は武装した人が並び、左の列は荷袋やら馬車やら荷物を運んでいる。
行列の意味がわからないので観察してみると、行列前にはそれぞれ簡易テントが設置されていて受付と武装した護衛がいる。あれが衛士かな?
そのうちの1人が俺と3バカに気づいて駆け寄ってくる。3バカが観念したように揃ってしゃがみこんで呻き声をあげる。
3バカがそんな様子なので、駆け寄ってきた男は俺の前までやってきた。茶髪で茶色い瞳。俺より少し背が高い、若い男だ。
「キミ、見ない顔だが何をしている?縄で繋いだこの男達は?」
「えーと、俺はユートと言います。ガレムの森のクロノリヤから来ました。身分証が無いので冒険者ギルドに行こうと思っています」
自己紹介をして、相手の反応を見る。黙って頷いたので続きを話す。
「昨日の夜街道沿いで野営をしていたら、コイツらに襲われました。捕まえてベルセンの衛士さんに引き渡そうとここまで連れてきたんです」
「盗賊か!」
「たぶん」
「キミの仲間は?」
「俺だけですよ。クロノリヤからここまで1人です」
「……まさか」
俺の話を聞き、青年が考え込んでしまった。なんか変なこと言ったかな?
小声でありえない、とか無謀すぎるとかぶつぶつ言っていたが、俺の視線に気づいて咳払いをした。
「ごほん。ああ、すまないが、詰所で事情を聞かせてほしい。悪いようにはしないから、こっちへ来てくれないか」
「分かりました」
「じゃあ、俺の後についてきてくれ」
そう言って歩き出す青年の背に声をかける。
「コイツら、どうしたらいいですか?」
「あ、ああ。そうだな。縄を貸してくれ、預かろう」
青年は俺の手からロープを受け取って歩き出した。俺もその後に続く。
ーーーーーーーーーー
衛士の詰所は門の中にあった。大きさは日本の交番と同じくらい。詰所には他の衛士が待機していて、青年から3バカを引き取って奥に行ってしまった。
「面倒ですまないね。あいつらは奥の仮牢で取り調べるから、キミも話を聞かせてくれないかな?」
3バカが奥に連行されるのを見届けてから、青年が穏やかに言った。
「いいですよ。でも、さっきも言いましたけど身分証が無いんですけど」
「ああ。それは問題ない。とりあえず座ってくれ」
青年はそういうと俺に椅子を勧めてきたので大人しく座る。机を挟んで青年も椅子に座った。
脇卓の引き出しから書類と筆記用具を取りだし、最後に台座のついたガラス玉を机の上に置いた。大きさはゴルフボールと同じくらい。透明で向こうが透けて見える。
「初めて見るかもしれないから説明しておくよ。これは真実の瞳という魔法道具だ。これに触れて話すと、真偽が分かる。一応規則でね。気を悪くしないでほしい」
おお、なんか面白いもんが出てきたな。別に後ろめたいことなんか無いので右手を真実の瞳に被せてみる。
俺の様子を見て、青年が苦笑した。
「協力的なのはいいことだが、指で触れるだけでいいんだぞ?」
思わず俺も苦笑した。右手を少し引き、人差し指と中指が触れるようにする。
「ありがとう。じゃあ、名前を教えてくれないか?」
「名前はユート=スミス」
俺の言葉に反応したのか、真実の瞳が青く光った。青年が頷いて書類に何やら書き込んでいる。
「ありがとう、スミス君。私はニコラス=シュルツだ。青は真実、赤は嘘。その調子で答えてくれるかな?年齢は?」
「17歳」
「出身は?」
……日本……じゃないな。とりあえずクロノリヤ?
「ガレムの森のクロノリヤ」
青く光る。よかった。
この後、門で話したことを再度訊かれたが、真実の瞳は青く光るだけだった。
訊かれたことに答え終わると、シュルツは書類と筆記具と真実の瞳を片付けて軽く頭を下げた。
「協力ありがとう。尋問のような真似をしてすまなかったね」
「気にしないでください」
日本のほうがもっと厳しいだろうし。なんせ住所不定無職で武器所持だ。現行犯で逮捕されても文句は言えない。クロノリヤでもそうだったが、ラフィーアでは魔力探知の恩恵か警戒が緩い気がする。
……魔力探知に頼ってここまで来た俺が言えたことじゃないが。
「キミが連れてきた3人については、このまま衛士隊で身柄を拘束させてもらう。いいかな?」
「すみませんが、よろしくお願いします」
面倒が片付いたので少し気が楽になる。頭を下げると、シュルツは困惑したようだった。
「ああ、いや、こちらこそ。キミは盗賊退治に協力してくれたようなものだ。調べが終わったら報酬も出せるだろう」
「いいですよ。別に」
賞金稼ぎじゃないし。旅費はまだあるし。
「いや、受け取ってもらわないとこちらとしても面子がな……」
ぐうぅ~……。
俺の腹の虫が昼を告げる。
「腹減りましたね。弁当食っていいですか?」
俺がそう言うとシュルツは破顔した。
「少し待ってくれ、茶を淹れよう」
「ありがとう、シュルツさん」
シュルツを待つ間に次元鞄の弁当在庫を確認する。ここに来るまでに4つ(2つはアムルス親子が)食ったので残りは6つ。
お茶の準備をしているシュルツに訊いてみる。
「シュルツさん達は昼メシどうするんですか?」
「自分達は交代で食事を買いに行くんだ。何かあれば動かないといけないから、誰かがまとめて近くの食堂に弁当を頼みに行くことが多いね。どうしたんだい?」
「今日は何人詰めてるんですか?」
俺はシュルツが片付けた脇卓に手を伸ばし、真実の瞳を取り出す。
「昼番は5人だよ。奥に2人、門に2人、あと1人は私だね」
お、ぴったりだ。食いきれないから手伝ってもらおう。真実の瞳を右手で摘まんでシュルツに見せてやる。
「弁当を多く持ってきてしまって、食いきれないから手伝ってもらえませんか?痛んでないし、毒も入っていませんよ」
真実の瞳は青く光った。
「いや、職務上そう言うわけには……」
知ってる。でも聞かない。真実の瞳を机に置いて、鞄から弁当を6つ取り出して積み上げる。
机の上の真実の瞳に指を乗せる。
「頼むから手伝って」
また青く光った。
シュルツさんが呆れたように笑う。
「……頼まれては仕方ないな。よし、ベルセン衛士隊の力を見せてやろう。しかし、手癖が悪いのは感心しないな」
俺は黙って真実の瞳を脇卓に直した。
その後、シュルツは奥の2人を呼び、4人で弁当を食った。食後、奥の2人が門の2人と交代するために出て行った。シュルツは3バカの取り調べをするらしい。
俺が半ば強引に食わせた弁当は好評だった。エレナンセはベルセンでも有名で、そこの弁当だと分かると衛士達に感謝されてしまった。俺としても在庫が捌けたのでよかった。メシは大勢で食う方が美味いしな。
「スミス君はこれからどうするんだい?」
「身分証を作りに冒険者ギルドへ行きます。どこにあるか教えてもらえませんか?」
「いいとも」
詰所の壁に張ってある地図を見ながら道を教えてもらう。まっすぐ行って左、大きな看板が目印、よし覚えた。
「シュルツさん、ありがとう」
「こちらこそ。盗賊退治の協力に感謝する」
俺は衛士詰所を出て冒険者ギルドへと向かった。
衛士詰所を出てまっすぐ歩く。突き当たりで左折。大きな看板を探しながら歩くと目的地を見つけた。
黒っぽい煉瓦にいくつかの窓。建物は2階建てでちょっとした飲食店くらいの大きさだった。1階と2階の間の壁に貼られた看板には、『ギルド マンハイム』と書かれている。他にギルドの看板が見当たらないのでここが冒険者ギルドだろう。
年季の入った扉を開けて中に入ると、いくつかテーブルと椅子があり、奥にカウンターが設置されていた。食券タイプの食堂のカウンターみたいな造りだな。何人か先客がいて、俺の方を見ている。
俺は視線を無視してカウンターへ向かう。
「すみません、冒険者登録をしたいんですけど」
俺は奥の人影に声をかけた。
俺はそんなことを考えながら、右手に持ったロープを握り直した。
ロープはクロノリヤで買った物。こんなに早く、しかもこんな用途で使うなんて思ってもいなかった。
ロープは俺の前に向かって伸びている。
「こら。さっさと歩け」
ロープの先に繋いだ男達に命令する。うぅとかあぁとか聞こえるが気にしない。
ロープに繋がってうなだれながら歩いているのはもちろん3バカだ。気絶している間に後ろ手で縛った後、ロープ1本で繋いでおいた。
大山猫と違ってこいつらは人族だ。殺すと面倒になるはずだ。
昨夜寝ながら考えた結果、コイツらはベルセンの衛士に引き渡すことにした。ちなみに衛士というのは警備隊のことで、日本の警察のようなものらしい。
「やる気あんのか、日が暮れちまうぞ」
まるで羊飼いのように、3バカを追いたてながらベルセンへ向かった。
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夜明け前に出発したお陰か、そもそもチコの距離感がホビット基準だったからか、進行方向にコロシアムの壁らしきものが見えてきた。腹具合からまだ昼前だろうと思う。しかしずいぶんと大きい壁だ。5階建てのビルくらいの高さだろうか。壁の一ヶ所にこれまた巨大な門が見える。とりあえずあの門を目指すか。
門は巨大な両開きの扉だった。中世ヨーロッパの城門のような感じだ。
さらに近づくと門の左右に人が列を作っている。右の列は武装した人が並び、左の列は荷袋やら馬車やら荷物を運んでいる。
行列の意味がわからないので観察してみると、行列前にはそれぞれ簡易テントが設置されていて受付と武装した護衛がいる。あれが衛士かな?
そのうちの1人が俺と3バカに気づいて駆け寄ってくる。3バカが観念したように揃ってしゃがみこんで呻き声をあげる。
3バカがそんな様子なので、駆け寄ってきた男は俺の前までやってきた。茶髪で茶色い瞳。俺より少し背が高い、若い男だ。
「キミ、見ない顔だが何をしている?縄で繋いだこの男達は?」
「えーと、俺はユートと言います。ガレムの森のクロノリヤから来ました。身分証が無いので冒険者ギルドに行こうと思っています」
自己紹介をして、相手の反応を見る。黙って頷いたので続きを話す。
「昨日の夜街道沿いで野営をしていたら、コイツらに襲われました。捕まえてベルセンの衛士さんに引き渡そうとここまで連れてきたんです」
「盗賊か!」
「たぶん」
「キミの仲間は?」
「俺だけですよ。クロノリヤからここまで1人です」
「……まさか」
俺の話を聞き、青年が考え込んでしまった。なんか変なこと言ったかな?
小声でありえない、とか無謀すぎるとかぶつぶつ言っていたが、俺の視線に気づいて咳払いをした。
「ごほん。ああ、すまないが、詰所で事情を聞かせてほしい。悪いようにはしないから、こっちへ来てくれないか」
「分かりました」
「じゃあ、俺の後についてきてくれ」
そう言って歩き出す青年の背に声をかける。
「コイツら、どうしたらいいですか?」
「あ、ああ。そうだな。縄を貸してくれ、預かろう」
青年は俺の手からロープを受け取って歩き出した。俺もその後に続く。
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衛士の詰所は門の中にあった。大きさは日本の交番と同じくらい。詰所には他の衛士が待機していて、青年から3バカを引き取って奥に行ってしまった。
「面倒ですまないね。あいつらは奥の仮牢で取り調べるから、キミも話を聞かせてくれないかな?」
3バカが奥に連行されるのを見届けてから、青年が穏やかに言った。
「いいですよ。でも、さっきも言いましたけど身分証が無いんですけど」
「ああ。それは問題ない。とりあえず座ってくれ」
青年はそういうと俺に椅子を勧めてきたので大人しく座る。机を挟んで青年も椅子に座った。
脇卓の引き出しから書類と筆記用具を取りだし、最後に台座のついたガラス玉を机の上に置いた。大きさはゴルフボールと同じくらい。透明で向こうが透けて見える。
「初めて見るかもしれないから説明しておくよ。これは真実の瞳という魔法道具だ。これに触れて話すと、真偽が分かる。一応規則でね。気を悪くしないでほしい」
おお、なんか面白いもんが出てきたな。別に後ろめたいことなんか無いので右手を真実の瞳に被せてみる。
俺の様子を見て、青年が苦笑した。
「協力的なのはいいことだが、指で触れるだけでいいんだぞ?」
思わず俺も苦笑した。右手を少し引き、人差し指と中指が触れるようにする。
「ありがとう。じゃあ、名前を教えてくれないか?」
「名前はユート=スミス」
俺の言葉に反応したのか、真実の瞳が青く光った。青年が頷いて書類に何やら書き込んでいる。
「ありがとう、スミス君。私はニコラス=シュルツだ。青は真実、赤は嘘。その調子で答えてくれるかな?年齢は?」
「17歳」
「出身は?」
……日本……じゃないな。とりあえずクロノリヤ?
「ガレムの森のクロノリヤ」
青く光る。よかった。
この後、門で話したことを再度訊かれたが、真実の瞳は青く光るだけだった。
訊かれたことに答え終わると、シュルツは書類と筆記具と真実の瞳を片付けて軽く頭を下げた。
「協力ありがとう。尋問のような真似をしてすまなかったね」
「気にしないでください」
日本のほうがもっと厳しいだろうし。なんせ住所不定無職で武器所持だ。現行犯で逮捕されても文句は言えない。クロノリヤでもそうだったが、ラフィーアでは魔力探知の恩恵か警戒が緩い気がする。
……魔力探知に頼ってここまで来た俺が言えたことじゃないが。
「キミが連れてきた3人については、このまま衛士隊で身柄を拘束させてもらう。いいかな?」
「すみませんが、よろしくお願いします」
面倒が片付いたので少し気が楽になる。頭を下げると、シュルツは困惑したようだった。
「ああ、いや、こちらこそ。キミは盗賊退治に協力してくれたようなものだ。調べが終わったら報酬も出せるだろう」
「いいですよ。別に」
賞金稼ぎじゃないし。旅費はまだあるし。
「いや、受け取ってもらわないとこちらとしても面子がな……」
ぐうぅ~……。
俺の腹の虫が昼を告げる。
「腹減りましたね。弁当食っていいですか?」
俺がそう言うとシュルツは破顔した。
「少し待ってくれ、茶を淹れよう」
「ありがとう、シュルツさん」
シュルツを待つ間に次元鞄の弁当在庫を確認する。ここに来るまでに4つ(2つはアムルス親子が)食ったので残りは6つ。
お茶の準備をしているシュルツに訊いてみる。
「シュルツさん達は昼メシどうするんですか?」
「自分達は交代で食事を買いに行くんだ。何かあれば動かないといけないから、誰かがまとめて近くの食堂に弁当を頼みに行くことが多いね。どうしたんだい?」
「今日は何人詰めてるんですか?」
俺はシュルツが片付けた脇卓に手を伸ばし、真実の瞳を取り出す。
「昼番は5人だよ。奥に2人、門に2人、あと1人は私だね」
お、ぴったりだ。食いきれないから手伝ってもらおう。真実の瞳を右手で摘まんでシュルツに見せてやる。
「弁当を多く持ってきてしまって、食いきれないから手伝ってもらえませんか?痛んでないし、毒も入っていませんよ」
真実の瞳は青く光った。
「いや、職務上そう言うわけには……」
知ってる。でも聞かない。真実の瞳を机に置いて、鞄から弁当を6つ取り出して積み上げる。
机の上の真実の瞳に指を乗せる。
「頼むから手伝って」
また青く光った。
シュルツさんが呆れたように笑う。
「……頼まれては仕方ないな。よし、ベルセン衛士隊の力を見せてやろう。しかし、手癖が悪いのは感心しないな」
俺は黙って真実の瞳を脇卓に直した。
その後、シュルツは奥の2人を呼び、4人で弁当を食った。食後、奥の2人が門の2人と交代するために出て行った。シュルツは3バカの取り調べをするらしい。
俺が半ば強引に食わせた弁当は好評だった。エレナンセはベルセンでも有名で、そこの弁当だと分かると衛士達に感謝されてしまった。俺としても在庫が捌けたのでよかった。メシは大勢で食う方が美味いしな。
「スミス君はこれからどうするんだい?」
「身分証を作りに冒険者ギルドへ行きます。どこにあるか教えてもらえませんか?」
「いいとも」
詰所の壁に張ってある地図を見ながら道を教えてもらう。まっすぐ行って左、大きな看板が目印、よし覚えた。
「シュルツさん、ありがとう」
「こちらこそ。盗賊退治の協力に感謝する」
俺は衛士詰所を出て冒険者ギルドへと向かった。
衛士詰所を出てまっすぐ歩く。突き当たりで左折。大きな看板を探しながら歩くと目的地を見つけた。
黒っぽい煉瓦にいくつかの窓。建物は2階建てでちょっとした飲食店くらいの大きさだった。1階と2階の間の壁に貼られた看板には、『ギルド マンハイム』と書かれている。他にギルドの看板が見当たらないのでここが冒険者ギルドだろう。
年季の入った扉を開けて中に入ると、いくつかテーブルと椅子があり、奥にカウンターが設置されていた。食券タイプの食堂のカウンターみたいな造りだな。何人か先客がいて、俺の方を見ている。
俺は視線を無視してカウンターへ向かう。
「すみません、冒険者登録をしたいんですけど」
俺は奥の人影に声をかけた。
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