46 / 53
23、恐ろしい腕輪の魔法具
2
しおりを挟む
男たちの動きが止まり、一同は一斉に入り口側を見つめる。
外から差し込む光を背景に一人の男が入ってきた。影になって顔まで見えない。
「おい、誰だ! 勝手に入るな!」
「誰か助けて!」
男たちの仲間ではないみたいなので、ウィンリーナが侵入者に向かって咄嗟に叫んだ。すると、一瞬で男たちの体が壁に向かって吹き飛んだ。
いや、一人だけ踏みとどまった者がいる。フードをかぶった男だ。彼の周囲に魔法で結界が作られている。無詠唱で魔法を使ったので、かなり腕利きの使い手だ。
「くそっ! 他言したらメイドを殺すといっただろう!」
フードの男が恨めしそうに怒鳴る。
侵入者が魔法で次々と攻撃するが、フードの男だけではなく、周囲にも攻撃していた。そのせいで、爆煙が激しく上がり、店の中はあっという間にボロボロだ。壁に大きな穴が開いている。
フードの男は倒されたのだろうか。部屋中に充満する煙のせいで良く見えない。望遠魔法を使おうにも、まだ腕輪があるせいで魔法が使えなかった。
「リナ嬢、大丈夫か?」
ウィンリーナに誰かが心配そうに声を掛けてくる。部屋の中が白い煙で充満して姿は見えないが、聞き覚えのある声でそれが誰なのか、すぐに正体が分かった。
「フィル様ですか……?」
彼が助けてくれたと気づいて、泣きそうなほど嬉しかった。逃げるようにフィルトの前から消えたのに、こうして心配して追ってくれたのだ。
ウィンリーナは気合を入れて上半身をなんとか必死に起こして、声がしたほうを振り向いた。
「リナ嬢、無事か? すまない、遅くなって」
「いいえ、大丈夫です。フィル様、ありがとうございます」
近づく足音が聞こえる。壁の空いた穴から強い風が吹き込んだとき、一気に煙が流れて消えて視界が急に開けた。
「フィル様……?」
ウィンリーナは思わず息をのんだ。彼も同じように驚愕の顔でこちらを食い入るように見ている。
彼の髪が、黒かった。
そして、ウィンリーナの髪も、カツラがとれて黒かった。
「あの、フィル様、これは一体、どういうことなのでしょうか!?」
頭が真っ白になって、ウィンリーナは何も考えられなくなった。
一方で、フィルトは瞬時に膝をつくと、ウィンリーナの体をぎゅっと抱き寄せてきた。彼の深い安堵の呼吸を体で感じたとき、もう危険はないんだと、安心のあまりに泣きそうになった。
ところが、彼はすぐに体を引き離すと、真剣な顔で食い入るように見つめてきた。
「すまない、詳しい話はあとだ。今は逃がした犯人を追跡したい。だから、リナ嬢の望遠魔法で是非犯人を追ってほしい」
彼の懇願を聞いて、すぐに状況を理解した。
フードの男が逃げたのだ。捕まっているメルシルンのことも思い出し、すぐに緊張感が戻ってきた。
「それなら腕輪を取ってもらえますか? これのせいで魔法が上手く使えないんです」
「そうか」
フィルトの魔法のおかげか、腕輪は急に緩まり、鈍い音を立てて床に落下した。それをフィルトは素早く拾い上げる。
ウィンリーナは腕輪がなくなり、体の調子はすっかり良くなった。慌てて立ち上がったあと、フィルトに手を引かれて建物から大急ぎで移動する。ところが、外に出た途端、彼にいきなり抱き上げられた。
「きゃ!」
「すまない。きっとこの方が速いから」
ウィンリーナの脇と膝の下に手を入れられて持ち上げられている。重くないのだろうか。
フィルトの顔を見上げていると、彼のそばに魔力持ちの男が数人集まる。彼の仲間だろうか。
妃候補が三人も一斉に辞退したのだ。何かしら事件性を疑って素早く行動してくれたのかもしれない。
「殿下、こっちです!」
「わかった」
フィルトは示された方角に向かって走り出す。すごい速さだが、しっかりと彼が抱きしめているので、落下しそうな不安定さはない。
(今、殿下って呼ばれなかった?)
「リナ嬢は、フードをかぶった男を探して下さい」
「は、はい!」
余計な思考を中断して目を瞑り、すぐに魔法に集中する。この望遠魔法は、目を開けては脳内に情報が多すぎて使いづらい。
フィルトが進む先を狙って徐々に見える範囲を広げていく。すると、先ほど見かけたフードの男をすぐに捕捉した。周囲ののんびりした様子と比べて、男の様子は明らかにおかしいからだ。死に物狂いで、荒く呼吸をしながら、どこかに走り続けている。
「いました。どこかに走っています」
「目印を言って欲しい」
見える情報をフィルトに伝えると、彼はさらに加速する。飛ぶような勢いで、明らかに人が走る速度ではない気がする。振動が凄まじく、速すぎて怖いので、ひたすら目と口を閉じていた。
その間にフードの男は、大きな屋敷の前にたどり着いていた。門の鐘を鳴らし、急いで家人を呼び出している。
「男がどこかの屋敷に入るようです」
「ああ」
同時にフィルトがピタリと立ち止まる。何があったのかとウィンリーナが目を開くと、眺めの良い高層の建物の上にいて、目の前の豪邸を見下ろしていた。
ちょうどフードの男を望遠の魔法で追っていたときに見た建物と同じだ。家人によって門が開けられて、フードの男が慌てて敷地の中に入っていく。
「あの男を捕まえてないと! メルシルンがまだ人質として捕まっているんです!」
「そうか。なら、あの建物の中に人質がいるか調べてくれ」
「はい!」
ウィンリーナは急いで望遠魔法を展開する。早く彼女を見つけないと、フードの男に殺されてしまうかもしれない。
「いました! 地下にいます!」
「じゃあ、行くぞ。突撃する」
「はい!」
ウィンリーナは気合を入れて返事をする。
「お前たちは、フードの男を確保しろ」
「え?」
振り向けば、フィルトの後ろに男たちがいた。いつの間にいたのか。ウィンリーナは全然気づいていなかった。
「じゃあ、行くよ」
信じられないことにフィルトがウィンリーナを抱えたまま高い位置から飛び降りて地面に落下していく。
もう本当に死ぬかと思った。
怖すぎて思わずフィルトにぎゅっとしがみつく。彼が変な声を漏らして顔を真っ赤にさせていたが、ウィンリーナは必死過ぎて全く気づかなかった。
外から差し込む光を背景に一人の男が入ってきた。影になって顔まで見えない。
「おい、誰だ! 勝手に入るな!」
「誰か助けて!」
男たちの仲間ではないみたいなので、ウィンリーナが侵入者に向かって咄嗟に叫んだ。すると、一瞬で男たちの体が壁に向かって吹き飛んだ。
いや、一人だけ踏みとどまった者がいる。フードをかぶった男だ。彼の周囲に魔法で結界が作られている。無詠唱で魔法を使ったので、かなり腕利きの使い手だ。
「くそっ! 他言したらメイドを殺すといっただろう!」
フードの男が恨めしそうに怒鳴る。
侵入者が魔法で次々と攻撃するが、フードの男だけではなく、周囲にも攻撃していた。そのせいで、爆煙が激しく上がり、店の中はあっという間にボロボロだ。壁に大きな穴が開いている。
フードの男は倒されたのだろうか。部屋中に充満する煙のせいで良く見えない。望遠魔法を使おうにも、まだ腕輪があるせいで魔法が使えなかった。
「リナ嬢、大丈夫か?」
ウィンリーナに誰かが心配そうに声を掛けてくる。部屋の中が白い煙で充満して姿は見えないが、聞き覚えのある声でそれが誰なのか、すぐに正体が分かった。
「フィル様ですか……?」
彼が助けてくれたと気づいて、泣きそうなほど嬉しかった。逃げるようにフィルトの前から消えたのに、こうして心配して追ってくれたのだ。
ウィンリーナは気合を入れて上半身をなんとか必死に起こして、声がしたほうを振り向いた。
「リナ嬢、無事か? すまない、遅くなって」
「いいえ、大丈夫です。フィル様、ありがとうございます」
近づく足音が聞こえる。壁の空いた穴から強い風が吹き込んだとき、一気に煙が流れて消えて視界が急に開けた。
「フィル様……?」
ウィンリーナは思わず息をのんだ。彼も同じように驚愕の顔でこちらを食い入るように見ている。
彼の髪が、黒かった。
そして、ウィンリーナの髪も、カツラがとれて黒かった。
「あの、フィル様、これは一体、どういうことなのでしょうか!?」
頭が真っ白になって、ウィンリーナは何も考えられなくなった。
一方で、フィルトは瞬時に膝をつくと、ウィンリーナの体をぎゅっと抱き寄せてきた。彼の深い安堵の呼吸を体で感じたとき、もう危険はないんだと、安心のあまりに泣きそうになった。
ところが、彼はすぐに体を引き離すと、真剣な顔で食い入るように見つめてきた。
「すまない、詳しい話はあとだ。今は逃がした犯人を追跡したい。だから、リナ嬢の望遠魔法で是非犯人を追ってほしい」
彼の懇願を聞いて、すぐに状況を理解した。
フードの男が逃げたのだ。捕まっているメルシルンのことも思い出し、すぐに緊張感が戻ってきた。
「それなら腕輪を取ってもらえますか? これのせいで魔法が上手く使えないんです」
「そうか」
フィルトの魔法のおかげか、腕輪は急に緩まり、鈍い音を立てて床に落下した。それをフィルトは素早く拾い上げる。
ウィンリーナは腕輪がなくなり、体の調子はすっかり良くなった。慌てて立ち上がったあと、フィルトに手を引かれて建物から大急ぎで移動する。ところが、外に出た途端、彼にいきなり抱き上げられた。
「きゃ!」
「すまない。きっとこの方が速いから」
ウィンリーナの脇と膝の下に手を入れられて持ち上げられている。重くないのだろうか。
フィルトの顔を見上げていると、彼のそばに魔力持ちの男が数人集まる。彼の仲間だろうか。
妃候補が三人も一斉に辞退したのだ。何かしら事件性を疑って素早く行動してくれたのかもしれない。
「殿下、こっちです!」
「わかった」
フィルトは示された方角に向かって走り出す。すごい速さだが、しっかりと彼が抱きしめているので、落下しそうな不安定さはない。
(今、殿下って呼ばれなかった?)
「リナ嬢は、フードをかぶった男を探して下さい」
「は、はい!」
余計な思考を中断して目を瞑り、すぐに魔法に集中する。この望遠魔法は、目を開けては脳内に情報が多すぎて使いづらい。
フィルトが進む先を狙って徐々に見える範囲を広げていく。すると、先ほど見かけたフードの男をすぐに捕捉した。周囲ののんびりした様子と比べて、男の様子は明らかにおかしいからだ。死に物狂いで、荒く呼吸をしながら、どこかに走り続けている。
「いました。どこかに走っています」
「目印を言って欲しい」
見える情報をフィルトに伝えると、彼はさらに加速する。飛ぶような勢いで、明らかに人が走る速度ではない気がする。振動が凄まじく、速すぎて怖いので、ひたすら目と口を閉じていた。
その間にフードの男は、大きな屋敷の前にたどり着いていた。門の鐘を鳴らし、急いで家人を呼び出している。
「男がどこかの屋敷に入るようです」
「ああ」
同時にフィルトがピタリと立ち止まる。何があったのかとウィンリーナが目を開くと、眺めの良い高層の建物の上にいて、目の前の豪邸を見下ろしていた。
ちょうどフードの男を望遠の魔法で追っていたときに見た建物と同じだ。家人によって門が開けられて、フードの男が慌てて敷地の中に入っていく。
「あの男を捕まえてないと! メルシルンがまだ人質として捕まっているんです!」
「そうか。なら、あの建物の中に人質がいるか調べてくれ」
「はい!」
ウィンリーナは急いで望遠魔法を展開する。早く彼女を見つけないと、フードの男に殺されてしまうかもしれない。
「いました! 地下にいます!」
「じゃあ、行くぞ。突撃する」
「はい!」
ウィンリーナは気合を入れて返事をする。
「お前たちは、フードの男を確保しろ」
「え?」
振り向けば、フィルトの後ろに男たちがいた。いつの間にいたのか。ウィンリーナは全然気づいていなかった。
「じゃあ、行くよ」
信じられないことにフィルトがウィンリーナを抱えたまま高い位置から飛び降りて地面に落下していく。
もう本当に死ぬかと思った。
怖すぎて思わずフィルトにぎゅっとしがみつく。彼が変な声を漏らして顔を真っ赤にさせていたが、ウィンリーナは必死過ぎて全く気づかなかった。
52
お気に入りに追加
313
あなたにおすすめの小説
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら
みおな
恋愛
子爵令嬢のクロエ・ルーベンスは今日も《おひとり様》で夜会に参加する。
公爵家を継ぐ予定の婚約者がいながら、だ。
クロエの婚約者、クライヴ・コンラッド公爵令息は、婚約が決まった時から一度も婚約者としての義務を果たしていない。
クライヴは、ずっと義妹のファンティーヌを優先するからだ。
「ファンティーヌが熱を出したから、出かけられない」
「ファンティーヌが行きたいと言っているから、エスコートは出来ない」
「ファンティーヌが」
「ファンティーヌが」
だからクロエは、学園卒業式のパーティーで顔を合わせたクライヴに、にっこりと微笑んで伝える。
「私のことはお気になさらず」
ハズレ嫁は最強の天才公爵様と再婚しました。
光子
恋愛
ーーー両親の愛情は、全て、可愛い妹の物だった。
昔から、私のモノは、妹が欲しがれば、全て妹のモノになった。お菓子も、玩具も、友人も、恋人も、何もかも。
逆らえば、頬を叩かれ、食事を取り上げられ、何日も部屋に閉じ込められる。
でも、私は不幸じゃなかった。
私には、幼馴染である、カインがいたから。同じ伯爵爵位を持つ、私の大好きな幼馴染、《カイン=マルクス》。彼だけは、いつも私の傍にいてくれた。
彼からのプロポーズを受けた時は、本当に嬉しかった。私を、あの家から救い出してくれたと思った。
私は貴方と結婚出来て、本当に幸せだったーーー
例え、私に子供が出来ず、義母からハズレ嫁と罵られようとも、義父から、マルクス伯爵家の事業全般を丸投げされようとも、私は、貴方さえいてくれれば、それで幸せだったのにーーー。
「《ルエル》お姉様、ごめんなさぁい。私、カイン様との子供を授かったんです」
「すまない、ルエル。君の事は愛しているんだ……でも、僕はマルクス伯爵家の跡取りとして、どうしても世継ぎが必要なんだ!だから、君と離婚し、僕の子供を宿してくれた《エレノア》と、再婚する!」
夫と妹から告げられたのは、地獄に叩き落とされるような、残酷な言葉だった。
カインも結局、私を裏切るのね。
エレノアは、結局、私から全てを奪うのね。
それなら、もういいわ。全部、要らない。
絶対に許さないわ。
私が味わった苦しみを、悲しみを、怒りを、全部返さないと気がすまないーー!
覚悟していてね?
私は、絶対に貴方達を許さないから。
「私、貴方と離婚出来て、幸せよ。
私、あんな男の子供を産まなくて、幸せよ。
ざまぁみろ」
不定期更新。
この世界は私の考えた世界の話です。設定ゆるゆるです。よろしくお願いします。
王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました
さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。
王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ
頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。
ゆるい設定です
あなたには彼女がお似合いです
風見ゆうみ
恋愛
私の婚約者には大事な妹がいた。
妹に呼び出されたからと言って、パーティー会場やデート先で私を置き去りにしていく、そんなあなたでも好きだったんです。
でも、あなたと妹は血が繋がっておらず、昔は恋仲だったということを知ってしまった今では、私のあなたへの思いは邪魔なものでしかないのだと知りました。
ずっとあなたが好きでした。
あなたの妻になれると思うだけで幸せでした。
でも、あなたには他に好きな人がいたんですね。
公爵令嬢のわたしに、伯爵令息であるあなたから婚約破棄はできないのでしょう?
あなたのために婚約を破棄します。
だから、あなたは彼女とどうか幸せになってください。
たとえわたしが平民になろうとも婚約破棄をすれば、幸せになれると思っていたのに――
※作者独特の異世界の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。教えていただけますと有り難いです。
初恋の兄嫁を優先する私の旦那様へ。惨めな思いをあとどのくらい我慢したらいいですか。
梅雨の人
恋愛
ハーゲンシュタイン公爵の娘ローズは王命で第二王子サミュエルの婚約者となった。
王命でなければ誰もサミュエルの婚約者になろうとする高位貴族の令嬢が現れなかったからだ。
第一王子ウィリアムの婚約者となったブリアナに一目ぼれしてしまったサミュエルは、駄目だと分かっていても次第に互いの距離を近くしていったためだった。
常識のある周囲の冷ややかな視線にも気が付かない愚鈍なサミュエルと義姉ブリアナ。
ローズへの必要最低限の役目はかろうじて行っていたサミュエルだったが、常にその視線の先にはブリアナがいた。
みじめな婚約者時代を経てサミュエルと結婚し、さらに思いがけず王妃になってしまったローズはただひたすらその不遇の境遇を耐えた。
そんな中でもサミュエルが時折見せる優しさに、ローズは胸を高鳴らせてしまうのだった。
しかし、サミュエルとブリアナの愚かな言動がローズを深く傷つけ続け、遂にサミュエルは己の行動を深く後悔することになる―――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる