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第五章 守護者とコアと中年冒険者

初守護者と中年

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 二十五層のスノーゴーレムを瞬殺して、

「よし次からちょい気合い入れるか! っと職業変えないとな。槍士もLv25までいってるし……騎士とかもでてるが、やっぱ基本をコンプしたいよなぁ。狩人にしたいけど弓ないからここは戦士でいいか。」
 とステータスをいじり。

「っしや! 行くかぁ!」
 と、二十六層、視界が悪いがマップ確認でガンガン動く、敵はヒョウ?

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
ブリザードジャガー ランクC
レベル50
獰猛で氷魔法と俊敏な動きで狩の名手
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

 速さ勝負でいきますか、って後ろ取られちゃダメでしょっと! 

 気付かず、一太刀で絶命するブリザードジャガー。ドロップを拾い、次の獲物に向かって走る。

 二十七層、

「ここはもう雪じゃなく氷だねぇ」

 氷の上で素早く動く、アザラシにペンギン。

「鋭い角が無ければ可愛らしいのに……」
 と風魔法で少し浮いて向かって行く。

 残るのは黒い煙ばかり、ドロップを拾い下に行く階段に向かってると、氷を砕いて下から出てきた……トド?

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
マジックウォールラス  ランクC
レベル55
前方に曲がった長い牙で獲物を串刺しにする防御魔法を使用する。
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

 ウォールラス? なんだろ? 学が無いとダメだなぁっと、攻撃を躱し剣で攻撃すると何かに阻まれる。

「防御魔法か、それ欲しいな! スキルにあったっけ?」
 と動きの遅いウォールラスの背後に回り剣で攻撃するもまた阻まれる。

「こりゃ単発じゃダメか、全身防御できるのか?」
 と獄炎牢を使用、がノーダメージ。

「うーむ、んじゃ力比べすっか!」

 前に周り牙をガシッと掴むと、

「おおおおおううううううりりゃゃゃ‼︎」
 と巨体を投げ飛ばす。

「これなら行けるな!」
 と体制を整えていないウォールラスに向かっていきまた牙を掴み上空に放り投げる。

 落下地点に土金魔法でぶっとい円錐を作り、落ちてくるのを待っていると。

 バリンッと防御魔法が割れる音がしてウォールラスが刺さり、黒い煙になっていく。

「てかこれボスクラスじゃねーの?」

 ドロップを拾い、階段横にあった宝箱を開けるが特別なものはない。

 二十八層、スノーゴーレム ナイト。
 ランクC、

 核を探すの面倒くさいから、細切れにしたら今度はちゃんと心臓の位置にあった。

 まぁ数は多いが弱点分かれば楽だな。

 早く終わったが、寒いなぁ、こりゃはやく三十層通過しないと。

 二十九層……ん? 

 なんで雪が無いんだ?
 寒くはあるけどそこまでだな。

 とりあえずマップにしたがって歩いていると、子供?

「おじちゃんだーれ?」

 白い髪で和服の女の子か、ゆっくりしゃがんで目線を合わせて、

「おじちゃんは上から降りて来たんだけど、ここはどこかな?」

「ここ? んーと、ここ!」

 いい笑顔だ! んー、大人はいるかな?

「お母さんとかはいるかな?」

「いるー! あっちー!」
 と手を取って走っていく。

 やけに冷たい手だな、って階段降りてくぞ。

「おかあさーん、これおじちゃーん」

 扉を開けて、大声で叫ぶ、
 三十層のボスは雪女かよ。

 こっちを振り向きニッコリ笑うと、

「あらあら寒いところ、ようこそおいで下さいました。なんのおもてなしも出来ませんが、ゆっくりしていって下さいね」

 同じ白い髪で和服の雪女。綺麗で、はかない感じが雪女っぽいよなぁ。

「え? えっと、はぁお言葉に甘えてゆっくりさせていただきます」
 と純和風の部屋で、座布団を引いてもらい、座って冷たいお茶を頂く。


 話をすると、雪女さんはこのダンジョンの守護者のようだ。コアを守っているらしいが、別にやりたくてやっていたわけじゃない。

 安全だから子供と暮らしていたそうだ。

「それではこのダンジョンは成長しないんですか?」

「はい、初期ダンジョンはコアが弱く、30層が限界ですね。魔素は補充されるので、勝手に上の層にモンスターが湧きますし。でも星が慣れれば、また進化したコアが生まれ、深い階層のダンジョンができると思います」

 そっか、ここは深くならないし、魔素も吐き出してるから失くさない方がいいな。

「ですが貴方が来たという事は、このままですとその内ここが潰されてしまいますね。まぁその時は仕方有りませんね」

「……それでは二十八層の階段を隠蔽しましょう! それなら気付かれることもないでしょうし、ダンジョンも魔素を吐き出し続け、ダンジョン産のもので人間も潤う! win-winですね!」

「うぃんうぃん!」
 子供が笑顔で真似してる。

 雪女さんはビックリしていたが頭を下げてお礼を言ってきた。

「ありがとうございます、何もお礼が出来ませんので……私の身体で……」

俺は慌てて、
「これ! 見て! みて! 指輪! 結婚してるの!」
 と左手の指輪を見せる。

「ですが殿方は「違うの! 俺はそういうのやなの! 浮気ダメ! 絶対! わかった? わかった?」分かりました、それでは気が変わればいつでも、よろしくお願いしますね」

 あー、焦った、昔の俺ならすぐ飛びついてた。

「ではこの二層で、ゆっくり生活して下さい。何か必要なものはありますか?」

「いえ、魔素も多いですし、コアに頼めば食料もあります。それでもと言われるのならとの「却下!」……むぅ」

 ムクれても雪女さんは綺麗なんですがね。

「んじゃたまにですが遊びにきますよ、他のダンジョンも行ってるので、頻繁には来れませんがね」

「やったぁ、おじちゃんまた来てね」

「あぁ、また来るね」

「雪女さん、一応自衛はできますよね?」

「雪菜です!……最下層の守護者なので人間くらいなら」

「じゃあ雪菜さん、隠蔽も完璧では無いのでもし他の人間が入ってきたら追い返して下さいね」

「わたしセツ!」

「そっかセッチャンだね、よろしくね」

「うん!」
 セッチャンはピョンピョンと飛び跳ねている。可愛らしいこった。

「それではそろそろ、隠蔽もしないといけないのでお暇させてもらいます」
 と立ち上がると、

「これをお持ち下さい。雪結晶のペンダントになります。貴方を守ってくれると思いますので」
 と雪菜さんに渡されたペンダントをつけて、

「ありがとうございます。ではまた来ますね! セッチャンまたね」

「またねー」
 と別れ二十八層の階段に隠蔽を施し、二十五層まで駈け上がる。

 多分ペンダントの効果なのか寒くなくすんなり二十五層に到着し、転移陣で外に、一応解析してみると。

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
雪結晶のペンダント
愛を込めた雪女のペンダント
機能:防寒 
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

 性能いいのに重いわ!
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