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第十話
しおりを挟むラビオン達とは交代で夜番に立つ事になった。
俺はラビオンと一緒だ。
ラビオンと焚き火を囲んでいると、
「何の為に迷宮街に?」
「ん?成長の為かな?」
俺はレベル上げのつもりだが、そう言えばみんなは何の為にダンジョンに潜るんだろう?
「そうか、ルシエは伸び代がありそうだな」
「ラビオンは何の為に?」
「…そうだなぁ。金の為もそうだし、ダンジョンにはロマンがあるからなぁ」
「あはは、ロマンかぁ」
俺は黙ってラビオンを『鑑定』してみる。
大剣使いが途中で止まってる?ポイントはあるのに何故だろう?
「ん?なんかしたのか?」
ラビオンは気がついたみたいだ。
「悪いと思ったが『鑑定』してみた。大剣使いでなんか悩みでもあるのか?」
思い切って聞いてみる。
「…まぁな。お前の鑑定はそんなことまで分かるのか?」
「特別だからな」
スキルツリーが見えるなんて言えないし、分かってもらえないだろう。
「なかなか歳には勝てなくてな」
「伸び悩みか?」
「ハハッ!まぁ、そう言うことだ」
「俺に任せてみないか?」
俺は何をしようとしているんだか…
「ん?何とかできるならして欲しいよ」
ラビオンは焚き火に木を入れる。
「分かった」
俺はスキルツリーで止まってる場所、『ゲイル・スラッシュ』を解放する。
「な、なにをした?」
「俺には不思議な力がある。ただそれだけだ」
ラビオンは大剣を持ち出してそれを振り回す。
「は、はは!凄いぞ!俺は壁を超えたんだな!」
「そうか…」
普通は壁になって成長を妨げるのか。
「お前が何をしたのか分からないが、俺にとってのキーマンがお前だったんだな!」
『鑑定』をしてみるともう何個かスキルを取得している。
本当にあれが壁になっていたようだ。
「それは良かった」
「ありがとう!俺はこれでまだ戦える!」
そうか、この力で人を導くことも出来るようだ。
それから眠れなくなったらしいラビオンをおいて、俺はアイラと交代して眠る。
「お前も寝ろ!」
「寝てられるか!こんなにいい夜だぞ!」
解放する時間を間違えたらしいな。
日が昇ると馬車を走らせる。
ラビオン達の馬車の後を追う事になった。
「前方にファングウルフの群れだ!!」
「よし!!任せろ!」
「おい!先に行くな!バカ!」
と馬車を停めると俺達は後ろを警戒する。
やはり挟み撃ちだな。こちらにもファングウルフがやって来た。
「任せて、『ウィンドランス』」
「私も『来たれサラマンダー』」
アイラが風魔法でウルフを蹴散らすと、リミは火の精霊を呼ぶ。
『俺っちに任せろ!』
と火の精霊、サラマンダーは火炎弾を大量に撃ってファングウルフは解体出来ないほど黒焦げにした。
「あぁ、試したくて…ごめんなさい」
「ドンマイ」
「まぁ、気持ちはわかるからいいさ」
新しく覚えたスキルは使いたくなるよな。
前方を見ると馬車より高く吹き飛んでいるファングウルフが見える。
「ラビオンは張り切ってるなぁ」
結局、前方のファングウルフも解体に向かないほどグシャグシャでラビオンはみんなに怒られていた。
それからは順調に街道を走り、次の街に到着する。
「それじゃあ俺らはこの街で一週間程休憩するから、迷宮街でまた会おうな!」
「あぁ!またな!」
ラビオン達と離れるとリミが近寄ってくる。
「ラビオンになんかしたでしょ?」
「少しな」
「…あまり言いたくないけど、その力を無闇に使うと後が大変よ?」
「分かった、今度から注意するよ」
リミが言いたいことも分かるからな。
「そ、じゃあ私達も馬車を置いたら買い物しに出かけましょう!」
「賛成」
宿を決めて買い物をして行く。
昨日の夜は大奮発したから補充しとかないとな。
ってことで買い物は食糧などを中心に買って行く。
収納は時間が止まっているようなので買い過ぎることはないな。
ある程度買い物を済ませて宿に戻る。
今回はこれと言って活躍してないのでポイントは増えていないな。
とベッドで横になっていると“コンコン”とノックする音が。
「開いてるよ」
「やぁ、来てみちゃった!」
「リミか、どうした?」
俺はベッドから起き上がる。
「そ、そろそろいいかなって」
「ん?何が?」
「んもぅ!鈍感!」
と言ってキスをされ押し倒される。
「お、おい」
「好きなの!ルシエを誰にも渡したくない!」
股間に手が当てがわれる。
「こんなになってる…わ、私も初めてだから」
「わ、わかった、や、優しくする」
二人とも裸になり唾液を交換しながら胸を揉み、手は下に伸びて行く。
「あ、んぁ」
リミの嬌声が俺の心を熱くする。
「行くよ、リミ」
「あ、来て!あ、あぁぁぁ!」
くっ、こんなに気持ちいいのか?ダメだ腰が止まらない。
「いいよ!ルシエの好きに動いて」
「くっ、はぁ、はぁ、はぁ、」
「あ、あぁ!ぃ、いく!いっちゃうわ」
「俺もだ!」
「中に出して!」
「あ、あぁ!いくぞ」
「アァァ!!」
二人してベッドで息を荒くして倒れ込むように重なっている。
重いだろうと離れようとするが、抱きしめられキスをする。
こうして二人結ばれたのだが、頭の片隅にはアイラはどうしようなどまた別のことを考える。
「今は私のことだけ考えてよ」
「ん」
本当に心が読めるみたいに当ててくるな。
まぁ、リミのことだけ考える事にした。
その夜は熱くて長い夜になった。
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