上 下
61 / 104

豊田ダンジョン

しおりを挟む

「はあ、ようやくスッキリした」
 ギルマスがクビになって良かったわ。
 もう夕方になっていた。
「家に帰ってユフィに会おう」

「ただいまー!」
「おかえりなさい」
 ユフィが出迎えてくれる。
「今日はすき焼きって食べ物らしいぞ」
「おぉ、豪勢だな」
 上がってリビングにいくと、
「なんじゃお前か!」
「お前の分のすき焼きの肉はないぞ?」
「けっ!なら自分でなんとかするわ!」
 アイテムボックスからクラウンバッファローの肉塊を取り出すと爺婆ズの目が光る。
「なんじゃその肉は?」
「ダンジョン産の肉だ!俺とユフィだけが食っていいんだよー」
「小太郎はほんにいい子じゃからのぉ」
「そうじゃそうじゃ!そんなこと言わんでもええ」
 手のひら返しが半端ないな。
「小太郎、ここに座れ」
「なんだよ親父」
「まぁ、ビールでも飲むか!」
「はぁ、まぁみんなで食べようか」
「「「「「いやっほー」」」」」

 ほんと元気すぎて心配になるぜ。

 さて、次の日は岡崎ギルドに顔を出す。
「小太郎さん!私、ギルマスはいやだって言ったじゃないですか?」
「俺のせいじゃないもん、自衛隊のお偉いさんの指示でしょ?なら文句は俺じゃなくてそっちに言わなきゃ」
「そんなこと言えるわけないでしょ!もう、頭が痛くなる」
「あ、これは渡しとくね」
 返してもらった魔法玉を渡す。
「え?これって」
「返してもらって来た。やっぱりちゃんと使って欲しいからさ」
「あ、ありがとうございます」
 よし、これで一件落着!
「あ、その話もあったんでした。すいませんけど会議室に来てください」
「え!あー!」

 会議室になぜか一般人でいる俺。
「で、小太郎さんの意見を頂きたいのですが」
「ちゃんとした人ならだれでもいいんじゃないかな?」
「それは為人を見てってことですよね」
「そういうことですね」
 会議は白熱してる。強いやつに渡すだの、古参に渡すのがいいだの、自衛隊ってのもいるな。
『転移』

 ふぅ、息が詰まるな。
 三原さんにメールで連絡しとこ。
 さて、俺は豊田ダンジョンに来ていた。
「あ、小太郎様。この度は本当に申し訳ありませんでした」
「いいよ。どうせギルマスから連絡来てたんでしょ?」
「はい、それでも冒険者一人に対してする行為じゃなかったと思いまして」
「いいよ、今後は気をつけてね」
「はい、ありがとうございます」
 よし、この人はいいひとだな。

 豊田ダンジョンに入っていく。
 一階層から順調に進んで昼過ぎには五十階層を抜けた。昼飯を挟んで、一気に百階層まで駆け抜けていく。
 百階層はオロチだった。喋ったりはしない普通の大蛇だ。一刀の元に沈んでもらい、宝箱もゲットし、ランクをアップさせる。
 今日はここまでにしといて、明日また来よっと。
 ドロップ品の買取はいつも通り時間がかかる。さすがに五十階層までで止めたいた。それでも五百万はオーバーしたから儲け物だな。

 そろそろユフィをつれて行きたいんだが、戸籍の方はどうなっているのだろう?
「親父?ユフィの戸籍はどうなった?」
「ん?そんなもんとっくに出来とるし、ささ婆の養子になっとるよ」
「は、早く言えよ!これで冒険者になれるな!」
「馬鹿言え!危ない冒険者なんぞにしてたまるか!」
「お父さん。私は冒険者になりたいよ」
「ほらユフィもこう言ってるだろうが」
 ユフィが言うと親父も強く出れない。
「まぁ、冒険者になるのはいいが、必ず守れよ!」
「分かってるよ」
 ようやくユフィとダンジョンに潜ることができる。

「ちゃんとお弁当もった?お箸は入ってるからね」
「ささ婆。大丈夫だって」
「お前さんの心配じゃないわい!ユフィ、きをつけるんじゃぞ?」
「「「ユフィちゃーん」」」
「うっせー!爺婆ズも久しぶりに五人で羽伸ばしてこいや」
 温泉のチケットを渡す。
「けっ!こんなもんで騙されんぞ!」
「じゃあいらな「いるにきまっとろうが」」
 そんなこんなでようやくダンジョン。

 豊田ダンジョン 百階層
「ここからスタートだがだいじょうぶか?」
「うん、腕が鈍ってないか確かめながらいくね」
「よし、いくぞ」
 ユフィの腕は鈍っていなく、逆にキレッキレであった。
“ビュッ”
 キマイラの頭部に命中し倒す。
「なんだか調子が良いみたい!」
「な、なら良かったな」
 特級になった豊田ダンジョンなので百五十階層まである。
 
「楽しいね」
「ダンジョンを楽しめるのは凄いな」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!

町島航太
ファンタジー
 ひょんな事から異世界に召喚された木村哲郎は、救世主として期待されたが、手に入れたスキルはまさかの「買取」。  ハズレと看做され、城を追い出された哲郎だったが、スキル「買取」は他人のスキルを買い取れるという優れ物であった。

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~

夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。 しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。 とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。 エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。 スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。 *小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

僕は弟を救うため、無自覚最強の幼馴染み達と旅に出た。奇跡の実を求めて。そして……

久遠 れんり
ファンタジー
五歳を過ぎたあたりから、体調を壊し始めた弟。 お医者さんに診断を受けると、自家性魔力中毒症と診断される。 「大体、二十までは生きられないでしょう」 「ふざけるな。何か治療をする方法はないのか?」 その日は、なにも言わず。 ただ首を振って帰った医者だが、数日後にやって来る。 『精霊種の住まう森にフォビドゥンフルーツなるものが存在する。これすなわち万病を癒やす霊薬なり』 こんな事を書いた書物があったようだ。 だが、親を含めて、大人達はそれを信じない。 「あての無い旅など無謀だ」 そう言って。 「でも僕は、フィラデルを救ってみせる」 そして僕は、それを求めて旅に出る。 村を出るときに付いてきた幼馴染み達。 アシュアスと、友人達。 今五人の冒険が始まった。 全くシリアスではありません。 五人は全員、村の外に出るとチートです。ご注意ください。 この物語は、演出として、飲酒や喫煙、禁止薬物の使用、暴力行為等書かれていますが、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。またこの物語はフィクションです。実在の人物や団体、事件などとは関係ありません。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

ママチャリってドラゴンですか!? ~最強のミスリルドラゴンとして転生した愛車のママチャリの力を借りて異世界で無双冒険者に~ 

たっすー
ファンタジー
フードデリバリーをしていたオレは、仕事中の事故で死んでしまい、異世界に転生した。 だけど転生した後も日雇い仕事に精を出すだけのうだつのあがらない毎日は変わらなかった。 そんなある日、路地裏の揉め事に巻き込まれる。 手酷い暴行を受け意識を失ってしまったオレを宿まで運び傷を治してくれたのは、オレよりも遅れてこの世界に転生してきた、元の世界にいた頃の愛車(ママチャリ)シルバーチャリオッツ号だった。 シルバーチャリオッツ号はこの世界にドラゴンとして転生してきており(でも見た目は自転車のまんま)、思念伝達のスキルで会話ができる(でもちょっとウザい)オレの相棒となる。 転生にともなって思念伝達以外にも様々なスキルを獲得していたシルバーチャリオッツ号は、この世界では超つよのチートドラゴンだった(でも見た目は自転車)。 転生前の自炊生活で学んだオレの料理の知識と、シルバーチャリオッツ号のチート能力を駆使して、オレたちは様々な問題を解決していく。 最強ママチャリとちょっと料理ができるだけのオレの異世界活躍譚。 あれ、もしかしてオレってオマケ?

処理中です...