おっさんSジョブで無双する

第57話

「目を覚ましましたか！良かったです！」
「ここは？」
「街の宿屋になります」
「そうか。奴隷はどうなった？」
　セシリアは少し逡巡して、
「すべての奴隷が解放されました。すべての奴隷が元の国に帰ったようですが、それで戦争が起こってます」
「それはもう俺の手に負えないな」
「はい！あとは私達国民がどうするかですね」
　セシリア達は残ることに決めたようだ。
「よし！なら俺は帰るぞ！」
「はい！いままでありがとうございました」
「ハハ！俺は何もしていない」
「いえ、私達を助けてくれましたから」
「たまに見にくるから助けがいる時は呼んでくれ」
「ありがとうございます」
　セシリアは腰を深く折る。
「じゃあな！」
「はい！」
　扉を開くとカタリナ達がいた。
「私はこのまま冒険者に戻る！」
「そうか、他のみんなも家があるんだろ？」
「「「はい」」」
「なら元通りってことか」
「そうだな。元通りになるといいな」

　別れて80階層にいくと魔王が、
「神の力を使ったのか？」
「あぁ、使い勝手がいいな」
「まぁ、ルールを決めただけのようだが、いいのか？」
「何がだ？」
「あいつらはルールの隙をついてくるぞ？」
「ハハ、簡単なルールだ。しかももうエルフもドワーフもいないな！」
「そうだな、あとは人間だけでなんとかするだろう」

　そう、あとは人間だけだ。

「それじゃあ俺は戻るとするか」
「あぁ、また来いよ？新作を持ってな！」
「わかったよ！」
　80階層から外に出るとようやく普通に戻った気がするな！

「セシリアさん達は？」
「元の王国に戻ったよ」
「じゃあ、私の仕事はツクヨさんだけですか」
「ん？あぁ。そうみたいだな」
　ツクヨはピッタリくっついて来たみたいだ。
「私の居場所はユウ様のところ」
「そうか、なら一緒だな」
「はい！」
　嬉しそうに笑うツクヨ。

「ユウ、私はアメリカに帰ることになったよ」
「ダナ、急だな？」
「スタンピートもないしこれ以上ここにいてもユウは来ないからね」
「あはは、そうだな」
「もう！少しくらいは悲しんでよね」
「悲しいが友達が帰るんだ、笑って別れたいからな！」
「そうね！じゃあバイバイ」
「あぁ、またな」
　ダナは帰って行った。
「しゃー！ダナが帰ったね！」
「お前ら、いたのかよ」

　イロハに叶、クリスに杏がいる。
「あはは、気づかなかったの？」
「ずっといたのに！」
「気配消してただろ？」
「えへ、バレた？」

　しかし長かったな。
　結局はダンジョンを最後まで見てないけどこれで人間国も少しはまともに進んでいくだろ？
　戦争はあると思うけどな。

「それより飲みに行こう！」
「あぁ、いいなそれ」
「私もいく」
「じゃあ私もいかないといけませんね」
「爺さんも呼ぶか」
「ユウの奢りでね！」
「またかよ！いいけどさ」
「ほらさっさと行こうよ」
　と背中を押され居酒屋に行く。

「カンパーイ！」
「ほらユウ飲んで飲んで！」
「飲んでるよ！それより爺さん、スキルボールはまた集まったか？」
「おう、また見に来てくれよ」
「わかった！」
「お待たせしました！」
「ようヒロシ！今は何階層なんだ？」
「まだ33階層ですよ！」
「なんだ、まだそんなとこか」
「きぃー！皆さんは強いからしょうがないでしょ？！」
　とヒロシも来てどんちゃん騒ぎが加速する。

「ツクヨは飲んでるか？」
「うん、梅酒美味しい」
「あはは、そうか！良かった」
　
　そう、こんな日が続くのが俺の理想だな。
「セシリアやダナがいなくなったから、これからが楽しみだね！」
「全員で狙うからね！」
「私が守る」
「どうかなぁ！ユウも覚悟しててよ！」
「あはは、いいぞ！早く孫の顔がみたいぞ！」
「コラジジイ！たきつけるな！」

　さぁ、ビールでも飲んでまた明日だな。