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新たな家族
第二十九話
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ローズに呼ばれノエルが合流する。
「いらっしゃい、ノエル。」
「奥様、どうされたんですか?」
「2人に見せたいものがあるの。」
シエルとノエルは首を傾げながらローズに着いていくと城の玄関にたどり着き、執事とメイドに衣服を渡される。
「外は寒いわ?ちゃんと着込まないとね。」
そう言ってローズは2人にマフラーを巻くと玄関を出る。
「お、奥様?どちらに向かわれるのですか?」
「さぁ、おいで、、、」
ローズは2人に手を差し伸べるだけで何も語らなかった。
シエルは馬車の窓からあまり見ぬ街並みを目で追っていた。
ノエルは初めてでは無いのか「うわぁ!街だ!おばさん達は元気かな!」と声高々に窓にへばりついていた。
「ノエル、危ないわよ。」
クスリと微笑みながらノエルに座るように制するローズ、そんな彼女をシエルは不思議そうに、、、懐かしそうに見ていた。
「どうしたの?シエル。あ、街に近づいてきたわ。少し寄り道させて?」
馬車はある花屋の前で止まる。
馬車からおりるローズに手を出しエスコートするシエルはひとつの花に目が止まっていた。
「ありがとうシエル。」
ノエルはシエルがみていた花に気が付き声を上げる。
「あ!ハニーフラワーだ!僕もこの花好きだよ!」
「綺麗ね、ふたりともこの花が好きなの?」
「うん!シエルも好きなの?」
「え?あ、あぁ、、、好きかな。」
その名の通り、蜂蜜色の花びらに微かに香る甘い蜜のような香り。
ローズは店主に購入の意を伝えるとひとつ花を手に取り香りを楽しむと微笑みながら2人に目を向ける。
「あなた達の瞳と同じ色ね。」
優しく微笑みながら言うローズにシエルは言う言葉が見つからなかった。
「さ、行きましょう?」
シエルとノエル、それぞれも買ったハニーフラワーの花束を持ちながら再び馬車に乗り込む。
「奥様もこの花お気に召したのですか?お城に飾りましょうか?」
シエルの言葉に花を眺めながら「いいえ」と一言だけ返す。
「この花はお城に飾るものでは無いから。」
それからしばらく、町外れの方を走っていくと墓地が見えてきた。
「お墓だ!」
馬車から降り、他の数多のお墓から少し離れた所にひとつぽつんと真新しい墓が建っていた。
17○○~17△△ フロース・ウェール
双子の良き母
ここに眠る
墓石に掘られた文字を文字を習っていないノエルにも分かるようにシエルが呟く。
「これ、母様のお墓?」
「えぇ、さぁ お母様にあなた達の好きな花をお供えしてあげて?きっと喜ぶわ。」
シエルは静かに涙を流し始め、花を持つ手が震えていた。
「あなた達の瞳と同じ色のお花ですもの。」
「あぁ、、、あぁぁ、、」
「これでお別れということではないわ。本邸に帰っても会いたくなったらいくらでも連れてきてあげる。」
泣き崩れるシエルとノエルを優しく抱きしめる。
「フロース、良き夢を。」
次回に続く!
シエル&ノエル編 完結にございます!
次回からやっっっと!リアムが!
感想お待ちしております!
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「あ!ハニーフラワーだ!僕もこの花好きだよ!」
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「あぁ、、、あぁぁ、、」
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「フロース、良き夢を。」
次回に続く!
シエル&ノエル編 完結にございます!
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