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アストルム騎士団創立編
第33話 ヒナ、初めての茶会
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「ダリア様、ダンディス伯爵令嬢から茶会のお誘いが来ております。」
「ダンディ?知らないな、私の家と親しいのか?」
手紙を持ってきたロランに聞いてみるが首を横に振るだけ。
「ただ、ダンディス伯爵は先日デミウド公爵のパーティに呼ばれております。」
「第3王子が成長していくにつれてデミウド公爵の動きが活発になっていくな。その茶会の招待は私宛か?」
「それが、、、」
なんだか嫌な予感する、、、、
「ヒナ様宛でございまして。ぜひ、公爵家の一員となったお祝いをしたいと。その茶会にはぜひダリア様もと。」
そんなもの嫌がらせしてやるから茶会に来いって言ってるようなものじゃないか。
「なるほどね、伯爵令嬢の誘いとはいえ無碍にする訳にはいかないな。」
所作やマナーはリアーナに教えられて今では公爵令嬢の名を汚さぬ程度には取得済みだ。
見た目はあの美しさなら磨けば私より麗しくなるだろう。
「たかが茶会、されど茶会。」
私はデザイナーや美容師を屋敷に呼び集めヒナの茶会用ドレスを作らせ髪型も吟味させた。
茶会のことをヒナに全てを伝えると怯えてはいたが私も一緒に行くと伝えると安堵し茶会を頑張るとやる気を出していた。
もちろん、茶会では歓迎されないだろう。
しかし、公爵令嬢としてこのような場に相応しいのだと示すには絶好の機会だ。
そして、公爵家の力を示すための機会でもある。
コンコン、
「入るぞ。」
部屋に入るとドレスを選ぶヒナと多数のメイドが控えていた。
「お兄様!」
「ドレスは決まったか?」
「その、それがどの色にしようか迷っておりまして。お兄様はわたくしにはどの色が似合うと思いますか?」
口調も上品になったし肉付きも良くなった。
上々だろう。
「色か、お前の銀髪は何色にでも映える。」
「そ、それでは決まりませんっ」
「んー、ならこの色はどうだ?」
茶会当日 ダンディス邸
馬に乗った見習い騎士が護衛する豪華な馬車にヒナを乗せ、私はその馬車の隣を馬で並び進んでいた。
今日は公式な茶会ではあるがドレスなど選ばなかった。
これから私は知ら閉める必要がある。
家のものだけではなくこの貴族社会に知ら閉める必要が。
「見て、あの美麗な殿方。クロウリー家の騎士団の方かしら。」
「でもまだ成人していらっしゃらないようだけど?」
「だってご令嬢のお茶会ですもの、きっと騎士見習いを遣わせたのですわ。」
「まぁ、では次期騎士団長様かしら!」
「でもダリア様もお可愛そうですわよね、」
「ヒナ嬢のことでしょう?本当に、平民を貴族と呼ばなければならないなんて。」
皆がそう噂をしていると公爵家の馬車が屋敷の敷地内に到着した。
美麗だと噂された御仁は馬から颯爽と降り立ち馬車から降りる銀髪の美しい少女に手を差し伸べエスコートをする。
深き海の様な髪色の騎士と雪のように白銀な髪をなびかせる姫は周りの世界と断絶された絵本の中にいるみたいな光景だった。
出迎えた主催者のダンディス伯爵令嬢の前に2人が歩み寄ると挨拶を始めた。
「ダンディス伯爵令嬢、本日はお招きありがとうございます。ダリア・クロウリーでございます。」
「ひ、ヒナ・クロウリーでございます。」
「だ、ダリア様ですか?そのお姿は、、、」
「我が家に新しく妹のヒナが迎え入れられたことを祝す席とのことです。主役より目立つ訳には参りません。」
「それに、、、」
チラリと後ろに控える騎士見習いを見ながら口の端を少し上げながら
「私はいずれこの者たちと共に騎士団を作り上げていくつもりです。聖女候補選抜もある事ですし。」
周りの令嬢はダリアの姿を見て感嘆のため息をこぼしていく。
「さぁ、ヒナ。ダンディス令嬢にお礼を。」
「こ、この度はわたくしのためにお茶会を開いて下さり誠にありがとうございます。」
「よく出来たね、ダンディス令嬢 この通り妹はこういう場は初めてです。何卒無礼などがあってもご容赦ください。」
少しだけ口角を上げて微笑むとダンディス伯爵令嬢含め周りの令嬢も頬を染めて黙って頷いていた。
𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭🌌
「ダンディ?知らないな、私の家と親しいのか?」
手紙を持ってきたロランに聞いてみるが首を横に振るだけ。
「ただ、ダンディス伯爵は先日デミウド公爵のパーティに呼ばれております。」
「第3王子が成長していくにつれてデミウド公爵の動きが活発になっていくな。その茶会の招待は私宛か?」
「それが、、、」
なんだか嫌な予感する、、、、
「ヒナ様宛でございまして。ぜひ、公爵家の一員となったお祝いをしたいと。その茶会にはぜひダリア様もと。」
そんなもの嫌がらせしてやるから茶会に来いって言ってるようなものじゃないか。
「なるほどね、伯爵令嬢の誘いとはいえ無碍にする訳にはいかないな。」
所作やマナーはリアーナに教えられて今では公爵令嬢の名を汚さぬ程度には取得済みだ。
見た目はあの美しさなら磨けば私より麗しくなるだろう。
「たかが茶会、されど茶会。」
私はデザイナーや美容師を屋敷に呼び集めヒナの茶会用ドレスを作らせ髪型も吟味させた。
茶会のことをヒナに全てを伝えると怯えてはいたが私も一緒に行くと伝えると安堵し茶会を頑張るとやる気を出していた。
もちろん、茶会では歓迎されないだろう。
しかし、公爵令嬢としてこのような場に相応しいのだと示すには絶好の機会だ。
そして、公爵家の力を示すための機会でもある。
コンコン、
「入るぞ。」
部屋に入るとドレスを選ぶヒナと多数のメイドが控えていた。
「お兄様!」
「ドレスは決まったか?」
「その、それがどの色にしようか迷っておりまして。お兄様はわたくしにはどの色が似合うと思いますか?」
口調も上品になったし肉付きも良くなった。
上々だろう。
「色か、お前の銀髪は何色にでも映える。」
「そ、それでは決まりませんっ」
「んー、ならこの色はどうだ?」
茶会当日 ダンディス邸
馬に乗った見習い騎士が護衛する豪華な馬車にヒナを乗せ、私はその馬車の隣を馬で並び進んでいた。
今日は公式な茶会ではあるがドレスなど選ばなかった。
これから私は知ら閉める必要がある。
家のものだけではなくこの貴族社会に知ら閉める必要が。
「見て、あの美麗な殿方。クロウリー家の騎士団の方かしら。」
「でもまだ成人していらっしゃらないようだけど?」
「だってご令嬢のお茶会ですもの、きっと騎士見習いを遣わせたのですわ。」
「まぁ、では次期騎士団長様かしら!」
「でもダリア様もお可愛そうですわよね、」
「ヒナ嬢のことでしょう?本当に、平民を貴族と呼ばなければならないなんて。」
皆がそう噂をしていると公爵家の馬車が屋敷の敷地内に到着した。
美麗だと噂された御仁は馬から颯爽と降り立ち馬車から降りる銀髪の美しい少女に手を差し伸べエスコートをする。
深き海の様な髪色の騎士と雪のように白銀な髪をなびかせる姫は周りの世界と断絶された絵本の中にいるみたいな光景だった。
出迎えた主催者のダンディス伯爵令嬢の前に2人が歩み寄ると挨拶を始めた。
「ダンディス伯爵令嬢、本日はお招きありがとうございます。ダリア・クロウリーでございます。」
「ひ、ヒナ・クロウリーでございます。」
「だ、ダリア様ですか?そのお姿は、、、」
「我が家に新しく妹のヒナが迎え入れられたことを祝す席とのことです。主役より目立つ訳には参りません。」
「それに、、、」
チラリと後ろに控える騎士見習いを見ながら口の端を少し上げながら
「私はいずれこの者たちと共に騎士団を作り上げていくつもりです。聖女候補選抜もある事ですし。」
周りの令嬢はダリアの姿を見て感嘆のため息をこぼしていく。
「さぁ、ヒナ。ダンディス令嬢にお礼を。」
「こ、この度はわたくしのためにお茶会を開いて下さり誠にありがとうございます。」
「よく出来たね、ダンディス令嬢 この通り妹はこういう場は初めてです。何卒無礼などがあってもご容赦ください。」
少しだけ口角を上げて微笑むとダンディス伯爵令嬢含め周りの令嬢も頬を染めて黙って頷いていた。
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