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38 甘い時間 ※
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「あ、やぁぁぁぁ! ま、アル、あん! だめ、ダメだよぉぉ!」
後に倒れそうになったけど、それよりも何よりも見っちゃったものがあまりにも衝撃的過ぎて、なんとかしたい一心で僕は兄様をそこから引きはがすべく、金色の髪をわしゃって掴んでしまった。
一応、その、こういう事が初めてっていうわけではない。だけどね。明るい浴室のお風呂の縁で、兄様の頭を掴んで、それを舐められているというのはね、もうね、駄目でしょ! ありえないから!
「はな、離して、あん! やぁん!」
「……気持ち良くない?」
ね、ねぇ! 足の間で視線だけ上げて話すのは無しです!
「よ、よすぎです! もうだめ!」
「じゃあ、イっていいよ」
「あ、あ、あぁぁぁ!」
熱が弾けてクタリとなった身体を、抱き留めた兄様はそのまま僕を抱き上げてお風呂を出た。
「大丈夫? エディ」
「……ダメです。大丈夫じゃないです」
「ふふふ、それは困ったな」
兄様はちっとも困っていないみたいに言って、ふわって魔法を使った。濡れていた筈の身体があっという間に乾いてしまう。そうしてそのままベッドの上にポスンって下ろされて、今度はそっと後ろに手が触れた。
「!!」
何をされたのか、勿論分かった。洗浄魔法だ。
「ごめんね、でもさすがにこのままは辛いなって」
「……はい、えっと、大丈夫」
そのままそっと重なって来た身体の重みに、なぜかホッとして、僕は兄様の背中に手を回した。
「やっぱりこの方がいいです。あと、もう少し部屋が明るくない方がいいです」
「そう? 私はエディの顔がよく見えて嬉しいけど」
「…………アル、もしかしてちょっと怒ってます?」
「怒ってないよ。話をしているうちにあんなに色々な事を次々に考えていたのかなんて、ちょっと驚いたけど、エディだもの。うん。ショックだったなんて思っていない」
「…………えっと……そう、ですか」
どうしたらいいのかなって思わず考えてしまった僕に兄様は吹き出すように笑ってほっぺたや額、そして唇に触れるだけの口づけを降らし始めた。
「今日はね、もう少し付き合って。いつもとは少しだけ違う事をしたいんだ」
「違う事?」
「うん。その、方法は同じなんだけどね。もう少し、奥に行かせてほしいんだ」
「奥?」
「嫌だったり、怖かったらやめるからちゃんと言うんだよ」
そう言った兄様は僕を見て、今度は深く口づけてきた。
深く、という意味を僕はちゃんと分かっていなかった。
いつもと同じように愛されて、身体がとろけるようになって、一つになるそこに香油をたっぷりと塗りこまれて……
「あぁ! アル……ふぁ!」
肩にかけられた足が揺さぶられる度にゆらゆらと揺れているのが見える。
身体中が心臓になってしまったみたいにバクバクとして、繋がっている所が熱い。
「ひぁ! あ、あ、あん! んん……っ……」
揺さぶられる度に香油がクチュクチュと音を立てて、中の一点をこすられる度に快感が走って、苦しいって思った。
「も、もう……」
「もう少し……ほら、この奥」
「あああ! だめ……」
触られてもいないのに、そこから白いものが弾けて僕はポロポロと泣き出してしまった。
「ごめんね。やっぱり怖かったかな……少しずつ慣らしていこうか」
「あ、ふ……どし……て」
「うん? もう少し奥まで繋がると気持ちよくなるって聞いたから。一緒に気持ちよくなれればと思ったんだよ。でも無理はいけないから今日はここまでにしようね」
「いっしょに……?」
「うん?」
「アルも、気持ちいい?」
「もちろん。いつも気持ちいい。愛してるよ」
「じゃあ……も……もっと気持ちよく……して?」
「…………私の奥さんは誘い上手で、困るな。今にもイッてしまいそうだよ」
小さく溜め息をついて髪を掻き上げた兄様に僕は小さく笑ってしまった。うん。兄様はやっぱりカッコいい。
「はや……く、お……おくに、来て」
そしてその少し後に、僕は信じられないような衝撃と、身体の中に広がっていくような熱に、本日三度目の吐精をしながらゆっくりと意識を飛ばしてしまったんだ。
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後に倒れそうになったけど、それよりも何よりも見っちゃったものがあまりにも衝撃的過ぎて、なんとかしたい一心で僕は兄様をそこから引きはがすべく、金色の髪をわしゃって掴んでしまった。
一応、その、こういう事が初めてっていうわけではない。だけどね。明るい浴室のお風呂の縁で、兄様の頭を掴んで、それを舐められているというのはね、もうね、駄目でしょ! ありえないから!
「はな、離して、あん! やぁん!」
「……気持ち良くない?」
ね、ねぇ! 足の間で視線だけ上げて話すのは無しです!
「よ、よすぎです! もうだめ!」
「じゃあ、イっていいよ」
「あ、あ、あぁぁぁ!」
熱が弾けてクタリとなった身体を、抱き留めた兄様はそのまま僕を抱き上げてお風呂を出た。
「大丈夫? エディ」
「……ダメです。大丈夫じゃないです」
「ふふふ、それは困ったな」
兄様はちっとも困っていないみたいに言って、ふわって魔法を使った。濡れていた筈の身体があっという間に乾いてしまう。そうしてそのままベッドの上にポスンって下ろされて、今度はそっと後ろに手が触れた。
「!!」
何をされたのか、勿論分かった。洗浄魔法だ。
「ごめんね、でもさすがにこのままは辛いなって」
「……はい、えっと、大丈夫」
そのままそっと重なって来た身体の重みに、なぜかホッとして、僕は兄様の背中に手を回した。
「やっぱりこの方がいいです。あと、もう少し部屋が明るくない方がいいです」
「そう? 私はエディの顔がよく見えて嬉しいけど」
「…………アル、もしかしてちょっと怒ってます?」
「怒ってないよ。話をしているうちにあんなに色々な事を次々に考えていたのかなんて、ちょっと驚いたけど、エディだもの。うん。ショックだったなんて思っていない」
「…………えっと……そう、ですか」
どうしたらいいのかなって思わず考えてしまった僕に兄様は吹き出すように笑ってほっぺたや額、そして唇に触れるだけの口づけを降らし始めた。
「今日はね、もう少し付き合って。いつもとは少しだけ違う事をしたいんだ」
「違う事?」
「うん。その、方法は同じなんだけどね。もう少し、奥に行かせてほしいんだ」
「奥?」
「嫌だったり、怖かったらやめるからちゃんと言うんだよ」
そう言った兄様は僕を見て、今度は深く口づけてきた。
深く、という意味を僕はちゃんと分かっていなかった。
いつもと同じように愛されて、身体がとろけるようになって、一つになるそこに香油をたっぷりと塗りこまれて……
「あぁ! アル……ふぁ!」
肩にかけられた足が揺さぶられる度にゆらゆらと揺れているのが見える。
身体中が心臓になってしまったみたいにバクバクとして、繋がっている所が熱い。
「ひぁ! あ、あ、あん! んん……っ……」
揺さぶられる度に香油がクチュクチュと音を立てて、中の一点をこすられる度に快感が走って、苦しいって思った。
「も、もう……」
「もう少し……ほら、この奥」
「あああ! だめ……」
触られてもいないのに、そこから白いものが弾けて僕はポロポロと泣き出してしまった。
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「もちろん。いつも気持ちいい。愛してるよ」
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小さく溜め息をついて髪を掻き上げた兄様に僕は小さく笑ってしまった。うん。兄様はやっぱりカッコいい。
「はや……く、お……おくに、来て」
そしてその少し後に、僕は信じられないような衝撃と、身体の中に広がっていくような熱に、本日三度目の吐精をしながらゆっくりと意識を飛ばしてしまったんだ。
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