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第4章 5年間の成長
2巻電子書籍販売開始記念♪「花言葉を君に……」
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※こちらのSSは1巻の感想のお手紙を下さった方へお礼としてお送りした話です。
2巻が出ましたので、こちらで発表させていただきます。
お手紙下さった方、本当にありがとうございました。
大切にしています。
----------------
剣の稽古に向かおうとして二階の廊下を歩きながら小さく聞こえてきた声に、僕は窓の方に近づいて下を見下ろした。
そこには「マリー、ほら大きくなっているよ」と嬉しそうに笑うエディの姿が見えた。どうやら花壇の水やりをしにきたようだ。
魔法が使えるようになってエディが最初にやりたいと言ったのは『水まき』だった。庭師の手伝いをするのだと言う。そして次にやりたいと言っていたのが、この花壇だ。
「ふふふ、可愛らしいけれど、やっぱり悪い事をしてしまったな」
エディが魔法で作った花壇には、おそらくこれから咲き始める筈の、何かの花の苗が並んでいて、その反対側には土の上に藁を敷いてイチゴの苗が植えられている。
花壇を作ったら花を育ててみたいと言ったエディに「イチゴもいいよね」と勧めてしまったのは僕だ。お陰でエディの花壇はまるで畑のようになってしまった。
それでも毎日水やりをして、育てているのを見ると、エディの思い通りに育ってほしいなと思う。
水まき魔法で水やりをして、雑草の確認をした後は、護衛とマリーと一緒に追いかけっこが始まった。どうやらこれがエディの日課らしい。
「今度一緒に入れてもらおうかな」
そう考えながら僕は稽古場へと向かった。
その後からエディの「まてー」という声が聞こえてきた。
◇ ◇ ◇
それから少ししてエディの花壇には、それはそれは見事なイチゴが実った。赤くて大きなイチゴの反対側には、綺麗な青い花が咲いていて僕はなんとなく、そう、なんとなく、これは見てはいけないなって思ったんだ。エディがなんのためにそれを育てているのか、きっと僕は考えたらいけない。僕はその日から窓の下を見ないようにした。そしてその数日後……
「アル兄様、十二歳のお誕生日おめでとうございます!」
ペリドット色の瞳をキラキラとさせて、満面の笑みを浮かべてエディはそう言った。
そして花壇で育てたイチゴを使った、まるで花が咲いているようなケーキが出てきて、青いネモフィラの花は綺麗な栞になっていた。
きっと沢山調べたのだろう、【どこでも成功】というネモフィラの花言葉を伝えてきて、学園に行っても頑張ってくださいという。しかも「まだまだ先だけど」と言いながらペリドット色の瞳がウルウルとしていた。
お礼の言葉を伝えながら、僕はエディの身体をギュッと抱きしめた。するとエディは僕の胸にギュッとしがみついてくる。
「でも、まだまだまだまだ先ですから」
本当になんて可愛い僕の義弟!
愛おしいという言葉の意味が、僕は初めて分かったような気がした。
その後、恥ずかしくなって離れようとしたエディの身体をそのまま抱き上げて、顔を覗き込むようにしながら「エディの顔がイチゴみたいだね」と言うと、エディの顔は更に赤くなって「ふぁ……」という可愛らしい声が漏れ落ちた。
「素敵な誕生日になったよ。ありがとう、エディ」と言いながらイチゴよりも赤い頬っぺたに一つキスをした。
エディはこれ以上赤くなれないほど真っ赤な顔をして俯きながら「どういたしまして」と小さな声で答えた。
◇ ◇ ◇
その後、花壇には他の花が植えられたけれどその隅に僕は小さな苗を一つ植えさせてもらった。
ピンク色のガーベラ。花言葉は『感謝』。
その花が開いた時、君はその意味に気付いて嬉しそうに笑ってくれるかな。
---------------
アル兄様視点のお話でした。
2巻が販売されて半月。何だかドキドキです。
時間枠を整えるのに四苦八苦した巻なので、流れがきちんと伝わって二人の成長や気持ちの変化、小説の内容と近づいて来るじりじり感のようなものが感じていただけたら嬉しいです。
電子版でお迎えくださる方もよろしくお願いいたします。
今回もご感想を編集部にお送りくださった方にはお礼のSSを贈れたらいいなと思っています。
まだ書けていないけど(/ω\)
これからもどうぞよろしくお願いします。
2巻が出ましたので、こちらで発表させていただきます。
お手紙下さった方、本当にありがとうございました。
大切にしています。
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剣の稽古に向かおうとして二階の廊下を歩きながら小さく聞こえてきた声に、僕は窓の方に近づいて下を見下ろした。
そこには「マリー、ほら大きくなっているよ」と嬉しそうに笑うエディの姿が見えた。どうやら花壇の水やりをしにきたようだ。
魔法が使えるようになってエディが最初にやりたいと言ったのは『水まき』だった。庭師の手伝いをするのだと言う。そして次にやりたいと言っていたのが、この花壇だ。
「ふふふ、可愛らしいけれど、やっぱり悪い事をしてしまったな」
エディが魔法で作った花壇には、おそらくこれから咲き始める筈の、何かの花の苗が並んでいて、その反対側には土の上に藁を敷いてイチゴの苗が植えられている。
花壇を作ったら花を育ててみたいと言ったエディに「イチゴもいいよね」と勧めてしまったのは僕だ。お陰でエディの花壇はまるで畑のようになってしまった。
それでも毎日水やりをして、育てているのを見ると、エディの思い通りに育ってほしいなと思う。
水まき魔法で水やりをして、雑草の確認をした後は、護衛とマリーと一緒に追いかけっこが始まった。どうやらこれがエディの日課らしい。
「今度一緒に入れてもらおうかな」
そう考えながら僕は稽古場へと向かった。
その後からエディの「まてー」という声が聞こえてきた。
◇ ◇ ◇
それから少ししてエディの花壇には、それはそれは見事なイチゴが実った。赤くて大きなイチゴの反対側には、綺麗な青い花が咲いていて僕はなんとなく、そう、なんとなく、これは見てはいけないなって思ったんだ。エディがなんのためにそれを育てているのか、きっと僕は考えたらいけない。僕はその日から窓の下を見ないようにした。そしてその数日後……
「アル兄様、十二歳のお誕生日おめでとうございます!」
ペリドット色の瞳をキラキラとさせて、満面の笑みを浮かべてエディはそう言った。
そして花壇で育てたイチゴを使った、まるで花が咲いているようなケーキが出てきて、青いネモフィラの花は綺麗な栞になっていた。
きっと沢山調べたのだろう、【どこでも成功】というネモフィラの花言葉を伝えてきて、学園に行っても頑張ってくださいという。しかも「まだまだ先だけど」と言いながらペリドット色の瞳がウルウルとしていた。
お礼の言葉を伝えながら、僕はエディの身体をギュッと抱きしめた。するとエディは僕の胸にギュッとしがみついてくる。
「でも、まだまだまだまだ先ですから」
本当になんて可愛い僕の義弟!
愛おしいという言葉の意味が、僕は初めて分かったような気がした。
その後、恥ずかしくなって離れようとしたエディの身体をそのまま抱き上げて、顔を覗き込むようにしながら「エディの顔がイチゴみたいだね」と言うと、エディの顔は更に赤くなって「ふぁ……」という可愛らしい声が漏れ落ちた。
「素敵な誕生日になったよ。ありがとう、エディ」と言いながらイチゴよりも赤い頬っぺたに一つキスをした。
エディはこれ以上赤くなれないほど真っ赤な顔をして俯きながら「どういたしまして」と小さな声で答えた。
◇ ◇ ◇
その後、花壇には他の花が植えられたけれどその隅に僕は小さな苗を一つ植えさせてもらった。
ピンク色のガーベラ。花言葉は『感謝』。
その花が開いた時、君はその意味に気付いて嬉しそうに笑ってくれるかな。
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アル兄様視点のお話でした。
2巻が販売されて半月。何だかドキドキです。
時間枠を整えるのに四苦八苦した巻なので、流れがきちんと伝わって二人の成長や気持ちの変化、小説の内容と近づいて来るじりじり感のようなものが感じていただけたら嬉しいです。
電子版でお迎えくださる方もよろしくお願いいたします。
今回もご感想を編集部にお送りくださった方にはお礼のSSを贈れたらいいなと思っています。
まだ書けていないけど(/ω\)
これからもどうぞよろしくお願いします。
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