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第9章 幸せになります
403.卒業式①
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卒業式の日は綺麗な青い空が広がる良いお天気だった。王都は石造りの街なので、足元の方から寒さが伝わって来るような感じなんだけど、タウンハウスの前につけた馬車に乗って学園に行くので、寒いって感じるのは家を出て馬車に乗るまでと、馬車から降りて学園内に入るまで。
「では私達は大講堂に行って居るからね、落ち着いて、そして学園最後の日を楽しみなさい」
「はい。父様。では皆様、後ほど」
僕はペコリとお辞儀をして教室の方に向かった。
今回は公爵家なので、父様達が座る大講堂での席も、ものすごく前の方だと思うんだ。もしかしたら学園の偉い人達と並んでいるかもしれないし、そのすぐ後ろかもしれない。緊張するなぁ。
兄様は「ビデオが良く撮れるね」って嬉しそうだった。ああ、ビデオが兄様の卒業式の時にあったらなって思うけど、多分僕の泣き声で台無しになっていたと思うので、それはそれで良かったのかもしれない。
「おはようエディ、いよいよ卒業式だね」
「おはようトム、ジーン。本当にね。なんだか色々な事があってとても長かったような、でもあっという間だったような不思議な気持ちだよ」
「うん。僕も。『首』が無事に封印出来て、こうして穏やかに皆で卒業式を迎える事が出来て良かったって思う。でも一番はエディとずっと友達でいられて良かった、かな」
ふふふと笑ってそう言ったトーマス君に僕も笑いながら「僕もトムがずっとずっと友達でいてくれて良かった!」って答えた。そんな事。言っている間に他の仲間達も集まり始めた。
「それにしてもエディの服はすごいね。フィンレーの色でガッチリ固められている」
ユージーン君の言葉に僕はコクリと頷いた。
「うん。僕は制服みたいに決められたものを着るんだと思って何もしていなかったら母様が全部手配をしていてくれた。採寸は成人のお祝いや結婚式の衣装で何度もしているからそれで済んだみたい」
「そうなんだ。公爵夫人が」
納得したように言ったのはスティーブ君。
「兄様が、他の人の色を着ているのが理由は分かるけど複雑って言っていてなんだかちょっと照れたよ」
「…………それで照れるって言うのがエディだよね」
「だってエディだもの」
ルシルとミッチェル君がボソボソと何か言っていたけど、そんな事を言っても皆の服だってちゃんとお相手の色が入っている。トーマス君はちゃんとローブの刺繍と中のシャツがユージーン君の色だし、ルシルはまだ正式は婚約をしていないけれど、ローブのフードまでの切り替えしの所にはプラチナにアメジストをあしらったピンブローチが、そしてローブの下アスコットタイのリングは、やはりプラチナの台に銀色がかって見える様な深いブルーの石が埋め込まれている。
「まだ婚約もしていないのになかなかすごい執着だよね」
「ミッチェル!」
やれやれというように口を開いたミッチェルに、ルシルは赤くなった顔でその名を呼んで「だって付けて行くように念押しされたんだ」とボソボソと言葉を繋げた。
ふふふ、皆上手くいっているみたいで良かった。
「さて、そろそろ聖堂への移動だよ」ってスティーブ君がお喋りが止まらない僕達に声をかけてきた。うう、ちょっと緊張する。壇に上がる時にローブを踏まないように気を付けなきゃ。
沢山の事があった学園の最後の日。
「最高の一日にしよう」ってミッチェル君が言って、皆で頷いて、僕達は教室を出た。
-------
お休みした割に短いですが…………
「では私達は大講堂に行って居るからね、落ち着いて、そして学園最後の日を楽しみなさい」
「はい。父様。では皆様、後ほど」
僕はペコリとお辞儀をして教室の方に向かった。
今回は公爵家なので、父様達が座る大講堂での席も、ものすごく前の方だと思うんだ。もしかしたら学園の偉い人達と並んでいるかもしれないし、そのすぐ後ろかもしれない。緊張するなぁ。
兄様は「ビデオが良く撮れるね」って嬉しそうだった。ああ、ビデオが兄様の卒業式の時にあったらなって思うけど、多分僕の泣き声で台無しになっていたと思うので、それはそれで良かったのかもしれない。
「おはようエディ、いよいよ卒業式だね」
「おはようトム、ジーン。本当にね。なんだか色々な事があってとても長かったような、でもあっという間だったような不思議な気持ちだよ」
「うん。僕も。『首』が無事に封印出来て、こうして穏やかに皆で卒業式を迎える事が出来て良かったって思う。でも一番はエディとずっと友達でいられて良かった、かな」
ふふふと笑ってそう言ったトーマス君に僕も笑いながら「僕もトムがずっとずっと友達でいてくれて良かった!」って答えた。そんな事。言っている間に他の仲間達も集まり始めた。
「それにしてもエディの服はすごいね。フィンレーの色でガッチリ固められている」
ユージーン君の言葉に僕はコクリと頷いた。
「うん。僕は制服みたいに決められたものを着るんだと思って何もしていなかったら母様が全部手配をしていてくれた。採寸は成人のお祝いや結婚式の衣装で何度もしているからそれで済んだみたい」
「そうなんだ。公爵夫人が」
納得したように言ったのはスティーブ君。
「兄様が、他の人の色を着ているのが理由は分かるけど複雑って言っていてなんだかちょっと照れたよ」
「…………それで照れるって言うのがエディだよね」
「だってエディだもの」
ルシルとミッチェル君がボソボソと何か言っていたけど、そんな事を言っても皆の服だってちゃんとお相手の色が入っている。トーマス君はちゃんとローブの刺繍と中のシャツがユージーン君の色だし、ルシルはまだ正式は婚約をしていないけれど、ローブのフードまでの切り替えしの所にはプラチナにアメジストをあしらったピンブローチが、そしてローブの下アスコットタイのリングは、やはりプラチナの台に銀色がかって見える様な深いブルーの石が埋め込まれている。
「まだ婚約もしていないのになかなかすごい執着だよね」
「ミッチェル!」
やれやれというように口を開いたミッチェルに、ルシルは赤くなった顔でその名を呼んで「だって付けて行くように念押しされたんだ」とボソボソと言葉を繋げた。
ふふふ、皆上手くいっているみたいで良かった。
「さて、そろそろ聖堂への移動だよ」ってスティーブ君がお喋りが止まらない僕達に声をかけてきた。うう、ちょっと緊張する。壇に上がる時にローブを踏まないように気を付けなきゃ。
沢山の事があった学園の最後の日。
「最高の一日にしよう」ってミッチェル君が言って、皆で頷いて、僕達は教室を出た。
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お休みした割に短いですが…………
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