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第四章 森の終わり
106 大事な事は聞こえちゃうんだよね
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話をした次の日、俺はラタトクスがくれた金貨の国の事を知りたいとコパンに言った。
思いがけない資金があったから、当面買取に出すような事は無いけれど、もし出すとしたらどういう謂れのものなのか分かっている方がいいと思うんだ。
もしもヤバいものなら塩漬け案件だし、価値がありそうなものならきちんとした査定をつけるところでないと取引はしたくない。
消えた国ってやっぱりなんで消えたのかなって考えるし、買取に出しておかしな事に巻き込まれたら困るしね。
「ねぇ、コパン。金貨の国以外にも今はない国ってあるのかな」
「そのあたりは分からないので、金貨の国の事と一緒に質問しておきます」
「よろしくね」
「おまかせあれ~!」
コパンのいつもの台詞を聞いてちょっとほっこりして、俺たちは拠点を出た。
予想通りに肩の上ではコパンがオーク丼の歌を歌っている。
さすがに似た感じの丼物が連続というのはと思ったんだけど、こんなに期待されているなら今日の夕飯はオーク丼でもいいかなって思っちゃうよね。
「根菜があれば豚汁とかも美味しいんだけどなぁ」
「トンジルってなんですか?」
「ああ、ええっとまだ見つかっていない野菜とオークの肉で作るお味噌汁だよ」
「ふわぁ! 食べてみたいです!」
「そうだね。コパンの『予見』で根菜が見つかりそうなのが分かったらすぐに教えて?」
「それもおまかせあれです!」
そんなやりとりをしながら俺たちは真っ直ぐな道を進んでいく。
今日は物々交換も来ないから、立ち止まることなく進んで、昼食は歩きながらおにぎりを食べた。
いつか海の近くの国に行ったら魚を買おう。さすがに刺身は無理だろうけど、川魚だけでなく海の魚も食べられるといいな。
ああ、海苔も上手く加工出来るかな。
なんだか食べる事ばかりだけど、街に行けばこんなのが欲しいっていうものがあるかもしれない。そう例えばラノベで読んでいた魔道具とかさ。
不幸な事故は今でもやっぱりどうして俺がって思う事もあるけれど、せっかくこうして生きているんだ。この世界で楽しく生きていけるように頑張ろう。
「私も頑張ります! アラタ様が楽しく生きていけるように!」
「あはははは! 聞こえちゃったか」
「すみません。大事な事は聞こえてしまうのです」
「うん。ありがとう、コパン。よろしくね」
「はい! これからもおまかせあれ~!」
そうだね。コパンに任せておけばきっと色々大丈夫だね。
「アラタ様、『予見』が出ました。この先に新しい拠点がありそうです。
「わぁ! 久しぶりの拠点だ。でも一応中に入る時は慎重にね」
「はい。そうですね」
コパンの言葉通り、日が暮れる前に俺たちは新しい拠点を見つけた。
「うん。確かにセーフティゾーンだ。じゃあ今日からはここを拠点にしよう」
「はい! では周りを少し確認してきますね」
「うん。テントと竈は作っておくよ」
新しい拠点ではまず入ってから周囲を『索敵』するのがコパン自身が決めている約束事になっている。
そして更に拠点の奥も確認しにいくのだ。
俺は最初の『索敵』で大丈夫であれば周囲の見回りはコパンに任せている。
そしてその間にテントを出したり、竈を作ったりといつも通りの事をしてコパンが戻るのを待っている。
「奥の方も大丈夫みたいです。でも何かありそうな気がするので明日見に行きましょう」
「へぇ、拠点の所に何かがありそうって言うのは久しぶりだね」
「はい。良いものだといいなと思います」
ニコニコと笑ってそういう『お助け妖精』に俺も笑いながら「そうだね」と頷いた。
---------------
久しぶりの再開なのに短くてすみません。
また頑張って更新していきますね。
思いがけない資金があったから、当面買取に出すような事は無いけれど、もし出すとしたらどういう謂れのものなのか分かっている方がいいと思うんだ。
もしもヤバいものなら塩漬け案件だし、価値がありそうなものならきちんとした査定をつけるところでないと取引はしたくない。
消えた国ってやっぱりなんで消えたのかなって考えるし、買取に出しておかしな事に巻き込まれたら困るしね。
「ねぇ、コパン。金貨の国以外にも今はない国ってあるのかな」
「そのあたりは分からないので、金貨の国の事と一緒に質問しておきます」
「よろしくね」
「おまかせあれ~!」
コパンのいつもの台詞を聞いてちょっとほっこりして、俺たちは拠点を出た。
予想通りに肩の上ではコパンがオーク丼の歌を歌っている。
さすがに似た感じの丼物が連続というのはと思ったんだけど、こんなに期待されているなら今日の夕飯はオーク丼でもいいかなって思っちゃうよね。
「根菜があれば豚汁とかも美味しいんだけどなぁ」
「トンジルってなんですか?」
「ああ、ええっとまだ見つかっていない野菜とオークの肉で作るお味噌汁だよ」
「ふわぁ! 食べてみたいです!」
「そうだね。コパンの『予見』で根菜が見つかりそうなのが分かったらすぐに教えて?」
「それもおまかせあれです!」
そんなやりとりをしながら俺たちは真っ直ぐな道を進んでいく。
今日は物々交換も来ないから、立ち止まることなく進んで、昼食は歩きながらおにぎりを食べた。
いつか海の近くの国に行ったら魚を買おう。さすがに刺身は無理だろうけど、川魚だけでなく海の魚も食べられるといいな。
ああ、海苔も上手く加工出来るかな。
なんだか食べる事ばかりだけど、街に行けばこんなのが欲しいっていうものがあるかもしれない。そう例えばラノベで読んでいた魔道具とかさ。
不幸な事故は今でもやっぱりどうして俺がって思う事もあるけれど、せっかくこうして生きているんだ。この世界で楽しく生きていけるように頑張ろう。
「私も頑張ります! アラタ様が楽しく生きていけるように!」
「あはははは! 聞こえちゃったか」
「すみません。大事な事は聞こえてしまうのです」
「うん。ありがとう、コパン。よろしくね」
「はい! これからもおまかせあれ~!」
そうだね。コパンに任せておけばきっと色々大丈夫だね。
「アラタ様、『予見』が出ました。この先に新しい拠点がありそうです。
「わぁ! 久しぶりの拠点だ。でも一応中に入る時は慎重にね」
「はい。そうですね」
コパンの言葉通り、日が暮れる前に俺たちは新しい拠点を見つけた。
「うん。確かにセーフティゾーンだ。じゃあ今日からはここを拠点にしよう」
「はい! では周りを少し確認してきますね」
「うん。テントと竈は作っておくよ」
新しい拠点ではまず入ってから周囲を『索敵』するのがコパン自身が決めている約束事になっている。
そして更に拠点の奥も確認しにいくのだ。
俺は最初の『索敵』で大丈夫であれば周囲の見回りはコパンに任せている。
そしてその間にテントを出したり、竈を作ったりといつも通りの事をしてコパンが戻るのを待っている。
「奥の方も大丈夫みたいです。でも何かありそうな気がするので明日見に行きましょう」
「へぇ、拠点の所に何かがありそうって言うのは久しぶりだね」
「はい。良いものだといいなと思います」
ニコニコと笑ってそういう『お助け妖精』に俺も笑いながら「そうだね」と頷いた。
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久しぶりの再開なのに短くてすみません。
また頑張って更新していきますね。
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