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第一章 転生
20 魔法の成り立ち
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翌朝は昨日と同じくらいに目が覚めた。
日本で暮らしている時には六時なんて絶対に起きなかったのになと思いつつ、すっかり明るくなっている外に出ると、いつも通りというようにコパンが「おはようございます!」とふよふよと飛んできた。
『クリーン』をしてもらって、朝食にバナナとリンゴを食べた。
どこかでお茶の葉がないかも探してみよう。コーヒーは難しいかもしれないけれど、お茶は何とかなりそうな気がするんだ。
ハーブティは飲んだ事がないからよく分からないんだよね。
どれかの本にハーブティとかないかな。
そんな事を考えつつ焚火とテントを撤収。椅子は出しておいてほしいというのでそのままだ。
「では食料はだいぶ集まっているので、本日は魔法の練習を先にしたいと思います」
「よろしくお願いします」
コパンはニコニコと笑いながら「よろしくお願いします」と俺と同じように頭を下げてきた。
「ええっと、ではまずは魔法の成り立ちというか、この世界の事をお話しますので、どうぞおかけください」
「あ、はい」
俺が座るとコパンは俺の前に立ってくるりと手を回した。するとコパンの頭の上あたりに鑑定のポップアップのような感じに画像が浮かび上がった。
「ええっとこれが私が女神様から説明されたこの世界です。この真ん中が、今いる『深層の森』です。この森を囲むように色々な国があります。国の事はまたいつかお話しますね。私も実はそれほど詳しくはないのです。ただ一番はじめに言ったように、アラタ様のお持ちになっていた本のような世界観となっているようです」
「なるほど」
「この世界にはアイテムの本ではない、もう一つの本のように魔法が存在します。魔法は私達妖精や、精霊、そしてエルフと言ったような種族は生まれた時から使えますが、人はそうではないのです。身体が出来上がってきて、魔力というものになじむようになってから、教会に行って鑑定をして授かります。授かると言ってもその子供が本来持っていた魔力が通るように開く、という方がいいのかもしれません。神々が個々に能力を与えるのではなく、その子供がもって生まれたものを起こす、その為の魔法鑑定です」
「へぇ~……。じゃあ俺は教会で魔法鑑定をしてもらっていないから魔法を使うのは無理なのかな。でも成人はしているけど」
俺がそう言うとコパンは「アラタ様のような転生者はこれとは異なります。この世界に生まれるために女神様が直接そういった事がされています。なので、魔法鑑定をするよりも前に魔法が使えるような事もあるようです。もちろんそういった場合に魔力暴走のような事が起きないように、転生者たちには私達お助け妖精が遣わされるのです」と説明した。
「じゃあ、俺の他にもこの世界に転生者はいるんだね」
「そうだと思いますが、私はアラタ様のお助け妖精ですので、アラタ様の事しか聞いていません」
「そうなんだ」
「そしてアラタ様ですが、アラタ様は不幸な事故による転生という事で、赤ちゃんからではなく、転移に近い形で移られてきました」
ああ、手違いの大事故……
「いいえ、不幸な事故です」
「あ、うん。それで?」
「はい。ですのでアラタ様はすでに魔法が使える筈です。私は【アイテム】というものを初めて見ましたが、それも魔力がなければ多分使えない筈です。あれも魔法だと思います。なので、これから取得していく『清浄』や『片付け』『光』『火』『水』などははっきり言って、慣れと想像力です」
「………………は?」
「魔法で一番大事なのは想像力です!」
なんだか、世界レベルから一気にご近所レベルにきた感じだぞ?
-------------
コパン先生、さすがです。
日本で暮らしている時には六時なんて絶対に起きなかったのになと思いつつ、すっかり明るくなっている外に出ると、いつも通りというようにコパンが「おはようございます!」とふよふよと飛んできた。
『クリーン』をしてもらって、朝食にバナナとリンゴを食べた。
どこかでお茶の葉がないかも探してみよう。コーヒーは難しいかもしれないけれど、お茶は何とかなりそうな気がするんだ。
ハーブティは飲んだ事がないからよく分からないんだよね。
どれかの本にハーブティとかないかな。
そんな事を考えつつ焚火とテントを撤収。椅子は出しておいてほしいというのでそのままだ。
「では食料はだいぶ集まっているので、本日は魔法の練習を先にしたいと思います」
「よろしくお願いします」
コパンはニコニコと笑いながら「よろしくお願いします」と俺と同じように頭を下げてきた。
「ええっと、ではまずは魔法の成り立ちというか、この世界の事をお話しますので、どうぞおかけください」
「あ、はい」
俺が座るとコパンは俺の前に立ってくるりと手を回した。するとコパンの頭の上あたりに鑑定のポップアップのような感じに画像が浮かび上がった。
「ええっとこれが私が女神様から説明されたこの世界です。この真ん中が、今いる『深層の森』です。この森を囲むように色々な国があります。国の事はまたいつかお話しますね。私も実はそれほど詳しくはないのです。ただ一番はじめに言ったように、アラタ様のお持ちになっていた本のような世界観となっているようです」
「なるほど」
「この世界にはアイテムの本ではない、もう一つの本のように魔法が存在します。魔法は私達妖精や、精霊、そしてエルフと言ったような種族は生まれた時から使えますが、人はそうではないのです。身体が出来上がってきて、魔力というものになじむようになってから、教会に行って鑑定をして授かります。授かると言ってもその子供が本来持っていた魔力が通るように開く、という方がいいのかもしれません。神々が個々に能力を与えるのではなく、その子供がもって生まれたものを起こす、その為の魔法鑑定です」
「へぇ~……。じゃあ俺は教会で魔法鑑定をしてもらっていないから魔法を使うのは無理なのかな。でも成人はしているけど」
俺がそう言うとコパンは「アラタ様のような転生者はこれとは異なります。この世界に生まれるために女神様が直接そういった事がされています。なので、魔法鑑定をするよりも前に魔法が使えるような事もあるようです。もちろんそういった場合に魔力暴走のような事が起きないように、転生者たちには私達お助け妖精が遣わされるのです」と説明した。
「じゃあ、俺の他にもこの世界に転生者はいるんだね」
「そうだと思いますが、私はアラタ様のお助け妖精ですので、アラタ様の事しか聞いていません」
「そうなんだ」
「そしてアラタ様ですが、アラタ様は不幸な事故による転生という事で、赤ちゃんからではなく、転移に近い形で移られてきました」
ああ、手違いの大事故……
「いいえ、不幸な事故です」
「あ、うん。それで?」
「はい。ですのでアラタ様はすでに魔法が使える筈です。私は【アイテム】というものを初めて見ましたが、それも魔力がなければ多分使えない筈です。あれも魔法だと思います。なので、これから取得していく『清浄』や『片付け』『光』『火』『水』などははっきり言って、慣れと想像力です」
「………………は?」
「魔法で一番大事なのは想像力です!」
なんだか、世界レベルから一気にご近所レベルにきた感じだぞ?
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コパン先生、さすがです。
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