15 / 18
14.
しおりを挟む
「それで? 何故ここに失われし技術で作られた木があるのだ?」
ビキッと青筋を立てながら、私達に聞いてくる職人さん。
「ちょっと、ヤバいかな?」
「いや、ヤバいってどころじゃないですって」
「リン様と一緒にいると、私の感覚もおかしくなってしまったようです」
コソコソと3人で話す。
「これは王にまず言わなければならない程の代物なのだぞ? 一体どこの遺跡から持ってきた? こんなに状態のいいものは初めてだ!」
出来立てほやほやです、とは言えない。
「ま、王様に会えるんだったらいっか」
「こんな簡単にいって大丈夫なんですか?」
「俺もそこが1番心配です」
心配性の2人を宥め、フードを被ったまま職人さんに話しかける。
「すみません、私達は田舎から出てきたものでよく分からなかったんです。どうすれば王様に会えますか?」
しばらく考えるそぶりを見せた職人さんが、ゆっくりと口を開く。
「ならばワシが王に繋いでやる。お前達は幸運だったな。ワシの店はこの国の王の御用達の店なんだ。ウソかどうかは王に見定めて貰えばいい」
うん、知ってた。
「ありがとうございます」
お礼を言って、一旦外に出て使いが来るのを待つ。
「まさかのドンピシャですね」
「リン様は分かってらしたんですか?」
オリビアとトワがびっくりしたように聞いてくるが、私はにこりと笑って濁した。
逆行前、冒険者として活躍していたときにここの職人さんとは顔見知りだったのだ。武器の調達なんかもここでお世話になっていた。その時に職人さんの自慢話として、王家御用達と知ったのだ。
上手くいくかは分からなかったけど、やればなんとかなるもんだ。
「おい、行くぞ」
どうやら連絡をしたらしい職人さんが声をかけてくる。他所行きの服装だった。
「もし職人さんがこの木を買い取るとしたら何円くらいで買い取りますか?」
城に行くつい途中、何気なく質問する。
「んん、そうだなぁ。金があれば金貨1枚でその木1本を買い取るだろうな」
「うわぁ、そんなに高価だったんですね」
「おうよ」と返事をくれる職人さん。
木は全部で200本ほど持ってきていた。売ればこの国の下級貴族並みの生活が半月ほど遅れるだろう。農民であれば、下手すれば一生遊んで暮らせるお金が手に入る。
どちらにしろ、高価すぎて買い取るのは貴族ぐらいしかいないだろうと予想ができた。
○○○
すっかり打ち解け、「頑張ってこいよー」と手を振りながら私たちを見送ってくれた職人さんと別れ、城に入場する。
荷物を預け、王の待つ部屋まで通された。
「そちらがあの木を売りにきた者たちか……よく来たな」
中に入ると、すでに王は椅子に座っており慌てて床に膝をつく。
オリビアとトワも事前に話していたので、私の真似をして膝をついていた。
「ふむ、作法は完璧じゃな。して、そのフードは取ってくれんのかの?」
来たか! と思うが、それも事前に3人で話し合っておいた。ここは素直に取ろうと。
「いえ、とりましょう」
パサッと音を立てて深く被っていたフードが落ちる。
「なんと? 魔物……」
トワを見て、驚きで固まってしまった王に私がそっと声をかける。
「説明してもよろしいでしょうか?」
「う、うむ。取り乱してすまない」
まあ、予想はできていたけどね。
「ありがたき幸せ。私達は魔物ではございません。亜人といえばよろしいのでしょうか? このツノは酒呑童子という種族の特徴なのです」
新種族だけどね、とは言わない。
「ではそちらの髪色は? ツノで驚いたのもあるが、お前達の髪色は神話にしか出てこない髪色だ」
王に、問われ「へ?」と返事をするオリビア。まさか自分もだとは思っていなかったのだろう。ガレア王国では私が聖女だということを知っていながら隠していたので騒がれなかっただけのようだ。
「黒髪の彼女は大聖女です。そして、私は魔聖亜族というらしいです」
自分が進化した種族の名前が難しくて、ステータスを開いて読み上げる。
「いま、なんと?」
「黒髪の彼女は大聖女で、私は魔聖亜族らしいです。私の場合は大聖女から進化しました」
そういうと、王がフゥッとため息を吐き、頭に手をやる。頭痛がするようだ。
大丈夫だろうかと様子見していると、何かを決意したように王が頭から手を退けた。
「聖教会へ……」
「あ、それはダメです。それに彼女は大聖女なので報告しなくてもいいはずですよね?」
「それは屁理屈じゃろうが……もうよい。儂の鑑定機で測らせてもらったからツノのある奴はA級、黒髪の美女はS級、お主に至っては測定不能と出たもんだ。儂がどうこうできる相手じゃない。厄介者を連れてきよって……」
ブツブツと文句をいう王は、猫を被るのが疲れたようで素で文句を言っている。
「あの、それで提案なんですが……」
「なんじゃ? 儂の国は確かに国力はある。そこらの大国にも負けておらん。脅すならお引き取り願おう」
勘違いしている王に慌てて弁解する。
「いえ、違うんです。鉄鋼朴を買い取っていただきたくて……」
「あぁ、あの木をか……いや、儂としても欲しい。が……」
渋る王に提案をする。
「この国にだけ卸します。継続で卸せます。今なら10本で金貨5枚です。半額にします」
「はぁ? そんなバカなことが……」
そう言ってハッとしたように私を見る王。
「まさか……!」
「ええ、作れるんです。まあ、こんなに格安にするのはもう一つ。のんでいただきたい案件があるからなのですが」
いけるかな?
「ククククク……あっはっはっはっはっは! その、のんで欲しい案件とは聖教会を敵に回せということかな?」
王がいきなり笑い出した。
「え、いや、敵に回せまでは言いませんけど」
「ではなんだ? 黙っておれと?」
こくっと頷く。
私は神聖水のことを諦めていなかった。どーしても私の国の特産品として売りに出したかったのだ。
「無理だ。聖教会に黙っておることはできない」
顔を厳しくした王に私はがっくりする。
「そうですか……」
「私は聖教会を騙し切るほど器用ではない。最近煩くなってきてなぁ。儂は聖教会を敵に回すぞ? どうだ、儂と手を組むか?」
ハッと王を見れば、悪戯が成功したようなそんな顔していた。
「大聖女がおるならば怖くはない。それに鑑定機で測定不能と出たお主もおるしな。もしや、国を創ろうとしておるのか?」
その言葉に、私より先にオリビアが頷いた。
「そうだ。魔の森に拠点を構えている」
トワがすかさず発言した。
「なんと、そうであったか。魔の森に……それなら知らぬ種族がいても不思議ではないな。あいわかった。儂はお主らの国を認めよう。取引成立といこうではないか」
こうして、私達は国としての第一歩を踏み出した。王に通信用の道具を渡される。
「これで、来る時は連絡を入れなさい」と言うことらしい。金貨が入った袋と共に、私達は転移してみんなのいる魔の森へ帰ったのだった。
ちなみに同盟を結ぶ際、国名を決めてくれと言われたので"神聖魔和国"とした。とりあえず思いついたモノを並べた感じだ。王に呆れられたが、決めたので押し通した。
ビキッと青筋を立てながら、私達に聞いてくる職人さん。
「ちょっと、ヤバいかな?」
「いや、ヤバいってどころじゃないですって」
「リン様と一緒にいると、私の感覚もおかしくなってしまったようです」
コソコソと3人で話す。
「これは王にまず言わなければならない程の代物なのだぞ? 一体どこの遺跡から持ってきた? こんなに状態のいいものは初めてだ!」
出来立てほやほやです、とは言えない。
「ま、王様に会えるんだったらいっか」
「こんな簡単にいって大丈夫なんですか?」
「俺もそこが1番心配です」
心配性の2人を宥め、フードを被ったまま職人さんに話しかける。
「すみません、私達は田舎から出てきたものでよく分からなかったんです。どうすれば王様に会えますか?」
しばらく考えるそぶりを見せた職人さんが、ゆっくりと口を開く。
「ならばワシが王に繋いでやる。お前達は幸運だったな。ワシの店はこの国の王の御用達の店なんだ。ウソかどうかは王に見定めて貰えばいい」
うん、知ってた。
「ありがとうございます」
お礼を言って、一旦外に出て使いが来るのを待つ。
「まさかのドンピシャですね」
「リン様は分かってらしたんですか?」
オリビアとトワがびっくりしたように聞いてくるが、私はにこりと笑って濁した。
逆行前、冒険者として活躍していたときにここの職人さんとは顔見知りだったのだ。武器の調達なんかもここでお世話になっていた。その時に職人さんの自慢話として、王家御用達と知ったのだ。
上手くいくかは分からなかったけど、やればなんとかなるもんだ。
「おい、行くぞ」
どうやら連絡をしたらしい職人さんが声をかけてくる。他所行きの服装だった。
「もし職人さんがこの木を買い取るとしたら何円くらいで買い取りますか?」
城に行くつい途中、何気なく質問する。
「んん、そうだなぁ。金があれば金貨1枚でその木1本を買い取るだろうな」
「うわぁ、そんなに高価だったんですね」
「おうよ」と返事をくれる職人さん。
木は全部で200本ほど持ってきていた。売ればこの国の下級貴族並みの生活が半月ほど遅れるだろう。農民であれば、下手すれば一生遊んで暮らせるお金が手に入る。
どちらにしろ、高価すぎて買い取るのは貴族ぐらいしかいないだろうと予想ができた。
○○○
すっかり打ち解け、「頑張ってこいよー」と手を振りながら私たちを見送ってくれた職人さんと別れ、城に入場する。
荷物を預け、王の待つ部屋まで通された。
「そちらがあの木を売りにきた者たちか……よく来たな」
中に入ると、すでに王は椅子に座っており慌てて床に膝をつく。
オリビアとトワも事前に話していたので、私の真似をして膝をついていた。
「ふむ、作法は完璧じゃな。して、そのフードは取ってくれんのかの?」
来たか! と思うが、それも事前に3人で話し合っておいた。ここは素直に取ろうと。
「いえ、とりましょう」
パサッと音を立てて深く被っていたフードが落ちる。
「なんと? 魔物……」
トワを見て、驚きで固まってしまった王に私がそっと声をかける。
「説明してもよろしいでしょうか?」
「う、うむ。取り乱してすまない」
まあ、予想はできていたけどね。
「ありがたき幸せ。私達は魔物ではございません。亜人といえばよろしいのでしょうか? このツノは酒呑童子という種族の特徴なのです」
新種族だけどね、とは言わない。
「ではそちらの髪色は? ツノで驚いたのもあるが、お前達の髪色は神話にしか出てこない髪色だ」
王に、問われ「へ?」と返事をするオリビア。まさか自分もだとは思っていなかったのだろう。ガレア王国では私が聖女だということを知っていながら隠していたので騒がれなかっただけのようだ。
「黒髪の彼女は大聖女です。そして、私は魔聖亜族というらしいです」
自分が進化した種族の名前が難しくて、ステータスを開いて読み上げる。
「いま、なんと?」
「黒髪の彼女は大聖女で、私は魔聖亜族らしいです。私の場合は大聖女から進化しました」
そういうと、王がフゥッとため息を吐き、頭に手をやる。頭痛がするようだ。
大丈夫だろうかと様子見していると、何かを決意したように王が頭から手を退けた。
「聖教会へ……」
「あ、それはダメです。それに彼女は大聖女なので報告しなくてもいいはずですよね?」
「それは屁理屈じゃろうが……もうよい。儂の鑑定機で測らせてもらったからツノのある奴はA級、黒髪の美女はS級、お主に至っては測定不能と出たもんだ。儂がどうこうできる相手じゃない。厄介者を連れてきよって……」
ブツブツと文句をいう王は、猫を被るのが疲れたようで素で文句を言っている。
「あの、それで提案なんですが……」
「なんじゃ? 儂の国は確かに国力はある。そこらの大国にも負けておらん。脅すならお引き取り願おう」
勘違いしている王に慌てて弁解する。
「いえ、違うんです。鉄鋼朴を買い取っていただきたくて……」
「あぁ、あの木をか……いや、儂としても欲しい。が……」
渋る王に提案をする。
「この国にだけ卸します。継続で卸せます。今なら10本で金貨5枚です。半額にします」
「はぁ? そんなバカなことが……」
そう言ってハッとしたように私を見る王。
「まさか……!」
「ええ、作れるんです。まあ、こんなに格安にするのはもう一つ。のんでいただきたい案件があるからなのですが」
いけるかな?
「ククククク……あっはっはっはっはっは! その、のんで欲しい案件とは聖教会を敵に回せということかな?」
王がいきなり笑い出した。
「え、いや、敵に回せまでは言いませんけど」
「ではなんだ? 黙っておれと?」
こくっと頷く。
私は神聖水のことを諦めていなかった。どーしても私の国の特産品として売りに出したかったのだ。
「無理だ。聖教会に黙っておることはできない」
顔を厳しくした王に私はがっくりする。
「そうですか……」
「私は聖教会を騙し切るほど器用ではない。最近煩くなってきてなぁ。儂は聖教会を敵に回すぞ? どうだ、儂と手を組むか?」
ハッと王を見れば、悪戯が成功したようなそんな顔していた。
「大聖女がおるならば怖くはない。それに鑑定機で測定不能と出たお主もおるしな。もしや、国を創ろうとしておるのか?」
その言葉に、私より先にオリビアが頷いた。
「そうだ。魔の森に拠点を構えている」
トワがすかさず発言した。
「なんと、そうであったか。魔の森に……それなら知らぬ種族がいても不思議ではないな。あいわかった。儂はお主らの国を認めよう。取引成立といこうではないか」
こうして、私達は国としての第一歩を踏み出した。王に通信用の道具を渡される。
「これで、来る時は連絡を入れなさい」と言うことらしい。金貨が入った袋と共に、私達は転移してみんなのいる魔の森へ帰ったのだった。
ちなみに同盟を結ぶ際、国名を決めてくれと言われたので"神聖魔和国"とした。とりあえず思いついたモノを並べた感じだ。王に呆れられたが、決めたので押し通した。
0
お気に入りに追加
75
あなたにおすすめの小説
「お前は聖女ではない!」と妹に吹き込まれた王子に婚約破棄されました。はい、聖女ではなく、『大聖女』ですが何か?
つくも
恋愛
王国リンカーンの王女であるセシリア。セシリアは聖女として王国を支えてきました。しかし、腹違いの妹に「本当の聖女ではない」と吹き込まれた婚約者の王子に婚約破棄をされ、追放されてしまうのです。
そんな時、隣国の王宮にセシリアは『大聖女』としてスカウトされます。そう、セシリアはただの聖女を超えた存在『大聖女』だったのです。
王宮でセシリアは王子に溺愛され、『大聖女』として皆から慕われます。小国はセシリアの力によりどんどん発展していき、大国に成長するのです。
一方、その頃、聖女として代わりの仕事を担うはずだった妹は失敗の連続。彼女にセシリアの代わりは荷が重すぎたようです。次第に王国は衰えていき、婚約者の王子からは婚約破棄され、最後には滅亡していくのです。
これは聖女ではないと追放されたセシリアが、ホワイトな王宮で大聖女として皆から慕われ、幸せになるお話です。
(完結)大聖女を頑張っていた私が悪役令嬢であると勝手に決めつけられて婚約破棄されてしまいました。その子に任せたらあなたの人生は終わりですよ。
しまうま弁当
恋愛
メドリス伯爵家の第一令嬢であるマリーは突然婚約者のフェルド第一王太子から「真実の愛を見つけたんだ」と言われて婚約破棄を宣言されるのでした。
フェルド王太子の新しいお相手はマグカルタ男爵家のスザンヌだったのですが、そのスザンヌが私の事を悪役令嬢と言い出して、私を大聖女の地位から追い出そうとしたのです。
マリーはフェルドにスザンヌを大聖女にしたらあなたの人生が終わってしまいますよと忠告したが、フェルドは全くマリーの言う事に耳を傾けませんでした。
そしてマリー具体的な理由は何も言われずにマリーが悪役令嬢に見えるというフワッとした理由で大聖女の地位まで追い出されてしまうのでした。
大聖女の地位を追われ婚約破棄をされたマリーは幼馴染で公爵家の跡取りであるミハエル・グスタリアの所に身を寄せるのでした。
一方マリーを婚約破棄してご満悦のフェルドはスザンヌを大聖女につかせるのでした。
スザンヌも自信満々で大聖女の地位を受けるのでした。
そこからフェルドとスザンヌの転落人生が始まる事も知らずに。
婚約破棄された公爵令嬢は虐げられた国から出ていくことにしました~国から追い出されたのでよその国で竜騎士を目指します~
ヒンメル
ファンタジー
マグナス王国の公爵令嬢マチルダ・スチュアートは他国出身の母の容姿そっくりなためかこの国でうとまれ一人浮いた存在だった。
そんなマチルダが王家主催の夜会にて婚約者である王太子から婚約破棄を告げられ、国外退去を命じられる。
自分と同じ容姿を持つ者のいるであろう国に行けば、目立つこともなく、穏やかに暮らせるのではないかと思うのだった。
マチルダの母の祖国ドラガニアを目指す旅が今始まる――
※文章を書く練習をしています。誤字脱字や表現のおかしい所などがあったら優しく教えてやってください。
※第二章まで完結してます。現在、最終章について考え中です(第二章が考えていた話から離れてしまいました(^_^;))
書くスピードが亀より遅いので、お待たせしてすみませんm(__)m
※小説家になろう様にも投稿しています。
亡国の大聖女 追い出されたので辺境伯領で農業を始めます
夜桜
恋愛
共和国の大聖女フィセルは、国を安定させる為に魔力を使い続け支えていた。だが、婚約を交わしていたウィリアム将軍が一方的に婚約破棄。しかも大聖女を『大魔女』認定し、両親を目の前で殺された。フィセルだけは国から追い出され、孤独の身となる。そんな絶望の雨天の中――ヒューズ辺境伯が現れ、フィセルを救う。
一週間後、大聖女を失った共和国はモンスターの大規模襲来で甚大な被害を受け……滅びの道を辿っていた。フィセルの力は“本物”だったのだ。戻って下さいと土下座され懇願されるが、もう全てが遅かった。フィセルは辺境伯と共に農業を始めていた。
お望み通りに婚約破棄したのに嫌がらせを受けるので、ちょっと行動を起こしてみた。
夢草 蝶
恋愛
婚約破棄をしたのに、元婚約者の浮気相手から嫌がらせを受けている。
流石に疲れてきたある日。
靴箱に入っていた呼び出し状を私は──。
婚約破棄をされて魔導図書館の運営からも外されたのに今さら私が協力すると思っているんですか?絶対に協力なんてしませんよ!
しまうま弁当
恋愛
ユーゲルス公爵家の跡取りベルタスとの婚約していたメルティだったが、婚約者のベルタスから突然の婚約破棄を突き付けられたのだった。しかもベルタスと一緒に現れた同級生のミーシャに正妻の座に加えて魔導司書の座まで奪われてしまう。罵声を浴びせられ罪まで擦り付けられたメルティは婚約破棄を受け入れ公爵家を去る事にしたのでした。メルティがいなくなって大喜びしていたベルタスとミーシャであったが魔導図書館の設立をしなければならなくなり、それに伴いどんどん歯車が狂っていく。ベルタスとミーシャはメルティがいなくなったツケをドンドン支払わなければならなくなるのでした。
冷遇された王女は隣国で力を発揮する
高瀬ゆみ
恋愛
セシリアは王女でありながら離宮に隔離されている。
父以外の家族にはいないものとして扱われ、唯一顔を見せる妹には好き放題言われて馬鹿にされている。
そんな中、公爵家の子息から求婚され、幸せになれると思ったのも束の間――それを知った妹に相手を奪われてしまう。
今までの鬱憤が爆発したセシリアは、自国での幸せを諦めて、凶帝と恐れられる隣国の皇帝に嫁ぐことを決意する。
自分に正直に生きることを決めたセシリアは、思いがけず隣国で才能が開花する。
一方、セシリアがいなくなった国では様々な異変が起こり始めて……
婚約破棄の上に家を追放された直後に聖女としての力に目覚めました。
三葉 空
恋愛
ユリナはバラノン伯爵家の長女であり、公爵子息のブリックス・オメルダと婚約していた。しかし、ブリックスは身勝手な理由で彼女に婚約破棄を言い渡す。さらに、元から妹ばかり可愛がっていた両親にも愛想を尽かされ、家から追放されてしまう。ユリナは全てを失いショックを受けるが、直後に聖女としての力に目覚める。そして、神殿の神職たちだけでなく、王家からも丁重に扱われる。さらに、お祈りをするだけでたんまりと給料をもらえるチート職業、それが聖女。さらに、イケメン王子のレオルドに見初められて求愛を受ける。どん底から一転、一気に幸せを掴み取った。その事実を知った元婚約者と元家族は……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる